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2018年8月

2018年8月25日 (土)

初の草津・2 旅日記






つづく、、、と書いておきながら、時間が経ってしまいました。

今週、旅行疲れかダブル台風のせいか、

木曜日まで調子悪く、やるべきことだけで一日が終わっていました。。

けれど台風が去った昨日金曜日は朝からすっきり!

草津の行き帰り、車で座りっぱなしも疲れたのでしょうが、

どちらかというとお天気のせいだったようです。

娘も気候連動型のてんかん患者ですが、私も気象病っぽい。

疲れていなければ影響を受けずに済むけれど、

睡眠不足など何か生体に弱い条件がある時は気圧等に左右され、

「今日はだめです。使い物になりません。。」の日が多々あります。

よく「森さんていつも元気ね」と言われるけれど、そうでもない。

人間だから、自然に左右されるのも仕方のないことですね。



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草津音楽祭も良かったけれど、二日目の野反湖もとても良かった。

10時から2時間ほどいましたが、特に早い時間帯の空の素晴らしい青を反映して

湖も美しく輝いていました。

二つの青は鏡のようで、天空の合わせ鏡という言葉が思い浮かぶ。

6月下旬から7月下旬にはニッコウキスゲによく似た黄色のノゾリキスゲというのが群生するらしく、その様子を見てみたい!と想像していました。

先週咲いていたのはマツムシソウとワレモコウ。

秋の風情です。

野反湖の地図の左中央付近に「テン場のお花畑」という場所があり、とっても気になる。

やっぱりその頃にまた行ってみたい。

 




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山は大好きだけれど、うちの娘はでこぼこ道が苦手で、オヨヨオヨヨとなる。(←わかる?)

付き添う私もかなり気を遣うのです。

でも野反湖にはバリアフリーの道があり、車いすでも行けるところがあり、

その先は木の皮のチップを敷き詰めたフカフカの道もあり、足元に優しい。

娘は湖に近寄りたかったようで、道なきところをずんずん入っていく。

止めると怒る。

蛇が出そうよ~!と言って何とか阻止。

気持ちはわかるけれど、、、。

この日はなかなか自己主張の強い一日で手ごわかったのでした。

そういう日、実はてんかん波が荒れている。

発作を起こさなくても外からは見えなくても、頭の中には電気の嵐が渦巻いている。

てんかん発作の時は頭痛もするという話もある。

彼女は話ができないからわからないけれど。

機嫌くらい悪くなるよね。



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草津唯一のイタリアンで昼食後、旅館の小さいお風呂だけでなく

大きな露天風呂も行ってみようということになった。

草津音楽祭の会場近くの西の原露天風呂。

河原の傍の露天風呂までは駐車場から歩いてちょっと距離があり、

帰りはこの坂道を登っていくのか?と思うと、ちょっと娘のことが不安に。

お風呂もそういえば露天風呂ってどこも岩を敷き詰めてあるので、

お湯にたどり着くまでになかなか時間がかかり、

ようやく浸かってホっ。

娘もいい湯加減の開放的なお風呂で手をたたいて喜び、、、、でももう上がる時間。

露天風呂の気分だけ楽しみました。

青空の下日中からお風呂に入る開放感ってなんともいい♪

先週は爽やかなお天気に恵まれた週末でしたしね。




 

以下、夕食後夫が一人で撮影に出かけた夜の草津をご覧ください。



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翌日は旅行中ピピを預かってもらっているうちの生徒さん夏子ちゃん宅にお土産を選ぶために、

早々に旅館をチェックアウトして大きなホテルへ。

草津の中心地に近い老舗の大型ホテル「櫻井」に、モーニングコーヒーとともにちょっとお邪魔する。

私は泊まるのはお手頃価格にしておいて、お茶だけ大きなホテルに行くというパターンの旅をすることが多い。

息子から以前にも「お母さん、これ癖?」と聞かれたことがあったけれど、

吹き抜けのラウンジで美味しいコーヒーを飲むのは、気軽な贅沢。

お金はかけず、家では味わえない3階分の吹き抜け空間で休憩するのが好きなのです。



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~昭和チックなホテルで良い感じ。湯もみショーもあるらしい。~




しかし横でりんごジュースを飲み終わった娘がいきなり一発の発作。

その後目をパチパチさせて、頭の中ではてんかんの花火が上がっているのがわかる。

発作自体は1回で済んだけれど疲れてそのまま寝てしまい、

30分休憩。

寝れば回復しその後無事に過ごせます。

てんかん発作はとにかく無事に通り過ぎるのを待つしかない。

急に涼しくなった気温差と台風が発生していることの影響で仕方がない。





 

楽しさと気を遣うことと両方で、いつものこと、、、の旅でした。

他にもアクシデントはあったけれど、ちょっと書けないなあ、、、。

また頑張って行きます!




2018年8月20日 (月)

初の草津 1・音楽祭を聴きに




今年の夫の夏休みの最後、家族3人で初の草津へ。

大学時代も含めて関東在住30年以上になるというのに、

未だ訪れたことのなかった草津温泉。

今回は草津音楽祭を聴くという目的を持って、温泉と自然を楽しんで来ました♪



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今年の草津音楽祭オープニングコンサートは、群馬交響楽団演奏会。

2年ほど前から私がレッスンでお世話になっている渡邊篤子先生のご主人さまでいらっしゃる指揮者の矢崎彦太郎先生が今年も指揮されるということがきっかけで、

初めて草津を訪れることに。




正式名称「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」は、

日本で最初の講習会と演奏会から成る音楽祭で今年39年目と

パンフレットにあります。

国内外のトップレベルの演奏家が集い、

若手音楽家にとってはまたとない学びの場ともなっている。

今年は8月17日(金)~30日(木)まで開催。




 

 

4月に帰省した際、娘がてんかんの大発作で1週間に2回も救急車に乗ることになり、

遠出は尻込み、、、、の気分になりかけていた。

帰省さえ怖くて億劫な感じ、、、。

けれどゲンキンなもので、きっかけさえあればやっぱり新しいところにチャレンジしたい気持ちがよみがえる。

そのきっかけもいただいて嬉しい。

今回も急な気温低下の影響も手伝ってちょっと怪しかったけれど、

何とか無事に行って帰って来れた。

旅行の前日と今日の二日を通所施設はお休みにして、

体調管理を最優先。

今朝も6時には目を覚ました娘だけれど、10時には勝手に横になって寝てしまっていた。

今日はもう一度夕寝をさせて整える。

弾丸ツァーとは無縁の、ゆる~いスケジュールの我が家。




 

 

コンサートを楽しみに草津へといっても、オープニングコンサートは夫に譲り、

私は二日目の室内楽コンサートの方へ。

両方とも聴きたかったけれど、娘を預けて私だけコンサートを楽しむ訳にもいかず、

室内楽コンサートの方は6月に弾いたグリーグの3番のソナタが入っているプログラムだったので私はそちらを選び、

このところ私の本番以外クラシックコンサートに無縁だった夫が

初日を楽しんで来ました。




 

草津温泉の中心部から車で6分のちょっと山手に建つコンサートホール。

夏の音楽祭にふさわしい緑のロケーション。

開演も夕方4時。

娘はこの時間帯はちょうどいつものお昼寝タイム。

うちの家族にとって無理のないスケジュールが組めます。




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~コンサートの前に、外でアルペンホルンのハーモニーが出迎えてくれる~



 


旅行初日の金曜日は15時までには宿に入る計画で、

食事休憩等を含めて逆算して830過ぎに家を出る。

予定通りに進み、宿についてほっと一息してから夫は車で会場へ、

私と娘は湯畑までちょっとお散歩。

湯畑周辺の人の多いこと多いこと。

こういう場所、娘はすごく疲れる。

一周して雰囲気を楽しみ、歩行者と自転車しか通れないような生活道路を選んで戻る。

草津は坂が多い。




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宿は無料で入浴できる公共施設「地蔵の湯」の隣に建つ

創業139年の老舗「旅館たむら」。

一年で一番値段が高いシーズンにもかかわらず、

とってもリーズナブルな宿。

あまりの安さに大丈夫かな?と心配になるほど。

でも、ネットのレビューではたくさん褒めてあったので信用して決めた。





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客室とお風呂は改装してあり、食事も部屋食。

いいことづくめ。

食事は家庭料理の延長の感じだけれど、これでもかと山のような料理が出てくるよりも

お腹にはちょうどいい。

お風呂も男女別に一つずつと、家族風呂が二つあり、

私は3つとも制覇。

肩まで浸かるなんて無理!と思う熱さに驚いたけれど、

二日目の朝からようやく湯船で腰までは座れるようになった。




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~たむらの貸し切り風呂の一つ。朝風呂も旅の贅沢な楽しみの一つ♪

温泉の熱を感じていると、これを温めているのは火山のマグマなのだと改めて想像する。~

 

 



1日目目のコンサートを聴けた夫は、

矢崎先生ご夫妻にご挨拶でき、

日頃妻がお世話になっているお礼の言葉を伝える機会もいただいた。

コンサートはとても素晴らしかったそうで、満足そうだった。

「この3日間の旅を通して何が一番良かった?」と聞くと、

「コンサート!」と返ってきた。

よかったね♪

 



 

私が聴いた二日目は、チェコのパノハ弦楽四重奏団を軸に、

元ベルリン・フィルコンサートマスターのサシコ・ガヴリロフ氏のヴァイオリンと

岡田博美氏のピアノのプログラム。




 

 

今年のテーマは「自然が創造する音楽」というもの。

どこかで聞いたような、、?

そう!私の6月のルナ・クラシカのコンサートも

「森と湖の音楽」がタイトルだったので、共通している。

、、、のせいか、このコンサートで聴けるヴァイオリンソナタは同じく

グリーグの3番とブラームスの1番。

ガブリロフ氏と気が合ったような気がして(気のせいよ、、)何だか嬉しい。(^^

ブラームスも聴きたかったけれど、それは本日月曜日のプログラムなので、

これを書きながらあの緑の中に建つホールにブラームスが響くのを想像している。

 




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岡田博美氏の豊かなピアノが最も印象に残った。

物語が聴こえてくる演奏でとてもいいなあ~と思いながら聴いていた。

スタインウェイのフルコンの音には、小さな弦楽器はかなわない。

デュオの時は相当抑えて弾いていらっしゃったけれど、

ソロの方が無理なく楽器を鳴らしていて、

気持ち良い音がホールに響くのを楽しんだ。





濁らない程度にペダルをつないでいく奏法は、

多種類の植物が生える森の中に引き込まれるような音楽に聞こえた。

グリーグが住んでいたトロルハウゲンの森もこんな感じ?

などと想像して聴いていてとても楽しかった。

ブラヴォーもこの日一番多かった。

曲目は、抒情組曲より5曲をソロで。



 

 

サシコ・ガヴリロフ氏とのグリーグのソナタ第3番は、

ガブリエル氏は御年89歳になろうというご高齢にもかかわらず、

何と身体が自由に動くことか!と驚嘆!

腕は背中から生えているごとく、

腰から上の背面も腕に見えるほど身体の中から動くのに驚いて驚いて。

18歳からベルリンフィルのコンサートマスターに就任するようなスペシャルな人は、

特別な身体能力の持ち主。

それ以外にも、あそこはこんな指使いで弾いてる!

ボウイングはこういうアイディアもあったか!!とひたすら勉強になりました。

楽譜を持参すれば良かった!と残念に思う。

私の記憶力では、二日も経てばどんどん忘却の彼方、、、、。




 

 

パノハ弦楽四重奏は、とてもクリーミーな音色。

よくある切れ味の良いシャープで現代的な演奏とは一線を画した、

「弦の国チェコ」の豊かな音を楽しんだ。





 

 

弦楽四重奏は、クラシック音楽の中で最も通な分野といえるかもしれない。

私もオーケストラ時代に弦楽四重奏でも仕事をしていたこともあって、

実は最も好きなジャンル。

しかし、音色や音楽の好みなど一致するメンバーが4人も集まるのは至難の業。

演奏するのも最も難しい。

いろんなことに手を出す時間はもうなく、

ただやりたいだけでは実現しても意味はないと思って諦めている。

なので、今はもっぱら聴く楽しみのみ。

パノハ弦楽四重奏は別の表現をすると、

ムースとフワフワのスポンジが重ねられたケーキのような味だった。

私にはちょっと一番上の飾りが薄い(1stヴァイオリンが聞こえにくい)と思ったけれど、

好みの問題かしら。




 

 

弦楽四重奏を初めて聴くならドヴォルザークの「アメリカ」がお勧めなのだけれど、

この日のメインもこれ。

キャラクターの異なる4つの楽章で変化に富み、初めて聴いても飽きない。

ドヴォルザークがアメリカ在住で集めた民謡と、故郷のチェコへの望郷の念も重なって、

懐かしさを感じ親しみやすく温かい。

さらに終楽章は必ず盛り上がるように書かれてあり、

楽しく終わること必須です♪

コンサート後の夕食、和懐石をいただきながら私の頭の中には

ずっと「アメリカ」が流れていた。

 



 

また弾きたいと思っても叶わない曲は山のようにある。

それは懐かしい憧れの地のような感じがする。

でも、それらの愛する曲を心に抱いて生きていくのも、決して悪くない。

少なくともグリーグは、またいつか弾きたいと思ったのでした。

一つ一つの本番をもっと大事にせねば。

私にとってはどの曲も、一生に一度の本番が多いのだから。


つづく、、、。





2018年8月16日 (木)

お盆に





お盆というと、父の田舎を思い出します。

筑後川のほとりの田んぼの中にあった古い茅葺屋根の家。

その本家は私が小4の頃近くに平屋の大きな家を新築したので、

そこで茅葺屋根の家の思い出は止まっていますが、

裏に流れていたきれいな小川、春はモンシロチョウを山のようにつかまえたこと、

自然が豊かに手を拡げてくれていたあの土地だからこその体験。

囲炉裏の匂い、庭にあった鶏小屋の匂い、温かく新鮮な卵、

香りという脳の一番深いところにつながる記憶ともつながって、

何十年経ってもいつでも思い出の箱から鮮やかによみがえります。



 

 

 

お盆になると親戚が集まり、

10歳離れた従兄が運転してくれる軽トラの荷台に乗って

出かけるお墓参りが特に楽しかった。

わざと乱暴な運転をしてくれて右に左にと軽トラを揺すってくれる

ちょっとしたスリルにキャーキャー騒いだ小学生の頃。

真新しい竹の筒と花、やかん、そしてお線香を持って。

孫たちそれぞれに、袋いっぱいのお菓子を用意して待っていてくれた祖母の笑顔。

帰り道、車中から見る筑後川の土手の神々しいばかりの夕暮れの空も、

何度も深く心に刻まれた景色。

私がこの近所の田んぼの風景が好きなのも、

子供の頃の田舎の思い出から来ています。





 

先日、5月に旅立った娘の同級生のお参りにようやく伺えました。

515日の深夜、さあ休もうと思った時間に

夫の天然石のブレスレットが切れた。

まだ作って1年なのに? なんとなく嫌な予感、、、。

何事もなければいいのだけれど、、、という思いがちらっと頭をよぎった。

2日後の金曜日の夜、娘の同級生が亡くなった知らせが彼のお母さんから届いた。

ちょうどブレスレットが切れたあたりの時刻に息を引き取ったそうで、、、。

一人月曜日のご葬儀に行くつもりが、

その朝娘が発作で疲れて寝てしまって行けなくなってしまった。

「もしかして、あなたも一緒に行きたいから?」

やっぱり二人で行かねば。




 

 

筋ジストロフィーと闘っていた崇裕くんは、中3の時に肺炎で入院して以来、

ずっと病院暮らし。

高校卒業までは何度か娘とつくば大病院にお見舞に行ったけれど、

その後埼玉の専門病院に転院してからは年賀状だけのお付き合いになっていた。

知的には何の問題もなかった崇裕くん。

自分の病気のことをどう思っていたのか?ずっと考えていた。





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~崇裕くん作「海の中を舞う蝶」。

「友情の絵はがき」コンクールに入賞した記念の作品。 

ご家族から許可をいただいて掲載~




 

 

ある時予告なしにお見舞に行った際に、

心拍数のモニターが急激に上昇し、心のうちを数字と音が知らせる。

もちろん表情を見るだけでもびっくりしているのは伝わってきたけれど、、、、。

だしぬけのお見舞でドキドキさせたみたい。

驚かせてごめんね。

それ以来、、、。



 

 

 

実は彼の弟さんも同じ病気と共に生きている。

初盆のお参りに伺った時に、「兄はみなちゃんのことをよく話していました」と

穏かな弟さんが話してくれた。

彼のお母さんも「みなちゃんはみんなの人気者だったから」と笑顔で後押ししてくれる。

崇裕くんのご家庭で、うちの娘の話しが出ていたなんて、、、

母親としてとても嬉しい気持ち。

もちろんうちの家族でも崇裕くんのことを折に触れて心配していた。



 

 

 

ご仏前に持参したのは、一番好きな「くろねこかしや」の焼き菓子。

ここのお店は材料にこだわり、店主の女性がこつこつ一人で作っていて、

とても優しい味がする。  

全て手作りなので家庭でいただくには少々値が張るけれど、

少量で満足する美味しさに心が満たされる。

「お花もいいけれど、食べられなくなっていた崇裕くんには

お菓子の方が喜んでくれるかなと思って」と伝えると、

お母さんが涙ぐんでしまった。

崇裕くんのお母さんとは、いつも学校のお迎えの時に昇降口で立ち話をして

お互いの子供の体調を気遣う仲だった。

うちも大変だけれど、彼のお宅はもっともっと大変なのだ。





 

崇裕くんも弟さんも、若いのにどこか僧侶のような雰囲気を持っている。

穏かで聡明で優しくて落ち着いていて、悟っているかのような空気を纏っている。

彼らは自由には動かせない身体の中で、いつも何を考えているのだろう?と思う。

具体的なことは聞けなかったけれど、

落ち着いた声とその存在から醸し出される空気で、

彼らの内側が伝わって来たように思う。

他の誰も持っていない、

どこか忘れられない清々しい存在感を伴う余韻が心に残る。



 

 

 

保育士をしているという綺麗なお姉さんがいらっしゃって、

お母さんは心のどこかで頼りにしているのでは、、と勝手にちょっとホっとした。

健常な兄姉は、親にさえわからないそれぞれの重荷や辛さはあるのだろうけれど、

一般社会とつながる若いエネルギーは、家庭に社会の風を運んでくれる。

特別支援学校を卒業して以来3年ぶりに会って、

初めてお宅を訪問して、

そしてこれからはもう会う機会もないのかもしれないけれど、

崇裕くんとご家族は、むしろずっと私と娘の中に生き続けるのだと思った。




 

 

妹、父、祖母、従兄、親戚、友達、お世話になった先生、、、

向こうの世界にはたくさんの懐かしい人たちがいる。

生きていた時、その人はその人のものだったけれど、

あの世に却ってからは、記憶の中のその人は私の中の人にもなり、

むしろ近く感じる。

それは私の中だけで感じるその人だからということなのか。

亡くなった人の思い出はいいことばかり。

感謝と共に笑顔だけを思い出す。

今はもう会えないけれど永遠に私の中で生き続ける人たちのことを想う

お盆という時間があることを、改めて有難く思う。






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~お盆には実家では必ず母が白玉だんごを作ってお供えしていた。

私も子供の頃から手伝っていた。

その習慣を受け継ぎ、今年も父と妹と一代前の文鳥の写真の前に置く。~

 

 


 

帰り際、崇裕くんのお母さんが「今度家族で箱根に行くんですよ」と

嬉しそうに言っていた。

これまではきっと旅行もままならなかったと思う。

病院にいる子を残して他の家族だけで出かける気分にはなかなかなれない。

弟さんも一緒に行くとなると、器具やサポート体制やらいろいろ大変だろうけれど、

元気な家族は出かけた方がいい。

うちの娘の主治医も「どんどん出かけてください!」と言う。

介護には終わりがない。

リスクに怯えて縮こまっていてはいけない。




 

 

楽しみが先にあると毎日に張り合いができる。

新しい場所の空気と景色は心と体をリフレッシュしてくれる。

脳は新しいことを好む。

出掛けた後も共に思い出を語り合える。

一粒でいくつも美味しい。




 

 

障害や病気と生きている人も、その家族も、年老いた人も、

できるだけ家に閉じこもらずに外に出かけた方がいい。

私も昔、娘に重い障害があるとわかってからは、

彼女が私と同じことができるようになるまでは、自分の好きなことは封印し

もうヴァイオリンは弾かないと思った。

やれる限りの療育を頑張り、

けれどもいくら頑張ってもできるようにならないこともあることを悟り、

あるがままを受け入れるのには時間がかかった。

でも、その大変だった時間は、多くの手助けしてくださる方に囲まれた

とても尊く温かい時間だった。



 

 

 

障害や病気の家族と出掛けるためにはそれなりの準備が必要で、

さらに日常以外の大変さを抱えることになるわけだけれど、

障害があっても病気でも歳を取って不自由が増えても、

幸せになければならないのだ。

もちろん子育て奮闘中の人も、バリバリと仕事を頑張っている人も、誰もが。

世の中には機嫌の良い人が必要。

気分はうつる。

大丈夫、私たちは小さなささやかな幸せをみつける達人になっている。

私がプロフィールに「障害のある娘の療育のために10年間活動を休止」と

わざわざ書いているのも、

そういう人でも誰でも弾いていいよ、自分らしく生きていいよ と表明したいから。

同じような境遇の方に、子供、家族のためにも

親が笑顔で元気でいることが大事だと伝えたいとこの頃特に思う。




 

 

世の中の出来事を見ていてよく「どうしてこんな人がこんな事故、事件に遭って、、」と

思うことがある。

因果応報なんていう説明では納得できないことが多々起こる。

まるで、たまたまくじを引いてしまうように不運に出会うこともある。

我が身を振り返ることも大事だけれど、

今あることに感謝して前を向いていつもの毎日を生きていくことの方が、

もっと大事だと思う今年の夏。

お盆は亡くなった人を想うことで教えられる特別な時間を過ごしている。





2018年8月11日 (土)

なにげない毎日に





台風13号は関東直撃か!と構えたけれども逸れてくれて、あっけなく終わってホッとした。

我が家は近くに川があり、歩いて2分のところに流れている用水路も

ゲリラ豪雨の時に道路まで溢れて来たことがあり、

このところ大雨の夜は娘の薬とヴァイオリンは寝室に持って上がるようにしている。

しょっちゅうあそこで集中豪雨、ここで雷、竜巻、、、と空は大忙し。

下界の人間はアタフタしている。

暑さに疲れ、大雨に怯え、気疲れする今年の夏です。。




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~夫の作品。去年のあけぼのやまのひまわり~





 何気ない普通の毎日が実は有難いものだということに気が付くのは、

病気になってとか、何かを失ってなどの特別な時のこと。

なのに、最近は心休まる暇がないものだから、

しょっちゅうどうなるかな、、、?と心配しては、

あ~大丈夫だったあ~!とホッとするの繰り返し。

空が忙しい分、心も忙しい。

自然の前には人間は小さな蟻のよう。





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~夏は、趣味で畑をやっている友人知人から野菜をいただくことが多い。

とっても助かる♪

これはコリンキーというかぼちゃに似た、けれどもきゅうりのような食感を楽しめる野菜。

台風が来る前に切って家に入れたひまわりと一緒に記念撮影。






 台風が去った木曜日、無事に娘のスイミングに行けた。

もう14年も続けている障害児スイミングの会「かるがも」。

始めたのは彼女が小3の時に大腿骨を骨折して、そのリハビリを兼ねてだった。

全治3か月のあの時、また歩けるようになる?と心配したけれど、

3か月かかったとはいえすんなり歩けるようになってほっとした。

それ以来、スイミングを続けていると風邪を引かなくなり、

他に運動ができない彼女にとっては貴重な時間として確保している。

周りは小さい子ばかり。

今年23歳になる娘はもっとも古株です。

私もほぼ毎年スイミングの役員を務めている。





 

夕方のスイミングは、補助で一緒に水に入る私にとってはちょっと辛い。

すでに疲れていて帰りの運転中疲れて眠くなりがちだった。

体力的に親の方がいつまで続けられるかな、、?と何度も思ったけれど、

このところ木曜日は、施設へスイミングのお迎えに行く前に、

タイマーをかけて30分弱昼寝する、コーヒーを飲んで出かける 

の二つで眠気がなく、自宅とプールを安全に往復できている。

この調子だったらまだまだ続けられそう♪と喜んでいる母。

娘の補助といっても、私にとってもけっこう運動になっている。

水の中で一緒にジャンプして歩く、

ほぼ私の体重に近い娘を振りまわすエクササイズなどなど。

確実に私の筋トレにもなっている。






 

通常夕方は娘が帰って来るとじっと家に居る私にとって(もちろん娘も)、

スイミング帰り20分の景色は新鮮に感じる。

冬になれば帰りつくころには日が暮れているけれど、

秋は夕焼けを楽しみながら家路につく。

今はまだ日が高いけれど、長い影を見るのも心休まる。

夕方は一日の務めを終えて誰もがほっとする優しい時間。




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ふれあいプラザのウォーキングプールをいつも占有させてもらっているので、

親も子も人目も気にせずリラックスして水を楽しめる。

どの子もとても楽しそうな良い表情をしている。

もちろんうちの子も。

それを見るだけで幸せな気持ちになれる。

天上が高い清潔なプールは開放感に溢れ、窓からは外の林の緑も見え、

駐車場の隣の緑地は牛久沼のほとりで見晴らしがいい。

いつものこと、、、だけれど、当たり前の日常を大事にしたいと思うこの頃です。

 





暑い暑い今年の夏。

その分季節は先に進んでいると思う。

いつもだったらお盆が過ぎてから落葉が始まる庭のヤマボウシが、

もう10日前から葉を落とし始めている。

数日前は、夜お風呂の準備をしていた時に外で秋の印カネタタキの声が聞こえた。

近くの田んぼも稲の穂が実り始めている。

暑さのピークは過ぎた!と思いたい私。

立秋過ぎたのだしね♪



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~ピピは出すと、私が座っている時は手にずっと乗っている。

私のコットンのワンピースも、孔雀の羽模様でにぎやか。

4月に久留米に帰った時に、ゆめタウンのTシャツショップで買ったもの。~




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~このショップには、だるまちゃんとてんぐちゃん」や「金魚がにげた」などの懐かしい絵本のシャツが親子お揃いで並んでいて、めちゃくちゃ懐かしかった!





さあ今日から夫と息子のお盆休み。

今週、掃除に励んでいた。

夏は私にとっては大掃除&落ち着いて勉強の季節。

関西に住んでいてたまに帰ってくる息子は、どこかお客様扱い。

本番が近いわけでもないし、片付いてきれいな家で出迎えたいと思う母心です。

綺麗好きのうちの母もそんな感じだったのかな、、?

母のレベルには到底及びませんが。




 

お盆は家族が集まる時間。

日本中のどこかで「今年は会えたね!」と喜び合っていると思うと、

嬉しさも倍増するね。




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~我が家のいつもの酵素玄米の朝ごはん。
夫が「なんでいつものなのに撮っているの?」。
夏はなんといってもきゅうりの玄米麹漬けが美味しい!
このところはヨーグルトも加わるようになったけれど、今日は切れてた、、、。
そして朝食後のお茶はルイボスティーが定番。
朝からしっかり食べて、今日も一日頑張るのです!

2018年8月 4日 (土)

夏バテ防止策!





暑い~!と毎日言わずにはいられない酷暑が続いています。

台風が過ぎれば少しはましになるかと思っていたのに、

そんなに甘くない、、、。

記録的な暑さ、どうやって乗り切りましょうか、、、?

何か良いアイディアある?





 

子供たちが学校に通っていた頃、

2学期になってエアコンのない教室で過ごすのは身体が慣れないと辛いだろうとか、

自然療法的には夏は汗をかく方が健康的という発想のもと、

34℃に室温が上がるまでエアコンなしで頑張っていました。

そうすると不思議なもので、本当に「暑くて耐えられない!」と

温度計を見ると、ピッタリ34℃。

人間のセンサーはなかなか優秀だと思ったものです。



 

 

しかし、もうやめました。

ヤセ我慢ができる歳ではない。

それにその頃はそれほど音楽活動をしていた訳でもなく、

夏は夕方に少し練習する程度でした。

今はそうはいかない。

窓を開けて弾いたら近所迷惑!




 

 

家に居る日の朝はストンと被るノースリーブのワンピースで

汗をかきながら1030頃まで家仕事をしシャワーを浴びてから、

エアコンを入れて一日27℃設定の室内で過ごしています。

でも、一軒家の2階の暑いこと暑いこと!

昨日も1830でも344℃ありました。

洗濯ものは2階の屋根付きベランダに干す我が家ですが、

日が落ちる頃まで2階には行きたくない。







このところ、家の各所に温湿度計を置いて、

ここは何度なのか?を確認するのが好きな私。

湿度温度の組み合わせでどう感じるのか?数字を見て確かめたい気分なのです。

つまり、こんなに暑いから辛くても仕方ない、、、と自分を納得させたい。

私が弱くなっただけではない!と、思いたい。

ただいま、室温274℃、湿度50%。楽器にもOK です。

しかし、外の仕事の方、被災地の方はどうしていらっしゃるのだろう、、、と

心配になります。

自然は過酷ですね。



 

 

さてそれでは、今年のこの酷暑をどう乗り切ろうか、、、といろいろ考えています。

以前のやせ我慢の時代は、暑いから冷たいものをたくさん飲みたくなる。

そうすると、夏の終わりには胃腸が弱って夏バテになる、、を繰り返していました。

今は動けば汗が出るけれどもそこそこ涼しい室内に居るので、

飲み物も温かいものか常温にする。

お風呂上りだけは、冷蔵庫で冷えている無糖の炭酸水でスッキリしていますが。




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今年試しているのは、酢を使った料理。

友人から教えてもらった2冊の本で実験中です。

酢は疲労回復にいいと昔から言われていますけれど、

もともと酢の物はあまり好まない性質で、すし酢は減っても酢はあまり使わなかった。

ところがこのところ、凄いペースで酢を消費しています。



 

 

トマト酢、たまねぎ酢、キャベツ酢、しょうが酢、にんにく酢、バナナ酢、、、。

バナナ酢(炭酸と割ると美味しい飲み物に)以外は料理に使っていますが、

どれも簡単に漬け込みが終ります。

ただ、刻む時間等料理の下ごしらえの時間は増えましたが、

家族の健康に役立つなら喜んで!の気持ちです。



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~酢づくしのお昼ごはん。 鯖缶とトマト酢のカレー。バナナ酢とヨーグルト。サラダも酢を使ったもの。さすがにちょっと多すぎ、、。~





特に、うちの娘も喜んで食べてくれるので作り甲斐がある。

夫は時々むせていますが(ちょっと量が多かったら)、

基本「美味しい」と言ってくれるので、レシピいろいろ実験中です!

さて、息子はどう言うかな?

若い男子は酢なんて好まないでしょうから。

夏は帰って来ないと言っていた息子も、結局はお盆休みに帰って来てくれるそうで、

それまでにちょうどいいレシピを完成させねば!と思っているところ。

うちの息子、味にうるさい。。遠慮ないコメントが来ます。





 

 

私もかれこれ主婦歴も長いので、

料理本を見たらどんな味になるかはすぐに想像できる。

しかしこの本の料理は、全く予測がつかない。

出来上がるまで、どんな味かな、、?とこわごわ気分です。

それも楽しい♪

脳は新しいことを好みます。

新しい味は、それだけで脳の刺激になる。

暑さに疲れた脳にも新鮮な風が吹いています♪

 


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お酢の効能は、

・酢の主成分に脂肪の合成を抑え、分解を促進する力があるそうで、

内臓脂肪の減少が期待される。

 

・血圧上昇にかかわるホルモン調節機構をおだやかに抑制する働きがあるので、

高血圧の解消に役立つ。

 

・食事と一緒に摂ると、食後血糖値の上昇を抑え、

血管を健やかにして糖尿病の予防に貢献。

 

・抗酸化力があり、がんの予防(特に大腸)も期待大。

 

・食欲増進効果があり、糖分と一緒にお酢を摂ると、

グリコーゲンの補充がスムーズになり、疲労回復のスピードが上がると言われる。




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~冷やし中華も、トマト酢、玉ねぎ酢を乗せて、すりごまもかける。麺は3人で二人分の量。~




なんだか良いことづくめに思います。

そういえば、ここ数年夏になると唇が荒れていたのが、今年はない。

お酢のせい?

目に見える症状としては唇のがさがさだけでしたが、

自分の感覚としては体内に炎症があるのでは?という気がしていました。

一歩健康に近づいたかな?(と、思いたい)




 

にんにく酢以外は、どれも酢1カップに対してはちみつ大さじ1を加えたものに漬け込むだけ。

にんにくだけは、電子レンジで2分加熱し粗熱をとってから皮をむいて刻みますが、

基本切って漬けるだけで冷蔵保存です。

玉ねぎは塩でしんなりさせるとか、保存期間も素材によってまちまちですから、

興味のある方は

「お酢のちから 最新版」 TATSUMI MOOK ¥490 をご覧ください。





 

タルタルソースも酢玉ねぎを使った方が美味しかったし、

日頃作る料理にもどれを使えるか?試行錯誤するのが楽しい♪

今晩は何作ろうかな?





  昨晩のメニューから。




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~モロヘイヤスープにはさすがに酢は入れていない。エノキ、長ネギのみじん切りに卵も入れて、最後に刻んだモロヘイヤ、そしてごま油。味付けは鶏がらスープベースに塩コショウ。そういえば、にんにく酢は入れたのでした。~

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~鶏肉と大豆をトマト酢、玉ねぎ酢で煮込む。にんにく酢、しょうが酢も入れて。もちろん、酢の水分は入れずに固形成分のみ~

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