強者を救う弱者のはなし
土曜日の勝間塾ライブ、久しぶりに生のライブで聴くことができました。
勝間塾ライブとは、塾長の勝間和代さんが塾生の質問に答える
YouTube公開ライブのことです。
https://www.youtube.com/live/3k0BdHRwnSw?feature=share
いつもは車の中で娘とアーカイブを聞くことが多いのですが、
今回はちょうど夕食の支度&食事の時間で、夫も一緒に聞いていました。
これがまた面白い!
質問は投資、経済はもちろん、子育て、夫婦や親子関係、
ありとあらゆることにスパッスパッと答えていきます。
なんでこんなに何でも答えられるの?と思いますが、
速読ができることもあって読書量が半端ないのです。
しかも、他分野に渡って広く知っている。
勝間塾では皆がやっている耳読も勝間さんのおススメ。
手が空いていない時も耳だけで読書が進みます。
私も料理をしながら、洗濯ものを干しながらAudibleを聴いています。
スパッとしているけれど、塾生に対する思いやりに溢れている。
それも魅力です。
この日は朝9時から16時まで長いセミナーの後の、
18時スタート。
風邪気味という勝間さんはいつもに比べて元気がなかったけれども、
ライブが進むにつれてどんどん元気になられる。
今回最後の質問「知性とはどう思われますか?」の問いに、
知性とは多様性である
と、塾長が答えていらっしゃいました。
多様性とは、一般的にあの人は頭が良いと言う類の知性だけでなく、
対人関係の知性、音楽、運動、博物学的、など、
様々なスキルがあると言う話の後に、
21トリソミーが1本多いダウン症の人についての話が続きました。
なぜ遺伝子変異が起こるのか?
それは、環境変化に対応するため。
人類が絶滅するのを防ぐため。
環境次第で、どんな人が知性が良いと言われるのか、生き残れるのかは違ってくる。
とおっしゃいました。
ここで鮮やかに思い出されたのが下記の本です。
「4分の1の奇跡 強者を救う弱者の話」
初版は2010年。
石川県特別支援学校教諭の山本加津子さんを中心に、
生命科学者 柳澤桂子さん
大阪大学大学院教授 四方哲也さん
UCLA大学医学部教授 新原 豊さん 4名による共著。
この中で最も印象的なのが、
鎌状赤血球症を研究している新原さんの部分です。
「鎌状赤血球症とは、日本人にはあまりなじみがありませんが、
アフリカや地中海沿岸、中近東、インド北部などでよく見られるとても悲惨な病気。
アフリカ系の黒人の子孫にだけ受け継がれてきました。
なぜ悲惨かと言うと、
発作が起こると激しい腹痛、全身の骨の痛み、吐き気にたびたび襲われ、その症状が進むと、
脾臓の萎縮による激痛発作に見舞われ骨の壊死や、
脳梗塞や心筋梗塞による神経系の損傷で私に至ってしまう病なのだそうです。寿命も短い。
そして一旦発作が始まると、患者は出産の痛みとは比べ物にならないほどの激しい痛みに襲われ、その痛みに耐えられるず自死をしてしまう人もいるほどなのだそうです。
ただ、他の病気に比べると、患者の人口数が少ないとみられ、
そのために大手の製薬会社は新薬の開発に消極的。
その上アメリカで発病している患者のほとんどは、アフリカから移民をしてきた子孫なので、経済的に貧しい層が多く、
医学的にも、社会的にも遠ざけられると言う大変厳しい状況に置かれています。
なぜそんな病気が受け継がれてきたのかと言うと、それはマラリアとの生存競争からです。
アフリカに住む人々は、昔からマラリアに悩まされてきました。
マラリアとの戦いの歴史が、マラリアに強い遺伝子である鎌状赤血球症と言う病院遺伝子を発症させたのではないかと、遺伝子工学の専門家の間では考えられてきました。
つまり、鎌状赤血球症の遺伝子を持つ人は、マラリア原虫を増殖しにくくさせ、たとえマラリアにかかっても発症を抑えられるのです。
どんな集団でも、鎌状赤血球症の遺伝子を1つ持っているだけでマラリア感染に対応できる。そしてマラリアにかかっても生き残る。
これこそ、鎌状赤血球症がアフリカで生まれた理由なのです。
と書かれています。
そして、最後に新原氏は、
人間の進化の過程には、病気や障害を持つ人が必要なのだといいます。
病気や障害を引き受けた人がいるからこそ、健康な人が存在する。
私たちはそのことに気づくべきではないか。」
柳澤桂子氏は、
病気の遺伝子を含めた「遺伝子の多様性」こそが、
人間の優秀さを、そしてあなたの個性を生む源泉となっている。
けれども私たちは、遺伝子プールの中から、どの遺伝子を受け取るかと言うことを自分で選ぶことができません。
必ず誰かが病気の遺伝子を持って生和生まれてこなければならない。それが遺伝子プールの構造なのです。
あなたに与えられたかもしれない。病気の遺伝子を、たまたま受け取って生まれてきた人がいる。」
そう考えると、病気の人、障害のある人、見る見方が全く変わって来ると思います。
この本は塾内でもシェアし、多くの方に驚きと共感をいただきました。
私の最終的な願いは、ずっと娘が安心して生活できること。
障害のある人もない人も誰もが安心して暮らせる社会
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