希望という名の贈り物
心震える作品が届きました!
桐朋時代の1学年先輩の作曲家 相馬邦子さんにお願いしていた委託作品が完成して、
手元に来たのです。
春から相談してお願いし、待つこと数か月。
約束の「秋口までには」をしっかり守ってくださり、
途中経過のメールまでくださって、
譜めくりしやすく製本され、何から何まで心配りがされた贈り物のようでした。
そんな外見のことよりも、中身の音楽が素晴らしく胸がいっぱいです。
元は、ラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲第2番第2楽章を、
クライスラーがヴァイオリンとピアノで演奏できるように編曲した「祈り」
という曲があり、
その譜面を探していましたが、ない!!
困り果ててひらめいたのが、相馬さん!
3年前に初めて相馬さんの作品を聴いて以来、
いつかオリジナル曲をお願いしたいという漠然とした夢を持っていました。
初めて聴いたのは「雨上がりの日差しの中で」というチェロとピアノのための作品。
その日のコンサートで最も素敵な印象が残り、ずっと温めていた夢。
今ようやくそのチャンスに巡り逢えた!という気持ちでいます。
~相馬さんのピアノと古谷さんのチェロのユニット「コスモス」の新しいCDには、
夢と希望と元気がいっぱい!
ごきげんな気持ちになれる素敵なCD.
この中で「雨上がりの日差しの中で」を聴けます♪~
届いた作品の演奏時間5分程度。
ちょうど譜面が届いた翌日は私たちLunaClassicaのリハーサル日。
初見大会で作品を探検してみたところ、拡がった景色はとても雄大でした!
まだゆっくり弾いてみただけですけれど、、、今抱いているイメージは
鈍色の空の元。
山の向こうに薄い日差しが見える。
誰もいない静かな湖。
繰り返されるテーマが少しずつ彩られていくのを聴くうちに、
景色の奥行きが拡がっていく。
空から次第にまぶしい光が差し込めてくる。
胸の内には哀しみも切なさも抱いたままながら、
光と共に希望の中を歩もうと決意する。
いきなりこんな光景、物語が浮かんできました。
惚れこまないとすぐにこんなイメージは湧きません。
好きだと思える作品だけ弾きたいと願うわたし。
まだちょっと弾いてみただけなので詳細がわかっているわけではなく、
きっとこれから私たちの中で成長していくと思います。
相馬さんが付けてくださった曲のタイトル「Hoffnung 希望」は、
誰もが希望を持てる世界にと願う祈りでではないか、、、とふと思いました。
自然災害が多発し、世界情勢は不安定で、
この先どうなるのかわからない不透明な時代に生きている私たち。
音楽にできることは何か?
自分にできるささやかなことは何か?
何度もメッセージのやり取りをし、お互いを知って信頼して待ったこの数か月。
それ自体に希望があり、
楽しみに待つ何かがあるということは幸せだと振り返っています。
けれど作曲家はその間、多くの時間を割いて心を砕いて創ってくださっていた。
楽譜からそれがひしひしと伝わって来ます。
現代の作曲家が書いたと言っても、難解さとは無縁のとても美しい作品。
彼女の人となりが伝わって来る温かさがあり感動しています。
譜面を見ると、生まれてくれてこの手に来てくれてありがとう の想いでいっぱいになります。
Facebookでの私の投稿、写真を見て、共感のメッセージを寄せてくださり、
昨年12月の演奏も聴いてくださって、
具体的に私たちをイメージして作ってくださった作品。
感謝に堪えません。
同じ時代の空気を吸い、共に生きる作曲家の作品を、
音にしてこの世に出す。
そしてそれを皆様と分かち合う。
音楽家としてこんな幸せなことはないのかも、、、。
これから二人で音合わせするたびにこの作品を追求し、
来年4月4日の初演を目指して練りあげて参ります。
~今年は紅葉が遅い。これらは昨年の夫の作品~
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