天上の香りと音楽 プログラム
今年もカレンダーの残りが2枚になり、
クリスマス、年末、お正月のことも気になる季節になって来ました。
先日お知らせした12/7 ウエディングヒルズアジュール守谷での
「天上の香りと音楽」の本番まで1か月を切りました。
4回目となる「香りと音楽の癒しフェア」。
天上が高くクラシックな雰囲気の素晴らしい会場で、
今年もまた演奏できるのがとても楽しみです。
しかも今回はチェロも加わったピアノトリオでさらに豪華!
室内楽の分野でピアノトリオは、最も華やかな作品が並びます。
特別ゲストの長明氏との共演となれば、鬼に金棒の気分です♪
(美しいチェロの音色に聞き惚れて、
弾きながらお客さん気分にならないように気を付けなきゃ!)
さて今日は、プログラムのお話を。
この「天上の香りと音楽」は、いくつものイメージが複合的に重なった
味わい深いプログラム。
最初の案は、フランス映画「巡り逢う朝に」からイメージが拡がりました。
この映画は、実在のヴィオールの名手・マラン・マレーを中心に描かれる
芸術とは何か? 芸術家として生きることは?を問う内容。
1回しか観ていないので映画のテーマを何と定義することは難しいのですが、
大変美しい映像と音楽は、それ自体が芸術作品と感じます。
このイベント主催の大木先生がこの映画が昔から好きだそうで、
最初はこれをテーマにとのご要望からプログラムのイメージを膨らませていました。
大木先生は併せてバロック音楽もお好きということもって、
バロック音楽で始まりバロック音楽で終わるプログラムというのが、
一つの特徴です。
ちなみに、バロック音楽というのは
17世紀初頭から18世紀半ばにかけての時代の音楽のこと。
バロック音楽というと思い浮か代表的な作曲家の三巨頭は、
バッハ、ヘンデル、ビバルディ。
しかし、実はバッハはドイツの一地方から出ることなく、プロテスタントの教会音楽を中心に活躍した特別の存在で、
バロック音楽らしさを代表するのはイタリアのビバルディ、コレルリ、
フランスのリュリ、ラモー、ルクレールなど。
ちなみにヘンデルはイギリスで活躍。
つまりこの時代は、イタリア、フランス、イギリスが音楽の中心地。
バロックの意味は「いびつな真珠」。
その象徴されるものは、装飾が施された猫足の家具や華麗な宮殿などで、
まさに王侯貴族のための音楽とも言える。
音楽家まだ宮廷に仕える身分であった時代。
音楽の主な需要は宮廷の行事や晩餐のバックミュージックでした。
映画の主人公マラン・マレーはそんな時代にあって、
王侯貴族に仕えることを拒否してしまい、そのために活躍の場を失っていきます。
芸術のために自分の芸術家としての思想と生き方を貫く。
王侯貴族の顔色を窺ってリクエストに応える音楽をするのでなく、
あくまでも芸術家として自分の魂に偽りなく生きたいと願うマラン・マレー。
もう一人の野心のある若いヴィオール奏者の登場と共に、
マラン・マレーとの葛藤が描かれます。
映像の一場面一場面が絵画のように美しくため息が出るほどで、
まるで美術を鑑賞しているような気持ちにもなりますが、
暗く重いテーマに観終わった後は考え込んでしまう。
何度か観てその時々の自分の感じるものと出会う必要がある映画かもしれません。
ということで、バロックからスタート。
1曲目はパッヘルベルのカノンをピアノトリオで。(パッヘルベルはドイツの生まれ)
王様の予定調和の世界です。
2曲目は、マラン・マレー作曲のラ・フォリア。
繰り返される主題を元に、チェロの超絶技巧が繰り広げられます。
次からはもう一つのイメージの世界から。
我が家のレッスン室の片隅を飾るこの天使の絵。
書いたのは19世紀のフランスの画家ウイリアム・ブグロー。
どこかでご覧になったことはないでしょうか?
天使の絵をたくさん描いた画家ではありますが、可憐な少女の絵も多く残っています。
生前は絶大な人気を誇ったのに、なぜか忘れ去られてしまった、、、。
そしてこのブグローの絵も、大木先生のお好きなもの。
ナチュロアロマチカのトリートメントルームは、ブグローの絵に見守られています。
チラシの中の一番小さいサイズの絵も、
トリートメントルームの壁にずっと飾られてきました。
女性らしい夢のようなナチュロアロマチカのお部屋。
~昨年クリスマスの頃のナチュロアロマチカ~
そのブグローにインスパイアされて、
フランスの音楽もプログラムの真ん中に並びます。
私はブグローを想って最初に思い浮かんだのが
ブグローと同じ時代を生きたガブリエル・フォーレの「ロマンス」。
光の中に漂う音楽は、ブグローの天使や可憐な女性たちを連想します。
チェロのソロも、マラン・マレの次に来るのはフォーレの「子守歌」。
そして同じくフランスの作曲家マスネの「タイスの瞑想曲」と続きます。
タイスはもとはヴァイオリンの作品ですが、
今回は豊かな低音のチェロの音色でお楽しみください。
チェロの3曲のソロは長明氏が選ばれ、
ピアノの2曲のソロは大木先生のリクエストでプログラムに加わりました。
ピアノソロは、ショパンのノクターン作品9-2とドビュッシーの「月の光」。
どちらもポピュラーなピアノ作品です。
クラシックに馴染みがないという方でも、
きっとどこかで耳にしたことがある柔らかな作品。
そして、耳がクラシック音楽に慣れて来たところで、
本格的ピアノトリオの作品を2曲お聴きいただきます。
重厚なブラームスのトリオ2番の第2楽章、
華やかなチャイコフスキーのピアノトリオ「偉大な芸術家の思い出」第2楽章より抜粋は、
「天と大地への讃歌」というもう一つのコンセプト案から生まれたもの。
そして最後は、バッハ~グノーのアヴェ・マリアで、
バロックとフランスの融合でプログラムの幕を閉じる。
そういう構成です。
途中、フランス語の詩をフランス在住10年の大木いずみ先生の朗読でお聴きいただきます。
ナチュロアロマチカはフランスの香り。
この12月7日は、まずはクラシック音楽を通して
フランスを中心としたヨーロッパの芸術音楽を楽しんでいただき、
その後ナチュロアロマチカ20周年記念の講演、
そして創作懐石フレンチと続きます。
アルコールを含むフリードリンクも楽しめますので、
守谷駅からの送迎バスもぜひご利用いただけたらと思います。
多くのイメージと想いがミルフィーユのように重なり合ったこのプログラム、
クラシックで響きの良い会場で演奏する当日は、どんな味わいになるのか?
そしてどんなことが起きるのか?
私もとてもとても楽しみです♪
お申し込みは11月26日(月)まで。
スペシャルな一日をぜひご一緒しませんか?
大変な時代、災害が多かったこの一年の終わりを、
希望を持って締めくくれる光に満ちた会になることと思います。
お一人で申し込むのはちょっと、、という方は、
ぜひ「ヴァイオリンの森さんと同じテーブルで」とお伝えください。
ご一緒に会食を楽しみましょう。
お申し込みは0297-46-2810 ナチュロアロマチカまで。
プログラム詳細:http://forest-note.com/
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