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2024年3月

2024年3月31日 (日)

アンダンテ・カンタービレを配信しました!

春のYouTube配信いたしました!

チャイコフスキーの「アンダンテカンタービレ」です🌸

https://youtu.be/TfEdHlNl1Rw

 

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今回なかなか苦労しました。

私にとってこの曲は、ミレーの「晩鐘」のイメージ。

でも音楽に合う写真が見つからない💦

2月から時々考えてようやくの完成です。

いつもの雰囲気ですが、前半は素朴に、途中宙玉の写真を2枚挟んで、

後半は今年の河津桜を配置した季節の作品になりました🌸

 

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個人的には、20代の終わりに弦楽四重奏の本番のアンコールにこの原曲を弾いて、とてもよく響く会場だったことにも助けられて会心の演奏ができた!という思い出があります。

でも、そんな幸せな本番を終えて自宅に帰ると、

手術が成功して退院後自宅療養中の妹の癌が骨に転移して足が動かなくなり、

緊急入院していたというショックで涙が止まらなかった日でもありました。

一つ違いの妹は分身のように仲のいいその時最も大切な人でした。

幸せと涙と、、、振り幅が最も大きかったあの日を、アンダンテカンタービレが慰めてくれた思い出の大切な作品です。

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以下YouTubeの概要欄にも記した解説です。

・・・・・・・・・・・・・

このアンダンテ・カンタービレはチャイコフスキー作曲 弦楽四重奏曲第1番 第2楽章を原曲として、ヴァイオリニストのクライスラーが編曲したヴァイオリンとピアノバージョンです。

 

原曲をロシアの文豪トルストイが聴いて、涙を流したという逸話があります。

そこに居合わせたチャイコフスキー自身も、その場面の感動を20年経っても忘れ

ずに語っています。

なぜそれほどトルストイの心を揺さぶったのか?

アンダンテカンタービレのメロディは、もとはウクライナのカメンカ地方のペチ

カ職人が歌っていた民謡という説があります。

農奴解放を謳っていたトルストイにとって、民謡が芸術に昇華されたと感じたの

かもしれません。

前半は素朴な民謡風ですが、後半は厳かに祈りが高まっていきます。

世界の平和を祈って演奏しました。

2024年の日本の河津桜や野の花たち写真と共に、シンプルだからこその美しさを

お楽しみください。

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<お知らせ>

Luna ClassicaYouTubeチャンネルはこちらです。

https://www.youtube.com/@lunaclassica3529

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2作目のCDに収録予定のブラームス ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番より第1楽章の冒頭部分。 2024312日収録

https://youtu.be/_g0WW0caJMM?si=i73sKBKCPJDnhUXs

 

Luna ClassicaCD1作目「祈り」はこちらで視聴、購入できます。

https://www.tunecore.co.jp/artists/LunaClassica

 

2024年3月21日 (木)

オーケストラを聴きに行こう!🎻

 

3月20日(水・祝)12時集合でサントリーホールの目の前のスペイン料理「Dos Escenas(ドス エセナス)」でのランチから始まり、

15時開演の2時間のコンサートの計5時間を、

勝間塾の友人と計8名で楽しんで参りました。

http://kyukyo.or.jp/cms/14615

 

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前もって当日のプログラムのYouTubeをお知らせし、

コミュニティのイベント欄に交響曲とは?や曲の解説をイベント欄に張り付けて(その内容は前回、前前回のブログにも転載)、

初めてオーケストラのコンサートに来られても楽しんでいただけるように工夫してみました。

ランチは酸味が効いた個性的かつとても美味しい美しいお料理のコースに皆で舌鼓を打ちながら、

2時間半のランチタイムを自己紹介、コンサートの前知識のためのミニレクチャーも盛り込んで、

すでにコンサートが始まる前から「第2弾も!」のお声をいただいたほど和やかで楽しかったです💛

 

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この日は、私が20代の頃に在籍していた九州交響楽団の70周年記念の特別コンサートで、

指揮も私が居た頃にも音楽監督でいらっしゃった小泉和裕氏。

私にとって小泉さんは初めて生の指揮に触れた方でもあります。

当時通っていた女子校の創立90周年か何かの記念コンサートに小泉さんが招かれ、

ベートーヴェンの「合唱幻想曲」の合唱で私も演奏会に参加し、

きびきびとしたカッコいい指揮にすっかりファンになりました。

 

そして桐朋を卒業の後、九響に入団してその後半に小泉さんが音楽監督になられて

すごく幸せな本番をいくつも体験しています。

その小泉さんの九響退任のラストコンサートとなったら、行かないわけにはいかない!

誰と行く? で思いついたのが、イベントを立てて勝間塾の友人と行くということ。

大当たりでした!

 

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席はオーケストラの後ろの席。つまり奏者のやり取りや指揮者の表情がしっかり見える。

さらにこの席は安価ということで、何倍も嬉しい。

でも、途中から私は指揮者ばかり見ていました。

明確な指示。深い集中力。小泉さんが振れば安心なのです。

間違いなく確実に連れて行ってくださる絶対の信頼感。

 

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以前は弾きながら見ていたのですが、今回は弾かないので音を聴きながら見ていると違ったものが残りました。

それを考え続けています。

よく「俯瞰する」といいますが、指揮者の仕事はまさにそれだ!と思いました。

今の音に責任を持ちながら、常に先を指し示す。高い位置から。

ヴァイオリンだってそうなのです。常に先の音をイメージして自分の中で作ってから音にする。

指揮者の姿は外からもそれが明確に見えました。

身体全体を使って、時には大鷲が羽ばたくように、

時には指先の柔らかい繊細な表情で、息遣いで、表情で、オーケストラに伝えていきます。

 

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そしてそれに応えるオーケストラ。

ブラボーの嵐の熱演でした!!

拍手が鳴りやまず、オーケストラ奏者がステージからはけても続く拍手に、

もう一度指揮者が戻って来る。

最高の演奏会にご案内できたと思います。

一人で感動するよりも、終演後皆さんの高揚したお顔にロビーで出会えて、感想を伺えて、

喜びは何倍にもなりました。

 

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小泉さんがご自身の音楽人生を語られた「邂逅を紡ぐハーモニー」https://amzn.asia/d/db7Ij4B

を昨日ホワイエで購入して読んでいるところですが、その本の後ろに

「コンサートホールの中で一人でも、人生が変わるほどの体験をしてもらえたら」とありました。

そしてその下に小さな文字で「音楽から受けた感動は記憶の奥に刻まれ、ずっと残るもの。

ときにはそれは人生を変えてしまうほどに」と。

 

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私自身もそんな音楽ができるようになりたいと思いさらに精進したいと思いますし、

ますます音楽の素晴らしさを伝えていきたい!と改めて心に決めた一日となりました。

 

思い返せば私にとって(一方的にです)小泉さんは、節目のエネルギーをくださる方。

初めて演奏体験(合唱)での指揮が小泉さんから始まって、

九響に入って最初の定期演奏会も、退団の第九演奏会も、最後にエキストラで九響に行った演奏会(リヒャルト・シュトラウスのドン・ファンがメインのプログラム)も、すべて小泉さんでした。

古希を超えてなお緻密な音楽作り、暗譜による完璧な設計、

情熱と冷静の両方を見事に体現される素晴らしい指揮は、

私にとって頭上に輝く星のような存在です。

 

小泉さん、九州交響楽団の皆さま、70周年おめでとうございました!

そしてありがとうございました!

ご一緒してくださった皆さんにも感謝💛

 

 

 

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2024年3月19日 (火)

リヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」

320日サントリーホール演奏会 の続き。

リヒャルト・シュトラウス作曲 交響詩「英雄の生涯」作品40 について

 

共有した音源は安永徹氏がベルリンフィルのコンサートマスター在任中の来日公演。

場所は同じサントリーホール。

この曲はベルリンフィルの音が1番合ってると思います。

指揮はサイモン ラトル

https://youtu.be/pcQJdk5eo74?si=CnC_N8-oFpe7yUoD

 

ドイツの作曲家シュトラウスが手掛けた「交響詩」というジャンルの中での最後の作品です。

 

交響詩とは、ベートーヴェンのところでお話しした交響曲が3つか4つの楽章で成り立つ、ソナタ形式を含む多楽章のオーケストラ曲であるのに対し、

交響詩は1つの楽章しか持たないことが多く、イメージを喚起する副題がついたオーケストラ曲を指します。

オーケストラで奏でる章立てしない物語、詩という言い方もできます。

ただ、交響詩の方が時代が現代に近いので、オーケストラの規模が大きくなっているのも特徴の一つです。

時代が進むと王侯貴族の規則やしきたりの世界から、より自由になっているとも言えます。

 

ここで言う英雄とは、リヒャルト・シュトラウス自身のこと。

単一楽章形式(つまり切れ目なく続く音楽)ですが、内容は六つの部分からなると言われています。

1・英雄の姿を描く

2・英雄と人間の対立

3・愛情に魅せられた英雄

4・戦場の英雄

5・英雄の業績

6・英雄の引退

 

冒頭は序奏なしにいきなり「快活に」の指示で、英雄を示す主要主題で始まります。

低音の弦楽器とホルンが重なった独特の音色が印象的です。

この作品はなんとホルンが8本も使われています!

ちなみにリヒャルト・シュトラウスの父はホルンの名手であったため、彼はホルンを大事な場面で効果的に使います。

 

この主題自体がかなり長く、英雄のキャラクターを伝えるさまざまな要素を含んでいます。

譜例もありますがそこは省略。

 

英雄はどんな人物であるかというと、

「底力と気力 強固な意志を持ち ファンタジーの豊富さ 感情の温かさと緊張力、行動力に富む人物」として様々な楽器で演奏されます。

ここの頂点では金管楽器が鳴り響きます。

そして一瞬の休符で区切られ、ここまでが第1の部分とわかります。

 

第2部「英雄の敵」

この敵とは、批評家、先輩、同輩など。どこの社会でも同じですね。

無理解と敵視、嘲笑にさしもの英雄も落胆し、悲観的な状態になるのが音楽で描かれます。

しかし、それらを敢然と退けようとして力を増していったところでまでが第2部。

 

第3部「英雄の伴侶」は独奏ヴァイオリンで表現されます。

難易度の高い内容をコンサートマスターが演奏します。

最初は英雄の激しい行動力で愛は拒絶されますが、次第に愛の詩的な二重唱となり二人の意見の一致が聴こえてきます。

英雄が彼女を抱きしめたところで、敵の非難や嘲笑が聴こえて来、

突然舞台裏からトランペットが鳴り響いてくるところまでが第3部です。

 

第4部「戦場での英雄」

トランペットの響きは戦いの場面に入ったことを暗示し、英雄の胸には大胆と勇気がみなぎります。戦いのシーンが音楽で表現され、圧倒的な迫力です。

勝利の喜びと希望が見えます。

伴侶の主題がバイオリンで演奏されるのは英雄を激励している様子。

戦闘が頂点に達すると、英雄は敵を征服する最後の一大攻撃を仕掛け勝利が決定的にもたらされます。それは金管楽器の力強い演奏で示されます。

批評家などの敵も弱々しくなり、非難も嘲笑も断片的になるのがこの部分の終わり。

 

第5部「英雄の業績」

曲が静かに落ち着いてきて英雄の業績が示される箇所です。

ここは実はこれまでのリヒャルト・シュトラウスの傑作の数々がそれぞれの主要主題で出てきます。

例えば「ドンキホーテ」「ドン・ファン」「死と浄化」「マクベス」「ティルオイレンシュピーゲル」「ツァラツゥストラ」オペラ「グントラム」、そして歌曲「たそがれの夢」作品29の1など。

 

そして業績が一通り示されると曲は最後の部分「英雄の引退」に入ります。

速度はきわめてゆっくりとなります。

ウイキペディアの解説によると、田園風景がイングリッシュホルンで表現され、

過去を回想し、最後は静かになってこの世を去るとあります。

 

主な出典 「名曲解説全集」第6巻管弦楽曲Ⅲ 音楽之友社より 

https://amzn.asia/d/3DuZgjO

1級の解説者の執筆による全24巻 昭和55年の第一刷という古いものを所有。

大学卒業時に一括購入して勉強の際に愛用し続けています。

 

指揮者の小泉和裕さんも「英雄の生涯」にご自分を重ねていらっしゃるのではないかと想像します。

人はその人の成功や栄光など光の部分しか見ません。そこまでになった人の苦労、もともとのエネルギーなどは知ることはなかなかできません。

それに共感されてのプログラミングと感じます。

さて、どう表現されるのか?楽しみです。

 

私たちは指揮者の表情、オーケストラ奏者のやり取りを間近に見られる席なので、

見る楽しみも大いに満喫しましょう!

 

と、ここまでが塾内のイベント欄に書いた作品についてのインフォメーション。

明日はランチタイムに作曲家について語るので、今晩はベートーヴェンとリヒャルト・シュトラウスについて再度勉強します。

楽しいなあ💛

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ベートーヴェン交響曲第2番

続き。

 

初めてのオーケストラ体験の方もいらっしゃるので、

前もってインフォメーションをしたいと考えて、

まずは参考音源をイベント欄に貼り付け、

その後作品ごとに解説を書きました。

コミュニティのイベント欄にも書いた解説を、ブログでも共有したいと思います。

 

ベートーヴェンの交響曲第2番 についてのインフォメーション。

 

この前お送りしたYouTube  https://youtu.be/XQ4TCJX9zuQ?si=yCGxzPiT43iZVcUQ

を聴いていただいておわかりのように、明るい曲調に満たされているのですが、

実はこの時期のベートーヴェンは難聴に悩まされていました。

有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いたのもこの年です。

そしてこの二番の交響曲も同じくハイリゲンシュタット(オーストリアの地名)で書かれています。

これをどう見るか?解釈は様々です。そこら辺のところは当日のランチの時にでも。

 

1/ 交響曲ってなに?

交響曲というのは、三楽章、あるいは四楽章で構成されているオーケストラ曲のことで、大体30分から長ければ一時間近くかかる壮大な作品です。

1楽章は必ずソナタ形式で書かれています。

規模が大きいので、作曲家にとっては勝負どころ、腕の見せ所の曲と言えます。

 

三楽章あるということは、三章仕立ての物語と考えていいと思います。

それぞれの楽章が関連があることもあれば、全く違うキャラクターのこともあります。

関連がある場合は物語としてとらえてもいいですし、

楽章で関連がなければ、長いエッセイが三つ四つ並んでいるオムニバス形式と考えることもできます。

でも必ずその3つ、4つの楽章が効果的に配置され、通して聞いた時に大きな物語として聞こえるように書かれています。

 

/ 作品の構成について (楽章ごとに)

第一楽章

出だしはアダージョ・モルト(非常にゆっくり静かに)の序奏から始まります。

そして、第1楽章主部のアレグロ・コン・ブリオ(快速に生き生きと)の表示通りに明るく展開されていきます。 ここから4/4拍子、ニ長調 ソナタ形式

 

ここで、ソナタ形式とは?を説明しますね。

「展開」 と書きましたが、交響曲の第1楽章は必ずといっていいほど「ソナタ形式」で書かれています。

 

形式にのっとって書かれているというあたり、いかにもドイツ的です。

そうなんです。ソナタ形式はドイツ音楽の真骨頂でもあります。

特にベートーヴェンの作曲スタイルは弁証的と言われ、

「これはこうであるか?」「いやこうではないか?」と問いを立て、

「ならばこうである!」と進むのです。

非常に男性的です。

 

そしてソナタ形式の重要な情報として、必ず二つの主題があります。

最初に出てくるメロディが第一主題。

これは男性的な性格であることが特徴です。

しばらくして出てくる第2主題は、対照的に女性的なメロディ。

まるで男女の主役がいるかのように展開することもあれば、

一人の主人公の中の心の二つの動きと見てもいいです。

解釈は一つではありませんから。

 

詳しく説明しすぎると頭で考えすぎて楽しめなくなるので、なるべく簡単にしようと思いますが、

最初に主人公、材料、場面を伝える提示部があって一旦仮に閉じたのち、

展開部に入ります。

文字どおり主題を使って展開して行くのですが、

この二番のシンフォニーは短い展開になっています。

 

そしてお決まりの再現部に入り、主人公が短い冒険に出かけて我が家に戻ってきたような感じに聞こえます。

あっ 最初のメロディーに戻って来た!と思えたら、そこが再現部の始まりです。

聴き慣れてくるとわかると思います。

第二番のシンフォニーは長いコーダ(しっぽ)が付いていて、それも雄大に聴こえる要素になっています。

 

まずは、ゆっくりの序奏の後に出てくるメロディ(第1主題)に注目してみましょう。

提示部は繰り返して全く同じものを2回弾くので、

なるほどここからここまでが提示部か とわかると思います。

そして、展開部を経て再現部に入る箇所も、提示部の出だしと全く同じですので「来た!」とわかると思います。

まずはこの第1主題が出てくるのを発見する楽しみを元に、YouTubeを楽しんでみてくださいね。

 

第二楽章 

ラルゲット 3/8拍子 イ長調

2楽章としては珍しく、このラルゲットはソナタ形式で書かれています。

このメロディの美しさは有名だそうで(私は知らない💦)、のちに歌曲にも編曲されたそうです。

ベートーベンが書いたこういうゆっくりした楽章は、彼が散歩しながら野や山を歩いたであろう姿を彷彿とさせます。

難聴に悩まされていた時期とは思えない、平和で憧れに満ちた幸せな世界が広がります。

 

第三楽章 

スケルツォ アレグロ(快速に) 3/4拍子 ニ長調

スケルツォとは、よく諧謔的なと訳されますが。諧謔的ってナニ?ですよね。。

まあ冗談や戯れという意味があり、気楽で楽しい踊りの要素を持つと捉えてください。

 

ここで注目すべきことは、交響曲第2番が史上初めて交響曲の中で「スケルツオ」を使ったということです。

それまでの交響曲には「メヌエット」という貴族の踊りの形式が使われており、

貴族的な世界から一般庶民の世界に音楽を広く間口を開けたと言えます。

ベートーヴェンは音楽の革命家でした。時はフランス革命の時代です。

 

第4楽章 

アレグロ・モルト(非常に快活に) 2/2拍子 ニ長調 拡大されたソナタ形式。

提示部、展開部、再現部と形式通りに進んだ後のコーダは、159小節にも及ぶ堂々たるものです。

 

何拍子か?ということも記したので、4拍子、3拍子、3拍子、2拍子と思って、指揮して遊ぶのも楽しいと思いますよ。

全楽章で約30分。

 

前もってお伝えするのは作品のことだけ。

当日は作曲家についてお話したいと思います。

 

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明日はサントリーホール

 

320日(水・祝)の明日はサントリーホールで、

昔私が所属していた九州交響楽団の創立70周年記念特別公演が開催されます。

http://kyukyo.or.jp/cms/14615

プログラムは、ベートーヴェンの交響曲第2番と、

リヒャルト・シュトラウス 交響詩「英雄の生涯」の2曲。

 

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~スクショですみません💦~

 

 

明日の指揮者は私が居た頃と同じ小泉和裕氏。

2度目の音楽監督の最後の引退公演だそうで、

これは聴きに行かなきゃ!!と昨年から思い続けていました。

 

誰と行く?

そうだ!勝間塾でイベントを立てよう!とすぐに思い立って、

22日に塾内で初めてイベントを立ててみたところ、

1時間で最初に設定した定員4名に達し、

結局8名まで膨れ上がって大勢で行くことに。

初めてお会いできる方が多く、それだけでも楽しみです💛

 

私たちの席はオーケストラの後ろの指揮者の表情を正面から見れる場所。

音は近くの楽器が大きく聞こえて偏りがありますが、

見る楽しみがある席でこれ以上ない臨場感を皆さんと体感してきます。

 

15時開演の演奏会の前には、皆さんとランチも計画していて、

このイベントのコメント欄はすでに109に達しており、

皆さんの期待が窺えます。

明日はナビゲート役の責任を楽しんで果たして参ります♪

 

 

2024年3月16日 (土)

収穫

 

 

春なのに収穫のタイトルはちょっと変に感じますが、

金曜日の本番はまさにそんな感じでした。

お陰様で3月15日つくばサロンコンサート、無事に終えることができました。

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毎回本番はどうなるか?わからないものです。

その日のコンディションもあるし、準備の質や量、何かのこだわりから迷路に入って抜け出れなくなることもあり、

本番は終わってみないとわからない。

人間は不完全な生き物ですから。

 

そんな不安を抱える中でも本番直前に友人から

「3月15日は一粒万倍日と天赦日と虎の日が重なっている2024年最強の開運日!」と応援のメッセージが入り、

その祝福をとても有難く受け取りました。

来れないけれど気にかけてもらって、メッセージをもらえるのはとても嬉しいことです。

さらに、朝「行きます!」のメッセージも二つ。

運転中に車のフロントに設置したスマホに向かって音声入力で返信しました。

わ~~~がんばらなきゃ!!のエネルギーになりましたよ。

 

そんな感じに見守られて迎えた本番。

GPの途中から集中できて落ち着いて弾けるようになり、

それも良かったです。

とはいえ、身体の硬さはあり、弓はちょっと震える。

お客様にはバレない程度ですが、それでも自分は気になる。

1月は全く緊張しない本番という奇跡を体験しましたが、

あれはやっぱり菅野先生の魔法だったようです。

 

この2か月課題にして考え続けた倍音を豊かに含む音は、

まあまあ達成できました。

達成というと手が届いたかのようですが、ちょっと手をかけたくらい。

でも、久しぶりに楽器が鳴りました。

音のイメージを今の楽器の音色に合わせて変えたこと。

好みのチェンジ、そして弓と弦の接点を駒よりにしたこと、

Pであってもあまり小さく弾こうとしないと決めたこと。

特にピアノの音が多い箇所は。

 

そんないくつかの作戦も練り、どう聴こえるか?を想像しながら、

ピアノとの音量バランスの中で設計していきました。

でも、まだ実験段階です。

ごく小さく弾きたかった箇所で、軽い弓にしても弓幅が大きければ結局はあまり小さな音にならなかったのでは?という気がして、

これから本番録音でチェックします。

 

連絡メールや、他のやることで実はまだ録音を聴けていないのです。

なので、今考えていることは体験の内側の印象から。

それらのすべてが当たっているわけではないのは重々承知。

感覚は大事ですが、客観性も必要だといつも思う。

しかし、なかなか自分のことはわからないので、

人の感想や録音を聴くことで考えるしかありません。

 

集中して渾身の演奏はできても、まだまだ。傷が多すぎる。

ブラームスの1番のソナタは5月のCD録音に向けて、

もっと磨いていかないと。

全体のプランは今の方向性で、細かい練習が続くことになります。

そしてもっとダイナミックな表現を求めたい。

 

人に感想を聞いても、果たしてそれは本当のことなのか?といつも疑います。

私も「お疲れ様でした」の気持ちで「素晴らしかったです」と伝えることがあるからです。

それは同業者としての苦労がわかるからであり、

かといって本当に良くなければ「お疲れ様でした」としか言いません。

 

でも、いつも辛口あるいはせいぜいお世辞程度の夫が翌日の今日も

「あれは良かった~!」と言ってくれたことや、信頼の先輩からのお褒めの言葉をいただけたことなど、もしかしてよかったのかな?と思ったりしています。

自分としては精いっぱい弾いた ただそれだけです。

でも、その精一杯がこのところできなくなっていた。

熱量が少ないというのか、落ち着きすぎてしまい情熱が失せていました。

 

一つは娘のことに気持ちが行き過ぎてヴァイオリンから遠ざかっていたことと、

もう一つはYouTubeなどの録音のためにとにかく正確に弾こうとするあまり、

守りに入ってたことは前にも書いたと思います。

でも、そのことさえ逆転して自分の味方につけられたと感じた本番でした。

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1月に菅野先生から学ばせていただいたものはとてもとても大きかったと

今回の本番を経験しても思います。

まだ十分には言葉にはならなくとも、得たものを次に生かせたことや、

まだまだ成長できることを確信できた本番でした。

とりあえず、今日のところはこんなところで。

応援ありがとうございました!!

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いまだにどの写真がブログのトップに出るのかの法則がわかっていない。

さて、どれかな?どれも一緒?

 

 

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2024年3月13日 (水)

ブラームスのソナタYouTube期間限定公開!

3月15日つくばサロンコンサートの予告動画を作りました。

プログラムメインのブラームスのヴァイオリンソナタ第1番より第1楽章の冒頭部(提示部)のみです。

https://youtu.be/_g0WW0caJMM

 

本日午後、アルスリハーサル。

本番会場の響きの中でイメージを膨らませ、バランスをチェック。

同じ録音機をすぐ傍と客席の一番後ろの2か所に配置しました。

前方は細かいところをチェックするために。

後ろはバランスを聴くために。

贅沢です。

 

主観はあてにならないもので、録音を聴くと、

「え~!!こんなことしているつもりない。。」とか

「ここの音程変!💦」とか多数みつかります。

録音聴くのは嫌なんですけれど、でも客観的にチェックする必要があるといつも思います。

 

帰りは本降りの雨の中、暗くなっての運転は気を遣いましたが、

無事に帰宅。

疲れて夕食後甘いものがほしくなりました。

あと二日。

録音聴いて考えて、そして練習して、忙しい忙しい、、、、。

本番前はそのことしか考えられません。

 

ご来場の皆様に楽しんでいただけるよう、あと二日しっかり準備します!!

金曜日はお天気も良さそうです。

アルスホールでお待ちしております。

 

演奏会の詳細とチケット情報

https://tsalonconcert.wixsite.com/website-1

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雨上がりの今朝はまぶしい光と共に

 

 

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2024年3月 8日 (金)

本番まであと1週間の過ごし方

今日は娘の定期受診。

雪の予報が昨晩から気になっていましたが、

庭にうっすら被ったくらいで済んでよかったです。

暖冬のこの冬は発作が例年よりも少なくて助かりました。

私は何かと忙しくしていますが、娘の体調が安定していて笑顔にたくさん会えるのに癒されます。

 

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~庭のクリスマスローズもたくさん花を咲かせてくれています~

 

 

ただ今、1週間後の本番に向けて最後の追い込み中。

コロナ以降娘と家に篭りがちで、彼女の細かい体調管理に心を砕いてきたことは私の音楽にも大いに影響し、

楽譜の細かいところに注目し、繊細な表現を磨いてきました。

 

けれどもそれは、音楽の流れが停滞する方向に向かうことにもなり、落ち着いた演奏にはなってもエネルギーが出ない状態が続いていたのですが、

一月の本番の学びから大きな収穫を得て、

繊細さと大きな流れの両方を実現するにはどうしたらいいか?を考え続けています。

なかなか十分な練習時間を確保できないことも悩みの種で、練習時間以外も音楽のことを考え続けることになります。

 

読むのは専門書ばかりとなり、

先日読み終えた「身体と音楽の調和」志村寿一著からは、身体の使い方、倍音を豊かに含む音の発想を学び、

あれもこれもと今までの自分とは違うことをしようと試みて混乱状態です。

でも、そろそろ形にしなければ!

 

そんな産みの苦しみにあっても、

音楽は限りない豊かさをたたえて、弾く人が音にしてくれるのを待ってくれているように思います。(と、思いたい)

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~あせびもたわわに~

 

 

メインのブラームスのヴァイオリンとピアノのためのソナタ第一番は、

生涯芸術を共にした14歳年上のクララ・シューマンに捧げられた作品です。

献呈者は誰とは書かれてはいませんが、

第三楽章のテーマはクララの誕生日に贈った歌曲から取られ、

第二楽章のテーマは、クララの末息子フェリックスが亡くなった際に心からの慰めの手紙に添えられたことがよく知られています。

 

クララが亡くなった後の親しい友人が集まった彼女を偲ぶ音楽会で、

ブラームスはこのソナタの第二楽章を演奏し、

途中で涙が溢れて弾けなくなったこと、

かつて「私ほどこの曲がわかるものはいない」とクララが語ったことなどを想うと、

ブラームスがクララへの手紙のように真心を込めて作曲したのが、

この名作のソナタだと私たちは結論付けています。

 

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ただ今楽しんでいるのがは「ブラームス回想録集3 ブラームスと私」音楽之友社。

その冒頭に執筆しているのは、クララの第七子(四女)のオイゲニー・シューマン。

彼女は幼い頃からブラームスを知っている人であり、

もっとも普段の姿と、芸術家としてのブラームスの両方を理解していた人物だと思われます。

ブラームスはいたずら好きだったことやそのエピソード、

後年気難しいと言われた姿の内面についての考察は鋭く、

ここに描かれているブラームスは誠実そのもの。

まるで彼の音楽そのままの人です。

これらを読める喜びは、楽譜を音にしていく喜びと重なって、

仕上げの苦しさを和らげ自分なりの完成の道に導いてくれます。

練習は少しでも作曲家に近づくための作業。

 

練習や読譜もですが、参考資料を読む時間が大好きで、作曲家について知ることができる本は無上の喜びがあり、楽譜と行きつ戻りつしながら考えます。

つまり、私がヴァイオリンを弾くことかどうのよりも、

この素晴らしい作品を残してくれた作曲家に敬愛を捧げたい気持ちで演奏したいのです。

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~一足早い河津桜。夫の撮影~

 

数々の迷いをふっきって本番で表現できるよう、

あと1週間しっかり励みます。

 

3/15(金)1030~「つくばサロンコンサート」

つくば駅から徒歩3分のアルスホールが会場です。

プログラムは大人向けですが、赤ちゃん連れのパパママもどうぞ。

 

つくばサロンコンサートのHP

https://tsalonconcert.wixsite.com/website-1

 

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