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2018年9月16日 (日)

久しぶりのオペラシティ



このところ秋雨前線のお陰で暑さ和らぎ、一気に秋を感じほっとします。

庭の萩も紫式部も色づき、目からも秋を実感する。

まだ夏の名残と秋のお印が同居する微妙な季節ですが、

土曜日は雨模様のお天気の中、4か月ぶりに初台のオペラシティへ行って参りました。




 

この日は長年の友人智恵さんと。

家が近いわけではないけれど、子供たちが幼い頃お互いの家を行き来し、

夏はビニールプールで遊ばせたり、

一年違いで誕生日が同じなので合同誕生会をやったりと、いろいろ思い出を共有。

お料理家事上手で楚々としていて意欲的な彼女からの刺激は有難く、長いご縁です。

ほぼ欠かさず私の自主企画コンサートに来てくれているのに、

そういえば一緒に出掛けたことがなかったのでした。

お嬢さんが小さい頃熱心にピアノに集中し、大学オケでは木管楽器を担当して

母娘大のクラシック好き!といえば、誘わない手はない♪

 



 

20003000円の手軽なコンサートとは違って、

オーケストラのコンサートになるともう少し値段が高くなる。

そうすると、本当に好きな人でないと誘っても申し訳ないかな、、、

という気がしてしまいます。

お付き合いで一緒に行ってもらう金額ではないからね。

でも、とても楽しかったみたいで私も嬉しかった♪

子供たちも社会人になり、私たちも時に自分の大人の愉しみを持ちたい年齢になりました。




 

土曜日のコンサートは、維持会員になって応援している

東京シティフィルの第318回定期演奏会。

このオケは自主運営だそうで、他と比べて企業のバックアップが少ない。

もちろん何よりもご贔屓の奏者がいて、

シティフィルの音と演奏が好きだから応援したいのですが、

私がいなくても何も影響ないオケよりも、

一人でも多くのファンがいる方が力になるかも?と思えるところの方を

応援したくなるのは、私らしい選択という気がする。

 

 



Dsc_2177




プログラム前半は、モーツァルト39番のシンフォニー。

後半は、ラヴェル作曲の全145分の短いオペラ「スペインの時」を演奏会形式で。

プログラムノートによると、ラヴェルは生涯Mozartを愛したというから、

何やらつながりのある組み合わせです。

モーツァルトは言わずと知れたオペラ作曲家。

ラヴェルは2曲しか書きませんでしたが、この「スペインの時」はモーツアルトの

人気オペラ「フィガロの結婚」をどこか連想させる。

意味ある異色の組み合わせというのは、どんな化学反応が自分に起こるか?

それだけで楽しみが倍増しそうな予感で始まる。




 

まずは、18世紀のスター、神童と言われたモーツアルト晩年の傑作39番から。

それが何とも颯爽としたテンポで始まり、

最初はえっ!ちょっとそのテンポ速すぎ、、、(*_*) の気分で聞いていましたが、

時間の流れ方に慣れてくると、景色の見え方も変わってくる。

余計な思い入れ変な重さがない演奏からは、

本来の楽譜が飾りなくすっくと立ち上がって

和声のエネルギーに沿って曲が進むのを明確に体験しました。

あら、身体が慣れてくると爽やかでとても気持ちいい。

弾いている人たちもそうじゃないかな?と思いながら聴き進めていく。

3楽章まで速めのテンポで行くものだから、

では、16分音符でずっと動きっぱなしの第4楽章は相当速い?と構えていたら、

意外にゆっくりめ。

つい、なぜ?と考えながら聴いてしまった。





 

展開部でわかりました。

ソナタ形式で書かれている第4楽章の展開部は、目まぐるしい和声の変化と転調の連続。

同じ音形で書かれているものの色がどんどん変わっていくのは、

モザイク模様を見ている気分。

そのモザイクが、よく響くオペラシティのホールで明確に見えるためには、

あのテンポが絶妙な選択だったのではないか、、、と思ったのです。

ほんとのことはわからないけれどね(^^♪ 





 

一つ一つの音が重くないから、

テンポがゆっくり目でも和声を置きながらの流れを気持ちよく楽しめる。

浅瀬の清流の中にある石を飛び移っていく感覚で、

風が吹く緑の中にいるような爽やかさを全曲を通して感じました。

このところ生でモーツァルトを聴く機会がなかったものだから、

今のモーツァルト解釈ってこんな感じに進化したのかな?と考えてみたり。





 

実は私個人的に、来年はMozart Yearになりそうで

(少ない本番の割には、たまたまモーツァルトが多くなっただけ(^^♪)

ただいま再び勉強中なのです。

もちろん、モーツァルトは最愛の作曲家♪

無人島に誰か一人一緒に行ってもらうのは、Mozartと決めている。

 




今読んでいるのは「モーツァルト最後の四年 栄光への門出 春秋社」

というもの。

彼の手紙や直筆譜(紙の種類まで!)はもちろんのこと、

当時の新聞も調べた綿密な調査、

仮説は仮説として謙虚に、けれどもモーツァルトの定説に囚われないアプローチから導き出された新しい説はとても説得力があって、面白すぎる!!

特に、魔笛とレクイエムの楽曲分析にはぐいぐい引き込まれる。





 

35歳で亡くなったモーツァルトの晩年は、借金まみれで世の中から忘れられたかつての天才の不幸なイメージが定着していたけれども、

いやそうではない!というのです。

実の彼は希望に溢れていた!

たしかに、この39番、40番、41番の3曲のシンフォニーからは

それが聴こえると思う。



 

亡くなる4年前、皇帝ヨーゼフ2世から念願の宮廷作曲家に任命される。

この本では貴賓室作曲家という言い方をしているけれど、

ことあるごとにこの称号を付けて楽譜を出版したり演奏会のプログラムに書いたりというあたり、大変な名誉を自負する顔が思い浮かぶ。

しかも名誉を得ただけでなく、貴賓室作曲家にはほとんど縛られる仕事はなく

自由で年金ももらえる。

亡くなる年に至っては、シュテファン大聖堂の楽長補佐にも任命され、

ゆくゆくは主任に、、という希望が手の届きそうなところまで近づき、

名誉も定収入もこれまでにないところまで到達しかけていた。




 

 

借金は、自らの名声を広めるための外国への宣伝旅行等に大金が必要だったとか、

もちろん当時トルコとの戦争で、スポンサーで当てにしたい貴族の懐は火の車であり、

経済不況が政治的不安定と結びつく大変な時代を経験するという不運に見舞われ、

またギャンブル好きという嗜好や妻コンスタンツェの病気療養のための出費など

理由は多々あるものの、

姉のナンネルは「弟の欠点は唯一、経済観念が低かったこと」と

嘆いたこととも関係あるそう。



 

 

この状況の中でも安定した多作期間であったことが、

未来の希望に溢れていた最後の4年であった証拠の一つというのが、

この本の主張です。

たまたま病気になって、いろんなものが未完のままに終わってしまったということは悲劇ですが。




 

まだ読んでいるのは3分の2の時点までですし、

この本のことだけで1回分のブログになりそうなので、それはまたいつか。

というわけで、Mozart 39番 興味津々♪は

(“栄光の最後4年”の始まりである1788年に作曲された意欲作!)

予想を裏切る新しい演奏に出会い

大満足の前半でした!

指揮の高関 健さん、素晴らしい!

自分の考え付かないものが説得力を持って聞かせていただけると、

とても勉強になり有難い!

今朝も目が覚めるとすでにこの曲が頭の中に鳴り響いていました。

幸せな目覚め♪




Dsc_2187


~我が家の庭は今、萩と朝顔が一緒に咲いています。

朝顔は種から育てて日陰のせいか、少ししか咲かなかったので、

時々咲くたびに「今日は1輪咲いた!」と喜んでいた今年の夏の名残 ~





後半ラヴェルの「スペインの時」は訳の具合でほんとうは

「スペイン風の時の流れ」みたいな意味らしい。

物語は他愛もない内容。

でも音楽はとても魅力的。

5人の登場人物それぞれに固有の音楽がついている。

歌のソリストは言葉を歌で語りながら、

オーケストラがその人物がどういう人であるかを音楽で語っていく。



 

 

フランス語で歌われるので日本語字幕が舞台後方に設置され、

歌手と字幕と時々指揮者とオーケストラを見て、、、と

忙しく筋を追い、音楽に耳を傾け、ドラマの空気を吸って楽しみました。

特にソプラノが素晴らしかった!

45分間、スペイン(ラヴェルはスペインが大好き)の時計屋での騒動を覗いていたという気分です。

他愛もなく愚かでも、、、それが日常であり、特別なものを描かなくとも

ドラマはそこかしこにある。




 

 

通常オペラはどれも長時間で値段も高いけれど、

こういう短いものはとっつきやすい。

音楽は複雑ではあるけれど、何とか楽しめる範囲の複雑さに留まってくれています。

結局予習なしでホールに来てしまったけれど、

よく知っている馴染みの作品を

今日はどんな演奏で聴かせてもらえるのか?という楽しみと、

およそ自分では聴かないけれど、

プログラムに入っているから巡り合えるという楽しみの二つがあるのは

とてもいいなあと思いました。

これから数日youtubeで聴いて、土曜日を思い出そう♪



 

 

それは馴染みの料理だけでなく、

食べたことがない料理を食べてみる、知らない土地を訪れるようなもので、

脳にはそういう新しいことはとても栄養になるのです。

新しいものを言葉にするのは難儀な部分もあるけれど、

言葉に上らない感覚としてだけ得たものも、

いつか別の何かと結びついた時に言葉として意識に上って来る。

その時かつての経験は、見える言葉という樹の根元を腐葉土のように豊かに支え包むのかしら、、、などど思いました。

だから言葉にできなくとも、楽しめた♪だけでもOKなのです。




Dsc_2174



 

この日は終演後オペラシティ2階ロビーで

楽団員さんと会員、その他希望のお客様との交流会がありました。

会員は¥500でドリンクチケット2枚をいただき、

私も智恵さんもワインをチョイス。

さっさと酔いが回ってしまいましたが、

木管五重奏と弦楽五重奏によるラヴェルの「クープランの墓」より

メヌエットが(シティフィルのチェリスト香月氏編曲)演奏され、

心憎い選曲と演奏に大満足でした。





 

交流会の前にアンケートに少し書いて傍にいた団員さんに渡したところ、

ナント、夏に団からの暑中見舞い葉書を担当してくださったオーボエ氏だった!

綺麗な字でのお葉書ありがとうございます♪




 

その後ちょっとお話ししたヴァイオリニストの美しい女性は、

私の九響時代の仲良しでカルテットを一緒にやっていたヴィオラの貴恵ちゃんと同学年ということがわかり、またまた奇遇!

小さな奇遇が二つも重なるとどこか必然的にも思え、

お二人のこともこれから聴きに行く時に応援しよう♪と思ったのでした。

交流会などでステージ上の人と話ができると、舞台の段が取り払われていいですね。

また次回の交流会もありそうなので、楽しみにしていたいと思います。




 

もちろん、一番ご贔屓のチェロ首席長明氏ともご挨拶し、

他の熱烈ファンの方とも盛り上がり楽しかった♪

ファンクラブの輪を拡げねば♪



 

次は11月定期のストラビンスキーを楽しみにしています!

 



Dsc_2173

 

~智恵さんとの昨日のランチは、Le Pain Quotidien

コブサラダ(卵、チーズ、チキン、アボカド入り)とデトックスジュース。

デトックスなる言葉に弱い年齢です(^_-)-☆ 

オーガニックのジャムを好きなだけ選べて嬉しい♪~





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FBで知り合った方の投稿を見て確認しに来た初台駅トイレの洗面台。

もうここから音楽が始まっている♪~





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