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2019年10月

2019年10月31日 (木)

温まる時間を求めて

 

 

ようやくの晴天にほっとしますが、

このところ災害続きで、心が疲れています。。

今朝の目覚めのニュースは首里城消失の知らせ!

次から次へとどうしてこんなに、、、。

悲しいことばかり。

でも、私は有難いことに音楽に支えてもらっている。

心底好きなものがあるだけで、それが自分を包んで守ってくれるような気がします。

久しぶりのブログなので、ここのところを振り返って徒然なるままに、、、。

 

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~4年ぶりに枝の剪定をしてもらってすっきりさっぱり!ほとんど伐採に近かった。

細い木々のシルエットが線を描く朝の庭も新鮮。~

 

 

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~切ってもらう前はヤマボウシの紅葉が綺麗で、ちょっともったいない気分。寂しい気分でもあった。。~

 

 

 

そう。外の出来事、自然の激しさと共鳴するかのように

最大限に右に左にと心が振られているのです。

また災害発生!と構えたら、

ラグビーで日本代表が大活躍して喜んで身体が緩む。

あるいはノーベル賞受賞のおめでたいニュースに気持ちが華やぐ。

天皇陛下ご即位の儀で厳粛な美を電波を通して知り感動を覚える。

激動の10月を今日で終えようとしています。

 

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即位礼正殿の儀の日、私は一日練習Day

午前の練習を終えて一人でお昼ごはんを食べて、

テレビの前に座ってみました。

 

 

雨が多かった今年の10月。

あの日も雨模様で室内も暗かったのが、

天皇陛下の御座のカーテン(何と言うの?御簾でもないし、、)が開く瞬間に

ちょうどぴったり我が家にもまぶしい光が差し込み、

とても驚きました。

 

 

何も私には関係ないだろうと思うのだけれど、

あまりのタイミングの良さに、こんな毎日でも

「これからは良い時代が来る」と天が知らせてくれたかのような

神聖な気持ちになった光でした!

 

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翌水曜日、小学校時代の親友と待ち合わせて皇居前をお散歩。

私たちの友情は一体何年になる?

せめて年に1回は会いたいね!と願っている

懐かしい彼方の思い出を共有する貴重な友達。

爽やかな彼女と話していると、私の心も晴れやかになる。

私の筆まめ長文は、彼女との長年の文通から始まっている。

僭越ながら、天皇皇后両陛下とは同年代の私たち。

お二人がこれからいよいよ本格的なお仕事と責任に就かれることを思うと、

私たちも頑張らねばね!という気持ちに。

 

 

皇居前広場を初めて訪れる。

前日ここの中で最高に厳かなる儀式が行われ、

その日は外国の賓客を招いてのお茶会が

あの門の向こうで開かれていると思うだけで、

歴史の1ページの傍にいるような気持ちになりました。

何より青空がまぶしかった!

おめでとうございます!

そしておめでとう 日本!

 

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その後の金曜日、

あのすごい雨の日は実は高速を使ってリハーサルへ。

市の防災メールが配信されないか?時々スマホを気にしながら、

防音で外のことが気にならないレッスン室ではエネルギー全開!

リハーサルはこの上なく楽しかった。

 

 

まだ本テンポで弾けるには至っていないというのに、

針が振りきれるほど本気で弾いてしまいボロボロ。。

でも、きっと活き活きとした本番ができる!と確信したリハーサル。

今年はLuna Classicaでの本番はなかったので、余計に力を入れて準備したい。

二人で弾くのは最高に楽しい♪

まずは117日(金)を目指して頑張ります!

つくば朝のサロンコンサートへ、ぜひおいでくださいね!

http://forest-note.com/

 

 

その晩は一緒に弾いた音楽の興奮の余韻が残ってしまい、

ちょっと睡眠が浅かったほど幸せだったのに、

豪雨でまたもや被災された方が出たと知り、

この明暗に何とも言えない気分になる。

日々気持ちの針は揺れっぱなし。

 

 

 

時間の針の方を戻して台風の翌日のこと。

ずっと相談相手を務めてくれた友人とコンサートに行って、

道中、そして食事をしながら最近あったことをシェアして振り返る。

人生を俯瞰してみる勉強をしている彼女からは、

他からは得られない助言をもらって心が拡がって行きました。

 

いつも不安があると彼女にメールして「大丈夫!」の言葉で支えてくれた優しき友。

「森さんこそ幸せになってほしい」という温かい言葉に

本当に苦労多い人生を懸命に生き、

今幸せになっている彼女との

友情の厚さを感じて有難かった。

 

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ある日は、お姉さんのような友人に初めて我が家に来ていただいて、

穏かなひと時を一緒に過ごす。

その後お気に入りのスパイス・ガーデンへご案内。

年上の彼女は温かく見守ってくれて多くは語らなかったけれど、

とても温かい眼差しと表情からたくさんの祝福のプレゼントをいただきました。

 

 

つまり、このところ人と会うことが多かったのです。

10月末からだったら少しの期間時間が取れるから、、、と

今いろんな友達と会っている。

会いたい人はたくさんいて、

でも実際に逢って話ができるのはそれぞれ年に1回くらいかしら。

私はワイワイ大人数よりも、差し向かいで相手を聴くことを好む。

まだ今年会えていない友達がいる、、、。

 

 

今週火曜日、またまた昼と夕方と友人と会うダブルデートがあり(どちらも女性)、

それぞれ目の前の人との時間を味わう。

9月のコンサートの感想を聴けると、驚くほど人それぞれ。

その場を体験した人の言葉を聴けるのは貴重であり、

それぞれの感覚で受け止めてくれている多様性を感じる。

あのコンサートは私は主催者であって、

やはり自分らしい演奏はできていなかったと締めくくっています。

だからこそこれから、もっとしっかり頑張らなければと思う。

 

 

夕方に逢った友人とは、お互いの苦労を知っている者同士の連帯感で、

彼女の頑張りを見て私も頑張ろうと思う時間を持てて、これも有難く思う。

 

 

その後19時から王子ホールでイザベル・ファウスト&アレクサンダー・メルニコフの

デュオコンサート。

この演奏会は今年最大の楽しみにしてきた期待の一夜。

 

何しろチケット発売日の10時に夫とパソコンとスマホ各2台ずつ、

4つでスタンバイしたのに、一瞬で売り切れ!!

どういうこと??

王子ホール友の会の先行発売で売り切れていたということなのかしら?

チケットぴあから買えないか?などいろいろ調べているうちに、

早くもネットオークションに1枚出ているのを夫が発見。

3割以上も高くなっているのに、即落としてもらう。

どうしても行きたかったのでね。

今や世界最高峰の誉れ高いデュオは、こんなに人気があるのかと驚きでした。

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~CDを購入してサインもらいました!~

 

 

プログラムは、ドビュッシーのソナタから始まり、

バルトークのヴァイオリンソナタ第1番、

休憩をはさんでストラヴィンスキーのデュオ・コンチェルタンテ、

最後にフランクのソナタという

「弾きまくります!」の重量プログラム。

 

ドビュッシーは誰が弾いてもそれぞれの個性が出る、これという型のない曲。

彼のダブルメッセージが隠れているのではないか?と思われる謎多き作品は、

私が探求し続けたい曲の筆頭にある。

 

このデュオは、ほぼ弱音の方にダイナミックレンジを取り、

その分ffの時との落差で大きな表現を実現。

イザベルさん、作曲者の書いた通りのスラーで弾く。

弾きやすいからという理由で弓を切ることなく、

一弓のなかでたくさんの音を語る。

高い技術の証拠。

そして、作曲家の書いてあることを尊重する姿勢であると伝わって来る。

 

しかし、この曲はなかなか「これだ!」と思う生演奏に出会えることはない。
(勝手な期待を抱いて聴いている厄介な聴衆、、、)

もっと不安や恐怖や叫びや、それらを包括しての美に至るまでの

究極の表現はどこにあるんだろう?と考える。

難しい作品です。。

 

 

続くバルトークとストラヴィンスキーは私は弾かないので新鮮で、

まあ上手いこと!凄いこと!と目を丸くして聴いていました。

リズムの妙も、鮮やかなのに自然なテクニック、ぐいぐい攻める音楽の推進力に、

ここまでの演奏は他では聴けない!!と驚嘆していました。

一体感と言い、世界最高のデュオここにあり!でした。

 

最後のフランクは、ヴァイオリン&ピアノのデュオのプログラムでは最も演奏される作品。

お客様も皆さんこれを楽しみに来られたのでは?と思う。

メルニコフが最初の第1音を吸い込まれそうな集中力で弾き始める。

でも、第2テーマが始まる個所で???、、、

 

なぜここをこんなに小さく弾く?

mfかあるいはmpくらいの音量。

ここの作曲家の指示はfではなかった?

 

1楽章の始まりは、揺れるように迷うように夢のように漂う。

2テーマに向かって少しずつ山を作り、

2テーマからエネルギーが流れ始める。

なのに、すごく控えめ。

私かなり欲求不満。

 

2回目に第2テーマが出てくるところでは、もっと語ってくれたけれど。

その後も、なぜその音量?なぜその表現?と疑問に思うことが続き、

楽しむよりは考え込んでしまった。

楽譜の読みの深い彼らがやっていることだから、

私の理解力不足なのか?と頭がグルグルしながら、

家に帰ると即楽譜を見ずにはおられない。

 

でも、やっぱり私の記憶は間違っていなかったのだけれど、、、。

ダイナミックの指示以外にも、

2回目に出てくる第2テーマはもう主調に戻っていて、

終わりに近づいていることを調が物語っている。

対して1回目に出てくる第2テーマはお約束の属調に転調し、

発展の方向性を呈示する。

 

 

構成は1回目の方がより大きく表現し、

2回目は早めに衰退していくというストーリーの方が自然でいいのでは?

などなど考えていたらきりがなく、

昨日の午前中はなぜだか具合が悪く過ごしていました。

なぜ?が多く、そのなぜの意味がわからないのは苦しい。。

 

しかしこのデュオは使用する楽器にもこだわり、

ネットのイザベルさんのインタビューによると、

フランクはエラールのピアノを使用してはじめて

この作品の本当のバランスが取れるとのこと。

つまり、スタインウエイではピアノがヴァイオリンを消してしまうとの

趣旨のことを言っていました。

 

それでなのかな?やたら控えめに弾いていたピアノパート。

pの部分は完全に背中を椅子の背に付けているものだから

(体重を腕にかけないようにするため)

客観的というか、遠くで弾いているような、

悪く言ってしまうと気がないような感じにさえ見えてしまう。

(本当はネットで悪くは書きたくないのだけれど、、)

体調悪かったのかしら?

人間だからいろいろあって当然よね、、。

 

早い話、よく知っている作品には「私はこう思う」が染みついているので、

他の解釈を受け入れづらいということなのだと思う。

でも、時には全く違う解釈なのに、

心から手を拡げて受け入れることもある。

こんなに素晴らしいのに、こんなに楽しみにしていたのに、

釈然としない気分が残ったというのは初めてで、

だからこそ貴重な体験だったと思える。

きっと宿題をいただいたのですね。

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「ここはこうだったのか!」の知的発見はたくさんあってワクワク驚いたけれども、

感動とは少し違ったのだと思う。

彼らのCDを聴いていてもそう思う。

「こんな解釈があったか!」

「楽譜にはこう書かれていたのか!」といつも驚く。

 

でも、感動すると心を奪われて、思考回路が止まり、

ただただ身を委ねるという幸せな時間が流れる。

私は生演奏ではそんな時間を過ごしたいと願う。

 

こんなこと書かない方がいいよね、、と思っていたけれど、

疑問、宿題が多すぎてずっと考えています。

ヴァイオリンには心から共感していたけれど、

ピアノは私の感覚とは違ったってことなのかしら?

 

息(時間)はピッタリだったけれど、

弾いている二人の温かさが違ったという感じにも思えた。

ヴァイオリンは歌う楽器、右手のボウイングは息の楽器に対して、

現代のピアノはメカなので人の体温を伝えるのは難しいのかも。

つくづく私は温かい弾き手が好きなのだと思う。

結局好みの問題だけですね。

 

 

少ない情報で勝手なこと言ってごめんなさいね。

でも最高に工夫と情熱があり素晴らしかったし、

また必ず聴きたいと思うデュオです!

来年もチケット入手にトライします♪

宿題の続きをもらいに勉強に、演奏会場に通う。

 

 

今日はハロウィン。

娘は日中施設でバーベキューを楽しんだそう。

うちの娘のすること、反応が可愛くて、

みんなが笑顔になったと連絡帳に書いてあった。

そんな風に想ってくださって、私まで幸せになる。

平和な日はそれを存分に心から楽しみたい。

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でも実は今日は娘の鬼門の日。

何がって、毎年重いてんかん発作が発生しやすい時期なのです。

理由は日中と朝晩の気温差がすごく大きくなるから。

あるいは、15時から18時の間に一気に気温が下がってしまうから。

 

それらの理由がわかり、さらに細かく温度管理、衣服管理するようになったら、

少しはましになっています。

今年は季節の進みが遅いから、気を抜かずに注意を続けます。

去年はこの時期救急車のお世話になりました。

しばらく厳重警戒の日が続くのです。

毎年のことなので、年中行事の一つの気分。

今年はサイレンを鳴らす車には乗らないぞ!

私もたくましくなったはず。 、、、かな?(>_<)

 

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22年前の子供たちの写真。ピアノの上にずっと飾ってある。

大人になってしまった今でも子供たちは私の宝物だけれど、

友人のいないこの世も考えられない。~

 

 

2019年10月17日 (木)

問いの扉

 

 

この度の台風19号でお亡くなりになった方の御霊に哀悼の意を表し、

被災された方々に心からお見舞申し上げます。

 

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ブログをアップして我が家の無事を伝えねばと思いつつも、

台風の緊張疲れ&その後思いがけなく届いた嬉しい知らせに大喜びで最大限に心が振られ、

ブログまで手が回らなかったのでした。

台風の晩は、思いつく限りの友人の顔を思い浮かべて祈りながら眠りにつきました。

きっとお互いに、、、だったのだと思う。

あれからもう1週間経つのですね、、、。

 

 

 

台風19号が発生してその巨大さに、

バハマに上陸した破壊的な台風のことが重なり、

不気味な不安に襲われました。

その前の日曜日、娘の移動支援で来て下さった流山の支援員さんが、

千葉の台風15号を体験して発した言葉「私死ぬのかな、、、と思った」が響いてしまい、

この1週間怯えていました。

15号の時に、もうすでに千葉の方はそんな想いをしていた。

 

 

先週は日々台風の進路が気になり、

海側に逸れた、いや内陸に進路が変わったと一喜一憂し、

こんなことでは身が持たないから途中から進路予想図は見ないように。

どうせ直前に進路は変わる。

台風は生き物で、その時の高気圧の張り出し具合や偏西風や海水温や、

その他もろもろ私にはわからない自然のエネルギーの中で凶暴に動き回る。

 

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ただただ謂れのない不安の中で、伝えておきたいことは伝えておこうとか、

まるで遺言でも書かなきゃみたいな極端な心境。

こんな私 おかしかった?

でも、結構似た心境にあった方はいらっしゃったようです。

心配性の人は、日ごろのその特性がクローズアップされたのかもしれません。

 

 

そんな時、今月会う約束をしている友人たちから、

具体的な相談メール等がどんどん入って来る。

未来の楽しい約束があるから一緒にこの世に留まるよね!と確認するように。

でも、そのおかげで随分気が紛れました。

SNS時代の現代は、会わなくても、声を聞かなくても、

通信だけでも安心できるように人は変化しているのも面白いと

自分を見ていました。

 

 

不安にフォーカスするのではなく、明るい未来に意識をシフトする。

そして何よりも祈りにエネルギーを向けようと、自分に声をかける。

でも、不安は大きくてすぐにそちらに飲み込まれ、お腹の調子も悪くなるほど。

小心者ですね。。

 

風への備えもいろいろ考え、

今回は飛散防止フィルムを買って、出窓や二重サッシでない窓に貼る。

それ以外の小さな窓は、布製ガムテープで米印に貼って、

その上からさらにプチプチのパッキンを貼ってガムテープで留める。

やれる限りのことはやりました。

窓を養生しながら、愛おしい我が家の無事を祈りながら。

 

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そんな中、娘の発作がなぜかゼロで、

穏やかな微笑みで癒してくれたのは救いでした。

台風到来の一日は、時間はカウントダウンで迫って来る。

テレビを付ければ不安になるようなことしか言わない。(もちろん必要な情報ですが)

なので、画面は音声を落として、音は癒しのCD

愛聴しているMozartにして気持ちが落ち着き、改めて音楽に感謝でした。

 

 

東日本大震災の時も、私はMozartを車の中で聴いていました。

何番だったかは忘れましたが、ピアノ協奏曲。

目の前の道路がうねって波打つという異常事態を目の当たりにしながら、

車ごと揺れているというのに、聞こえるのはMozartなら私は全く怖くなかった。

あの時はMozartに守られた、、、、と思っていたので、

今回も迷わずMozart

 

 

数あるMozartの中でも、この前から書いている菅野潤先生演奏のCDです。

聴きながら窓の養生をしていると、

先生の落ち着いた集中に引き寄せられて、

Mozartの力に導かれて

不思議な平安の中に居ることができた。

刻々と台風が近づいているというのに。

人は自然と共に生き、人に影響されるのに、

何を聴くか?

あるいは心の中にあるもので、

こんなにも心境が変わる。

 

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土曜日。

朝から何度も届く市の防災メール。

そして、ご近所の山田美枝子市議会議員さんからも、

福祉避難所についての情報を何度もいただき、

いつも気にかけてくださっていてとても有難く心強かった。

 

 

都内がLevel5になったのなら、あの雨雲がやってくるなら

ここも浸水する可能性もある、と判断し、

我が家の地域にLevel3の避難指示が出てから避難準備を始める。

うちは去年新しく作られたハザートマップで、いざとなれば7mも浸かることが判明。

以来、心の準備はできていました。

 

 

今回は「空振りでもいいから、練習でいいから、行こう!」という話しに夫とまとまり、

お隣の車がない高齢ご夫婦にも声をかけてみる。

でも、「うちはここがいいからいいわ」とお隣の奥様。

月曜日に外で会った際に「次回避難勧告が出たらうちは避難所に行きますから、

その時必ずお誘いします。一緒に行きましょう!」と告げたところ

笑顔で「ありがとう」と返って来てほっとしました。

 

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~今日の写真は、ほぼ夫の撮影したもの。ここは普段は樹のところまで川。

10月13日、14日の近所の水辺の風景。大小3つの川に囲まれている我が家~

 

 

 

避難したのは市役所だったので(しかも和室)、思ったよりも快適に過ごせました。

座布団とテーブルだけ借りて、

持参した水や食料、毛布を使って一夜を過ごす。

すぐ傍に市の災害対策本部があって人がたくさんいるのも安心。

市の福祉課の職員さんが娘の発作について丁寧に尋ねてくださって、

とても心強かった。

 

 

10時代は雨風のピークで、外では荒れ狂った音がして怖かったけれど、

コンクリートの建物に守られどこか安心感がある。

その時間帯が最も電話が鳴っていた。

 

風も納まり、眠りに落ちる。

目が覚めたら外は晴れていて、市役所も静か。

河の氾濫はなかったのだと感じる。

帰り支度をして、職員さんにお礼のあいさつをして車に乗り込む。

朝の空気、朝の光がまぶしく、

倒木もない市内の道路を確認して、皆無事であることを心から喜ぶ。

 

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7時には帰宅。

窓を開けて換気していたら、冷えた娘は発作が始まってしまった!

私もほっとして気を抜いていてごめんね。

でも、この1週間よく発作ゼロで過ごして親に気を遣い、

きっとたまっていたのだろうし、

台風が通る時は強烈に気圧が下がるからその影響もあるのだと思う。

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 ~気圧アプリ「頭痛~る」も、台風当日はこんな感じ!~

 

 

 

何しろすごい恐怖を味わい、

初めて生きるか死ぬか?の問いの前に立ったような1週間だった。

そして何事もない我が家に戻れた喜び。

今回はたまたま運が良かっただけかもしれないし、

これからもこんな思いをするのかもしれないけれど、

今は安堵に浸っていたい。

次への備えは怠りなく。

 

 

重い障害とてんかん発作がある娘と一緒の私は、

いざとなると逃げられないであろうと諦めていた。

疲れると、将来の不安にさいなまれると、

二人で抱き合って終わるならそれでもいいと、

いつも言って来た。

 

 

でも、いざ本当にその時が来るのかも?と思ったとき、

この世は何と愛おしく思えたことか!

私はまだこの世界に留まっていたい。

いつもの日常が実は奇跡の連続で成り立っていることも、

言葉でなく実感できた。

 

 

私は娘のために生きて来た。

音楽はそれを支えるために。

でも今回初めて、自分のためにも生きたいと強く思った。

生きて音楽を続けたい。

ヴァイオリンを奏でたい。

その思いを発し、思いがけずその問いと希望のブーメランは

ギフトとなって私の元に戻って来てくれて、何とも温かく包んでくれた。

 

 

無事を祈ってくれた家族、友人、愛する人たちに心からの感謝を。

そして、これからも娘を全力で護ることと、

併せて自分の人生を生きること。

新しい私が始まっています。

 

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2019年10月 4日 (金)

この先のお知らせ♪

一段落した、、、と思ったら、もう次へ!

早くも2020年のお知らせです。

 

本日ホールが取れまして、2020年の主催コンサートの日程が決まりました!

 

44日(土)「Luna Classicaが贈る名曲の花束」と題したデュオコンサート。

 

会場はいつもの つくばアルスホール。

開演も同じく14時。

もしかしたら4/4、アルスの前の中央公園は桜の盛りかも?

と思うだけでワクワクしてきます♪

半年後ですが、来年のカレンダーを購入されましたら、

ぜひ印を付けてくださいね(^^

 

今年は泉恵さんとのLuna Classicaの活動はありませんでしたが、

来年は前半に主催コンサートを含めて3つのプロジェクトを予定しています。

 

内容はまた後日お話しするとして、この日の目玉となるのは

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番(主に第2楽章)を、

作曲家の相馬邦子さんにヴァイオリン&ピアノ用に編曲、

いえ彼女のオリジナル曲として書下ろしをお願いしています。

 

どんな譜面に仕上がってくるのか?とても楽しみ♪

 

http://forest-note.com/

 

その前に、まず2020年最初の演奏会は

117日(金)1030~いつもの「つくば朝のサロンコンサート」

この日の朝コンは第149回目。

ロングランコンサートはそれだけでも貴重!

そして、仲間が素晴らしい!!

 

さらに、2020年はベートーヴェン生誕250年の年。

私たち朝コンでもベートーヴェンのお誕生日をお祝いしたいと、

まずはLunaClassicaから新年を始めます。

 

メインはヴァイオリンとピアノのためのソナタの最高峰、

ベートーヴェンの「クロイツェルソナタ」。

クロイツェルソナタについてはまた後日詳しく書くとして、

前半にはクロイツェル連想ゲーム?のチャイコフスキー アンダンテカンタービレ

クライスラー ベートーヴェンの主題によるロンディーノなど、

よく馴染みの聴きやすい作品からスタート。

お正月疲れも癒されるかも?のプログラミングです(^^

 

その後、ちょっと面白い掘り出し物を発見したので、2曲ご紹介したいと思います。

どちらも若き日のベートーヴェンの面影を知ることが出来る楽しい曲。

「6つのドイツ舞曲」(Vl&PF)はあっという間ですが、

まだ耳も聴こえていた頃の楽し気なベートーヴェンの姿が伝わって来る可愛い小品です。

 

そして、有名なトルコ行進曲を変奏曲にしたものを発掘!(Piano solo

ベートーヴェンは変奏曲の名手でしたから、どんな変装?いや変奏が聴けるか?

ぜひお楽しみにしていてください♪

ベートーヴェンづくしのプログラムで、2020年のコンサートを幕開けします!

 

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~写メを左に回転したはずが、そのまま、、、(>_<)~

 

 

ちなみに今月の朝コンは、18日(金)1030

新進気鋭のチェリスト木下通子さん(東京藝術大学及びパリエコールノルマル卒)

そして知性溢れるアプローチで響きの森を創り出すピアノ鈴木納子さん(東京藝術大学、スヴェーリンク音楽院卒)のお二人の共演。

プログラムは、ラフマニノフのチェロソナタ 他。

これは聴きものです!絶対面白いと思う!

 

私たちの3つ目のプロジェクトは、今はまだ内緒(^^

 

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コンサートが一つ終ると本を買い込む私。

 

勉強のものは、

・バルトルド・クイケンが書いた「楽譜から音楽へ バロック音楽の演奏法」(昨年出版)

帯には「音楽の光を映し出す鏡として、演奏家のなすべきことは何か?楽譜から何を読み取り、何を聴き手に届けるのか? 古楽をめぐる18のテーマから、演奏の神髄を語る」とあります。間違いなく面白そう♪

 

 

そして、手元に置いておきたい1冊として

・「古い音楽における装飾の手引き」 ハンス・マルチン・リンデ 全音出版

 

ベートーヴェン研究については8月から読み進めているこれ。

・カール・ダールハウスの「ベートーヴェンとその時代」西村書店

 

これ、難しい。。

ダールハウスさん、生きている時にあまり評価されていなかったからなのか、

知の巨人すぎて他の人がおバカさんに見えるのか、

やたら批判ばかりで否定的な記述が多く、精神的に疲れます。。

でも、頑張って読む。

 

他は、話題の本たちを♪

写メには映っていないけれど、「新しい腸の教科書」江田証 というのも買ってみました。

私の読書タイムは、娘が帰って来て彼女のお昼寝の隣で。

毎日少しずつ必ず読む。

並行して何冊か。

そして私も15分ほど目を閉じてリフレッシュしてから、夕方の練習タイム。

そうすると頭が回って一番良い練習時間になります。

 

今年は娘の骨折及び療養生活、息子の結婚式、などなど家族のことが中心でしたが、

これからしっかり勉強して、来年はたくさん弾きたいな♪

 

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~我が家のもう一人の愛娘。小鳥は花の下にいるのが似合う。

ピピはいつも私の周りをうろちょろ。~

 

 

 

 

2019年10月 2日 (水)

穏かな朝

 

 

以前にも似たようなタイトルで書いた覚えがありますが、

秋はこういう気分になれる日が多い。

 

夏の日中 過酷な暑さに耐え、夜の寝苦しさにうんざりし、

その後にやって来る秋を実感できる幸せ。

今年は10月に入っても相変わらず半袖で過ごしているという季節の進み具合の遅さですが、

それでも湿度が下がって来て

なんとも爽やか、、、とほっとして嬉しくなります。

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うちの娘も昨日施設の散歩で訪れた公園で、

木洩れ日の下気持ちよく目を閉じていたそうで、

どこからともなく「きれいなお顔ね、、、」という声がもれたと

連絡帳に書いてありました。

 

きれいな顔とは造りのことではなく、表情、内面のこと。

どんな美人やイケメンでも、内側で嫌なことを考えていたら

それはせっかくの美しい造りを曇らせてしまう。

娘はきっと気持ちよく、有難いことに体調もよく、

それが素直にそのまま顔に映し出されていたのでしょう。

嘘なんて縁のない人ですから。

そして、それを感じて取ってくださる施設の職員さんに恵まれていることを

改めて幸せに思った母でした。

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~すっごく優雅なチョコレートいただきました♪もったいなくて食べれない。~

 

 

今年の主催コンサートから1週間が経ち、後片付けも終わり、

さあ落ち着いて次の準備、勉強、先の計画、生徒さんたちのことも、家のことも、、、、と

あれこれ考えています。

 

自分の演奏については思い出すとため息ばかりなのですが、

先生方の「今ここ」に捧げる心と音、

それを温め受け止める会場の空気が残り続け

私はずっと爽やかな気持ちを持ち続けて過ごしています。

芸術がもたらすのは「浄化」という力。

それを改めて感じています。

 

コンサート前、台風被害の恐ろしさに目を覆い、

被災した方々を思うと気が滅入って来る。

悲しい事件を多数ニュースで見聞きし、

悲惨な出来事の数々にちょっと参っていました。。

 

 

どこでどんな事件に遭遇するかわからない。

多発するようになった自然災害はいつ我が身のこととなるかわからない。

停電になったら、通信が途絶えたら、

急な大発作で救急車を呼ぶこともできなくなる!とわかった恐ろしさ。

考えうる限りの対策は立てておかねばと思います。

 

増税前に何か買うものある?と考えて、

充電式の喘息の吸入器が壊れてしまったので、買いなおしました。

10年前に購入したものに比べてとても軽くなり、使いやすくなっていて

常に進歩しようとする日本人魂をこんな商品にも感じます。

みんな頑張って生きてるね!

 

そんなこんなで、本番前の緊張+日常の緊張でマックスのストレス状態だったのが、

コンサートで一気に緩解しました。

日常の景色が穏やかに見える。

それは私の内側がそうなったから。

そして娘にも影響する。

いえ、もしかしたら彼女から影響を受けている。

いや、お互いに響き合っている。それが正解でしょう。

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~コンサートでいただいたお花をまとめる。茎を切り戻しつつ最後まで楽しみます~

 

 

穏かな朝には、モーツァルトが似合います。

「いつでもモーツァルト♪」と思うほどのモーツァルト好き。

あまり知らない方には「どれも同じ」なんて言われることもあるモーツァルトさん。

スタイルが確立しているから、そして時代様式からではありますが、

知れば知るほど彼の温かさ内面の豊かさ、

そして何があっても前向きに生きた力を感じて、

私はいつもモーツァルトから生きる力をいただいています。

 

今バックで聴いているのは、先日の「和の響き」コンサートで素晴らしい演奏をしてくださった菅野潤先生のCD.

8月から手にしていましたが、

実際に目の前で演奏されるお姿を体験したら、

また一歩踏み込んで聞こえてくるものがたくさんあって、

先生が我が家で弾いてくださっているような息遣いを感じて

私の朝を豊かにしてくださいます。

 

これ見よがしなこと、オーバーな表現は一切ない

とても自然で誠実で滋味深い演奏は、

先生のお人柄そのものに聴こえます。

聴けば聴くほど考え抜かれてあるのに自然に流れていて驚きます。

とても細やかな心遣い優しさに溢れていて、

ずっと聴いていたい音楽。

 

私は演奏からいつも、弾いている人をも聴いている気がする、、、。

音はその人そのものだから。

Dsc_3348

サインをいただくのを忘れてしまったので、

次にどこかで演奏会を聴きに伺った際に、サインの列に並ぼうと考えていますが、

ドビュッシーの前奏曲集のCDはそこまで待ってはおられず、

先日Amazonで注文。

サインをいただくのはメシアンのCDでかな。

それにしても、こんな超一流の演奏家の方に私の小さな演奏会で弾いていただいて、

改めて有り得ない幸運であった、、、と感謝でいっぱいです。

 

素晴らしい演奏を届けてくださった菅野先生、渡邊先生、長明さん、

そして矢崎先生に心からの感謝を。

「行けないけれど頑張ってね!」と応援メールをくれた友人たち、

支えてくれた友人たち、

期待の空気で演奏を支えてくださったお客様。

感謝の気持ちに満たされていることが、

私を幸せに導いてくれています。

 

Dsc_3343

~落ち葉と木洩れ日の今朝の庭~

 

 

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