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2024年3月19日 (火)

リヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」

320日サントリーホール演奏会 の続き。

リヒャルト・シュトラウス作曲 交響詩「英雄の生涯」作品40 について

 

共有した音源は安永徹氏がベルリンフィルのコンサートマスター在任中の来日公演。

場所は同じサントリーホール。

この曲はベルリンフィルの音が1番合ってると思います。

指揮はサイモン ラトル

https://youtu.be/pcQJdk5eo74?si=CnC_N8-oFpe7yUoD

 

ドイツの作曲家シュトラウスが手掛けた「交響詩」というジャンルの中での最後の作品です。

 

交響詩とは、ベートーヴェンのところでお話しした交響曲が3つか4つの楽章で成り立つ、ソナタ形式を含む多楽章のオーケストラ曲であるのに対し、

交響詩は1つの楽章しか持たないことが多く、イメージを喚起する副題がついたオーケストラ曲を指します。

オーケストラで奏でる章立てしない物語、詩という言い方もできます。

ただ、交響詩の方が時代が現代に近いので、オーケストラの規模が大きくなっているのも特徴の一つです。

時代が進むと王侯貴族の規則やしきたりの世界から、より自由になっているとも言えます。

 

ここで言う英雄とは、リヒャルト・シュトラウス自身のこと。

単一楽章形式(つまり切れ目なく続く音楽)ですが、内容は六つの部分からなると言われています。

1・英雄の姿を描く

2・英雄と人間の対立

3・愛情に魅せられた英雄

4・戦場の英雄

5・英雄の業績

6・英雄の引退

 

冒頭は序奏なしにいきなり「快活に」の指示で、英雄を示す主要主題で始まります。

低音の弦楽器とホルンが重なった独特の音色が印象的です。

この作品はなんとホルンが8本も使われています!

ちなみにリヒャルト・シュトラウスの父はホルンの名手であったため、彼はホルンを大事な場面で効果的に使います。

 

この主題自体がかなり長く、英雄のキャラクターを伝えるさまざまな要素を含んでいます。

譜例もありますがそこは省略。

 

英雄はどんな人物であるかというと、

「底力と気力 強固な意志を持ち ファンタジーの豊富さ 感情の温かさと緊張力、行動力に富む人物」として様々な楽器で演奏されます。

ここの頂点では金管楽器が鳴り響きます。

そして一瞬の休符で区切られ、ここまでが第1の部分とわかります。

 

第2部「英雄の敵」

この敵とは、批評家、先輩、同輩など。どこの社会でも同じですね。

無理解と敵視、嘲笑にさしもの英雄も落胆し、悲観的な状態になるのが音楽で描かれます。

しかし、それらを敢然と退けようとして力を増していったところでまでが第2部。

 

第3部「英雄の伴侶」は独奏ヴァイオリンで表現されます。

難易度の高い内容をコンサートマスターが演奏します。

最初は英雄の激しい行動力で愛は拒絶されますが、次第に愛の詩的な二重唱となり二人の意見の一致が聴こえてきます。

英雄が彼女を抱きしめたところで、敵の非難や嘲笑が聴こえて来、

突然舞台裏からトランペットが鳴り響いてくるところまでが第3部です。

 

第4部「戦場での英雄」

トランペットの響きは戦いの場面に入ったことを暗示し、英雄の胸には大胆と勇気がみなぎります。戦いのシーンが音楽で表現され、圧倒的な迫力です。

勝利の喜びと希望が見えます。

伴侶の主題がバイオリンで演奏されるのは英雄を激励している様子。

戦闘が頂点に達すると、英雄は敵を征服する最後の一大攻撃を仕掛け勝利が決定的にもたらされます。それは金管楽器の力強い演奏で示されます。

批評家などの敵も弱々しくなり、非難も嘲笑も断片的になるのがこの部分の終わり。

 

第5部「英雄の業績」

曲が静かに落ち着いてきて英雄の業績が示される箇所です。

ここは実はこれまでのリヒャルト・シュトラウスの傑作の数々がそれぞれの主要主題で出てきます。

例えば「ドンキホーテ」「ドン・ファン」「死と浄化」「マクベス」「ティルオイレンシュピーゲル」「ツァラツゥストラ」オペラ「グントラム」、そして歌曲「たそがれの夢」作品29の1など。

 

そして業績が一通り示されると曲は最後の部分「英雄の引退」に入ります。

速度はきわめてゆっくりとなります。

ウイキペディアの解説によると、田園風景がイングリッシュホルンで表現され、

過去を回想し、最後は静かになってこの世を去るとあります。

 

主な出典 「名曲解説全集」第6巻管弦楽曲Ⅲ 音楽之友社より 

https://amzn.asia/d/3DuZgjO

1級の解説者の執筆による全24巻 昭和55年の第一刷という古いものを所有。

大学卒業時に一括購入して勉強の際に愛用し続けています。

 

指揮者の小泉和裕さんも「英雄の生涯」にご自分を重ねていらっしゃるのではないかと想像します。

人はその人の成功や栄光など光の部分しか見ません。そこまでになった人の苦労、もともとのエネルギーなどは知ることはなかなかできません。

それに共感されてのプログラミングと感じます。

さて、どう表現されるのか?楽しみです。

 

私たちは指揮者の表情、オーケストラ奏者のやり取りを間近に見られる席なので、

見る楽しみも大いに満喫しましょう!

 

と、ここまでが塾内のイベント欄に書いた作品についてのインフォメーション。

明日はランチタイムに作曲家について語るので、今晩はベートーヴェンとリヒャルト・シュトラウスについて再度勉強します。

楽しいなあ💛

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