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2018年7月

2018年7月26日 (木)

最強のデュオを聴いて




回のブログ「欲張りな旅♪」の続き。




 

念願かなってようやく、最強のデュオを聴けました!

長明康郎氏のチェロと田尻洋一氏のピアノによるグランドデュオ。




 

721日(土)芦屋のクラシカ、

22日(日)は明石のJ&B Classical Music Cafeにて。

関西在住の田尻氏の地元。

最後のR,シュトラウスソナタ以外は、完全別プログラム。



Dsc_0881

 

1日目は、素晴らしいスタインウェイのフルコンがある大きな空間の会員制サロン。

田尻さんの演奏は年に6回、我が家から車で20分の柏アミュゼでも行われているので、

私も時々伺っていますが、

今回はコンディションの良いピアノで、ようやく田尻氏の本当の音を体験して参りました。





 

1曲目のバッハ:アリア「羊は安らかに草を食む」から、

何と美しいこと美しいこと。

美しい音はすんなり心と身体に染みわたり、それだけで幸せになれます。

音が良いとは素材が良いということで、他の何かには匹敵できない一番の武器。

リラックスさせてくれる端正で美しい音を聴いていると、

疲れがどこかに行ってしまうような気がします。

いつまでも聴いていたい音です。






 

田尻氏は、ベートーヴェン、モーツアルト、シューベルト、ショパン、シューマン、ブラームスのピアノ作品全曲演奏を成し遂げている偉業の持ち主。

その圧倒的なレパートリーと驚異的な暗譜力は驚くばかり。

すでに存在しているクラシックの譜面はもう弾き終えたからなのか、

ただ今オーケストラ作品やピアノコンチェルトをご自分のアレンジで、

一人で演奏するという試みを続けていらっしゃいます。

これがまた素晴らしくて、ベートーヴェンの「運命」全曲の際には、

会場総立ちのブラボーだったとか!






 

もともとピアノはオーケストラを表現できる楽器。

10本の指で音を出すことができるのですから、多声部を弾くことは可能ですが、

よっぽどバランス感覚に優れていないと

ただうるさいだけになってしまう。

そこをどんなに音が多くとも、最も聴衆に届けたいラインを選んで弾き分け、

私たちに作品のエッセンスをわかりやすく届けてくれます。

稀有なピアニスト。

 

アミュゼ柏の秋の日程

10/2(火)

11/8(木)

12/12(水)


www.eonet.ne.jp/~y-tajiri/j-schedule.htm

 

田尻氏の演奏会については、

私も 201710月のブログ「唯一無二の」 に詳しく感想を書いています。




2018

 

 

対して長明氏のチェロは熱い音。

現在、東京シティフィルの首席奏者。

もちろん、最上に美しい。

長明氏の高校卒業演奏会でコダーイの無伴奏チェロソナタを聴いて以来の、

私は長い長いファン。




 

あの日、舞台はオレンジ色に染まり(私にはそう見えた!)、

彼の学年は多くのコンサートマスター等を輩出した超優秀な学年にもかかわらず、

他の人の演奏はまったく記憶にない。

それほど圧倒されました。

なぜ私にはオレンジ色に見えたのか?長い間考えていましたが、

あるチラシで長明氏のことを「炎のチェリスト」と形容してあるのを目にして

納得でした!





 

桐朋卒業後、九州交響楽団にソロ首席として来てくださり、

幸運にも私はしばし同僚になれ、

同じオーケストラで演奏を共にできる幸せな日々を送り、

その後も長いご縁が続いています。

 




長明氏の美しく熱い音は、一度聴いたら忘れられません。

ハートの中心をつかまれるような音で、私だけでなく熱烈なファンが多い。

二日間同じく通った音大出身という美しい女性が、熱い視線を送っていました。

彼女いわく、「長明先生の音を聴いたら、他はもう物足りなくて、、、」と。

うんうん、そうよね~。 仲間だわ♪

聴く人を虜にする音の持ち主です。

以前一度聴いた夫も「あのチェロには、最初の1音で聴衆の心をつかむ力がある!」と

絶賛していました。




 

ただ音が美しいという次元だけではもちろんなく、

熱い流れが渦を巻いて聴衆を巻き込みます。

時には炎のように、時には大きな波のように、

他にはない大きなエネルギーを体験させてくれます。

その音楽の前には私の思考は止まってしまう。

それほど他とは比べ物にならないスケールの大きさ。

 

2018_2




1日目の前半は、シューベルトのアルペジオーネや、マラン・マレーのラ・フォリアなど

チェロの超ハイポジションを駆使した曲が並び、

卓越した華麗な技術も披露してくださいました。 ブラボー!

2日目の前半はバッハとブラームスの渋い作品ながらも、

こんなに生き生きと語りかけてくるなんて!と驚きを持って聞いていました。

R,シュトラウスのソナタは、「こんなにダイナミックな曲だった?」と思うほど。

どれもスケールが桁違い!




 

演奏会を聴くというのは、私にとっては勉強。

楽しみのためにではないのです。

が、お二人の音を聴くとすぐに心を摑まれ、

ただただ目の前の音楽に浸るという体験を持ちました。

 




でもたまに我に返って、会場をチラッと見回すと、

曲と共に揺れ、熱い個所では前のめりに引き寄せられる皆さんの様子も伺い、

何て一体感のあるコンサートを創り出すのだろう!と驚いていました。

 




特に謎に思ったのが、二日目のこと。

ここの会場もスタインウェイが置いてありながらも、

調律のコンディションのよくない楽器。

一般のお宅で梅雨明けで、、、ということもあるのでしょうが、

私だったらあの調律のピアノとは弾けない。

混乱してしまう。

なのにお二人は全くそれに影響されず、

自分たちの演奏を繰り広げられた!





 

揺るぎない集中力。

頭の中に確固たる自分の音楽があるから。

外の何にも邪魔されない自分を信じるものの強さ、

今まで歩んで来られた道のりから来る強さ、みたいなものを感じました。

私にはできないことだから、想像の範囲ですけれど、、、。





 

どんな場所でも最善を尽くす姿とその音に感動し、

プロ中のプロはこんな演奏をしてくださるのか!と

目の前で聴かせてくださった演奏にただただ感嘆と感謝の思いで帰りの途につきました。



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普通だったらあれこれ考えるのですが、

何しろあまり考えずに聴いてしまったので、言葉が出て来ません。。

最強のデュオをもし一言で表現するとしたら、

大地と空の田尻氏と、炎と大波の長明氏 というのが、私が感じたもの。

お二人は全く違ったタイプでありながら、

違うものが組み合わさるからこそ生まれるダイナミックさを持っているデュオ。

関東でも聴けないかしら~?




 

でもね、長明氏は127日(金)「ナチュロアロマチカ20周年記念イベント」で、

守谷に来てくださるのですよ!

 




実は私もピアノトリオでご一緒させていただきます♪

なんて幸運!

この日は、ナチュロアロマチカ大木いずみ先生の講演の後、

1時間のコンサート。

この中で長明氏のソロも3曲。

その後フレンチフルコースと続きます。

アジュールもりやの素晴らしい空間でのコンサートです。

守谷で長明氏の演奏が聴けるチャンス。

ぜひお越しくださいね!


 

ナチュロアロマチカhttps://naturo-aromatica.blog.so-net.ne.jp/





2018年7月24日 (火)

欲張りな旅♪





いや~暑い暑い!!

昨晩、お風呂に入ろうと2階に上がったところ(我が家のお風呂は2階です)、

21時でもまだ35.5度もありました!!

家は壁の中に熱い空気がたまっていて魔法ビン状態で、

なかなか冷えません。

気象庁がこの暑さを「災害」と言っています。

ホントに、、、。ゲッソリです。(*_*;

うちのピピも朝は、口を開けてハアハアしている。

小鳥は38度の体温で、羽毛も纏っているから余計に暑いのでしょう。

見かねて早めにエアコンのスイッチをオン。

その後気持ちよさそうにお昼寝です。



 

 

今日は徒然なるままに、、、の気楽なブログ。

この暑さの中週末、ここよりももっと暑い関西に出かけて来ました。

目的は、息子の骨折見舞、叔父夫婦に息子を引き合わせること、

そしてコンサート。

62日にバドミントンのスマッシュで腕を螺旋骨折をし

(つまり自分で折ってしまった~~!)

とても痛い思いをした息子は、その後地震、水害と災難続き。

彼の住まいの辺りも避難指示が出て、電車は止まり一時は陸の孤島だったそうで、

この1か月半にいろんなことがありました。

大変だったね。。



 

 

夏は帰って来ないとか言っていたので、それなら私が行く!と決めていた日程。

いつもなら梅雨明けの頃でまだ暑さも何とか、、のつもりが、

なんだこれは!!の猛暑。

覚悟の上出かけましたが、

新幹線やホテルなどどこもエアコンがよく効いていて、

ちょっと外に出てモワっと熱いと思っても身体の芯が冷えているせいか、

家にいる時よりも汗をかかず、

熱中症の心配は全くなく過ごせてほっとしました。

むしろ警戒して余計に飲んでいたせいか、やたらトイレが近くて、、、。

用心しすぎた?

でも用心に用心を重ねた方がいいでしょう。

こんな暑さは初めてのこと。

心配性の私はお留守番の家族のことも気になりながら、いろいろ指令を飛ばし、

でもこういう時こそ娘は意外に大丈夫で、一人旅を楽しんで来ました。




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息子が叔父夫婦に会うのは本当に久しぶりだそうで、

もしかしたら赤ちゃんの時以来?と言われ、

本当にそうだった??そんなに会ってない?

一応子供たちも大人になると、学校行事等もなくなり少し気持ちに余裕ができ、

今までなかなか会えなかった人に会いたくなる時期に来ています。

人生のいろんな時期にそれぞれのステージがあって、今は次に進んだ感じがする。

子供が学生までは、家族は子育てというある程度決まったレールの上を

走っている気がするけれど、

今は自分で自在に残りの人生の選択をしていく時期に来た。

そんな感覚が随所で芽生えています。



 

 

今までの自分とは違うことをやり、

こういう時の私はいつもはこう動くと自動選択して来たことを、疑ってみる。

そうすると、新しい出会いや再会が待っていて楽しい。

ついいい人に傾きがちな自分を、ちょっと待て!と首をつかむ。

いい人であろうとして失ってきたことが多くない?

期待に応えようと勝手に頑張って疲れたこと多くない?

この歳になると、「残りの人生」という言葉がどこか実感を持って来る。

平均寿命を考えると、残りはまだまだたくさんあるはずだけれど、、、。





 

私の一番の使命は娘のお世話、命を守ること。

そして家族の健康と幸せのために家庭を整える。

誰も代われない仕事だから。

そしてそれを頑張れるように音楽を、勉強を思いっきりやる。

遠慮も我慢ももうしない。

以前はやりたいことより圧倒的に、やるべきことに押しつぶされていたけれど、

今は役割よりもより自分を生きたい。

そんなことを、新幹線の中で考えていました。



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~新大阪の駅で見てびっくりしたピンクの電車。

調べてみたら「ハローキティ新幹線」という名の博多まで行く新しい車両~





息子とお昼ご飯で集合し、お土産を渡す。

持ってきたのは、暑さ対策のクーリングタオルと本、そしてハンカチなど。

芦屋の駅から歩いてすぐの会員制コンサート「クラシカ」で、叔母と待ち合わせ。

芦屋ってさすが高級住宅街なだけあって、外車だらけ!

ゆったりした空間でお茶を飲みながら、コンサートを楽しむ。

その後、叔父も合流して一緒に西宮で夕食。

息子の知らない昔話に花が咲き、彼も一応面白がって聞いていてくれたかな?

私ももちろん優しく気さくな叔父夫婦とゆっくり話ができるのは

とても楽しかったけれど、

関西唯一の親戚である叔父たちに、

どうぞうちの息子を何かの時はよろしくお願いしますm(__)mの気持ちでした。

ちょっとホッとした感じ。





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ホテルは息子の寮があるゆりのき台に取っていたので、

1時間半かけて移動。

夜二人で出かけることも日頃はなかったものだから、

生暖かい夜の空気を歩くのは、どこか夏祭りの気分がした。

すぐ駅前のホテルなのでそこで分かれて、翌朝の朝食でまた集合。




 

10時くらいにチェックインして、後はお風呂に入って寝るだけ。

何もしなくていいのよね~の贅沢♪

2330にはベッドに入ったけれど、5時には目が覚めてしまい、

まだまだ本番の余韻が続いているのでした。

ここ4日くらいはずっと、身体が勝手に早起き。




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~ウッディータウン中央駅前 三田ホテル6階からの眺め~






カーテンを開けてみると思わぬ見晴らしのよさに、感激!

バルコニーもあり、まるでリゾートに来たみたいな気分♪

思わず写真を撮りまくりました(^^

広々とした景色は、何よりの喜びになる。

目の前に何も遮るものがない景色は、心と体を大きく拡げてくれる。

何でもないけれど見飽きない景色にすっかりご機嫌になり(もちろん昨日からも♪)

いや~♪ここを取って良かった!と思った。

スタンダードシングルで予約していたのに、

最上階の6階中央のスーペリアの部屋に当たった幸運。

何だかわからないけれど、ありがとう~!の気分でした。

 

 


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息子と830集合で1時間かけてゆっくり朝食。

週末は食事が出ない寮なので、日ごろは自炊しているそうだけれど、

装具を付けて不便だろうと思いホテルバイキングに誘ったら来てくれた。

嬉しい♪また会えた♪(困った母ですね。。)

そして記念撮影して分かれて、私もゆっくり出発。

 





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明石までまた1時間半かけて移動しながら、車外の景色を楽しむ。

めったに来れない関西は、関東と違って山が近いのが新鮮に感じる。

そう、電車の窓からは必ず山が見える。

それだけで、自分の日常とは違う場所にいる実感が湧いてくる。




 

 

明石の駅についてまだ少し時間があったから、

夫と娘に何かお土産がないかとうろうろする。

ありました!「ことりParty」なる看板!

小鳥グッズがいろいろあって♪、

娘に靴下、ハンカチ、キーホルダーなど日常で使えるものを選ぶ。

男性へのプレゼントってなかなか探せない。難しいよね。

結局お菓子かなあ~?ということで、

そろそろタクシーで2つ目のコンサートの会場で。




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その日は山手の住宅街の中にあるカフェと個人のお宅でのコンサート。

終ってから演奏者を囲んでのパーティーもあるということで、

お料理の準備も着々と進んでいる中、お隣の席になった方と話に花が咲く。

コンサートの模様は、また後日。




2018年7月20日 (金)

前半終了!



本日、第131回つくば朝のサロンコンサート、終わりました。

テレビで「命の危険のある暑さ!」「不要不急の外出は控えて!」とアナウンスされる暑さの中、果たしてお客様は来られるのだろうか?と危ぶんでいましたが、

思った以上にたくさんの方にご来場いただき、感謝感謝でしたm(__)m

皆さまの音楽を愛する気持ち、朝コンを応援してくださる気持ちを改めて有難く思いました。





Dsc_2018

 

~いただいたお花と、今日会場で飾ったブラームスの写真。

ちょうど「雨の歌」を書いた頃の46歳。麗しいブラームスです♪~



 

 

今日は乱暴なタイトルですが、明日からの週末関西に出かけるので、

旅行の準備、家の片付けで余裕がなく、とりあえずのご報告を!というところです。

本当はこんなタイトルを付けるにはあまりに温かい作品なので似つかわしくないのですが、、。





 

「音の万華鏡」とのネーミングがまさにぴったりだった、今日の朝コン。

一つのコンサートで二粒美味しい♪のプログラムだったのではないかと思います。

ニーノ・ロータ、面白い曲でした!

しっとりしたブラームスからがらっと気分が変わり、

クラリネットの軽やかな音とチェロの低音、

そしてそれを支える明快なピアノを私も客席で楽しみました。

 




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~朝コンのプログラムとフルート末吉千枝子さん作の「おまけ」~

 




Dsc_2020

 

~中を開けると手書きで情報がいっぱい詰まっています!~



 

 

自分の方はどうだったかと言うと、

6月の本番後、迷っていた個所も自分なりの解を出し、

この作品はこれ!と言えるものを持って登場したつもりでした。




 

 

が、、、本番の朝のいつものように430に目覚め、

このまま起きてしまうと持たないと思い、

一応もう少し眠る努力をし、545起床。

余裕のはずが出かける前にバタバタしてしまい、

その気分を持ってGPをワサワサとやってしまい落ち着かない気分で本番を迎え、

細かいところの集中が足りなかった、、、と反省しているところです。

 

 

 

でも、素晴らしい共演者のピアノに今日も支えられ、

今の自分たちにとってのこの作品世界を生きることはできました。

そして、一生をかけて勉強する価値のある作品だということを改めて感じました。

しょっちゅう本番ができるわけでもなく、ましてやソナタを弾く機会は稀。

次にブラームスの「雨の歌」を弾く機会が訪れるのはいつだろう、、、と思ってしまいますが、必ずまた帰って来たいと思います。

今は大事な場所から去る寂しさが胸の中に拡がります。




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~新聞屋さんにもらった種の朝顔が咲きました。一番花~



 

 

明日は、息子のところに行ってきます。

6月の本番1週間前に右腕を骨折して、未だ装具を付けている彼。

関西は地震もあり、先日の豪雨では避難警報も出たという地域。

「夏休は旅行に行くから帰って来ないかも」と言っていたので、

顔を見に押しかけます。

子離れできていないのね。。

 

 

 

ただそれだけでなく、親戚とも会うことに。

貴重な関西在住の叔父夫婦。

法事でもない限り会う機会はありませんが、

こういう機会にちょっとゆっくり話をしてみたい。

従妹はヨーロッパで指揮者として活躍しています。

そしてもう一つ。

ずっと聴きたかったコンサートにも。

いくつも欲張ります♪





 

本番も終わり、梅雨明けの頃で暑さの本番前のはずで選んだ日程でしたが、

気候の予想は完全に外れてしまいました(*_*)

関西はこちらよりもずっと暑そうなので頑張らねば!

 

 

 

お留守番の家族のことも気になりますが、

いつも母に頼っているばかりでは困るので、

二人で何とか頑張ってもらいます!

高気圧に覆われてからはずっと発作無しで来た娘でしたが、

昨日から暑さのせいか発作が増えてちょっと心配ではありますが、

意外に私がいないときの方が何事もなかったりします。



 

明日は711のバス。

また5時起きです♪

おやすみなさい。




2018年7月15日 (日)

7/20「音の万華鏡」





例年なら20日あたりに梅雨明けのはずの関東地方。

ぎりぎり「雨の歌」のタイトルが似合うかな、、、と思っていたのに、

さっさとギラギラの太陽で肌もじりじりと痛いほど。

しとしと雨とは無縁の、豪雨の日本、、、。

しかし、心に染み入る雨のような穏やかなブラームスの作品をご用意して、

「第131回つくば朝のサロンコンサート」でお待ちしております。

 

 

 


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720日(金)1030開演の1時間のモーニングコンサート。

TXつくば駅から徒歩3分のつくば文化会館2階のアルスホールが会場です。

 

 

 

 

アルスホールが入っている建物は、ちょっと見えにくいかもしれませんが、

つくば駅のA1の出口を出て交番が角にある中央公園をつっきって、

緑の向こうにあります。

中央公園には池もあり、その向こうにはつくばエキスポセンターもあるという緑の立地。

吹き抜けが気持ちいい1階の図書館にちょっと立ち寄ってもいいし、

コンサート後には近くでつくばランチもいかがでしょうか?

 

 

 

 

4月から1階のカフェ・オハナさんと連携して、

コーヒー50円引きの特典がプログラムに付くようになりました。

単に50円お得になるだけでなく、お菓子も付いて来ます♪

4月に見た時は、バウムクーヘンが飲み物のお供にありました。

外から歩いて来られて、この暑さでは朝でも辛いかも、、、という時に

コンサート前にお茶を一杯♪は、きっとホッとできます。

ただ一つ注意が。

コーヒーは注文してから淹れてくれるので時間がかかります。

10時頃に来られるのが一番お勧めかも。

アイスでも大丈夫みたいなので、ぜひご利用くださいね。

もちろんコンサートが終わってからでもOKです。



 

 

そしてアルスホールはバリアフリー。

入り口は2か所ありますが、車いすでも公園口はそのまますんなり入れ、

反対側にはスロープがあります。

もちろんエレベーターもあり、トイレも心配なし。

ベビーカーで来られるお母さんも安心です。



 

 

 

20日のプログラムは、前半ブラームスのヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」。

先月のルナ・クラシカのコンサートでも演奏しましたが、

さらにバージョンアップして再登場です。

またあの慈愛に満ちた素晴らしい作品を演奏できるのがとても嬉しい。

その機会を与えていただける朝コンに感謝m(__)m

 

 

 

こんなソナタは他にないでしょう。

他のものは、夢を語り、葛藤を吐露し、愛を告げたとしても、

こんなに思いやりに満ちたソナタは見当たらないように思います。

私が知らないだけかもしれないけれど、、。

 

 

 

ブラームスは20年もかけて、ようやく念願の交響曲第1番を書き上げて安堵し、

ヴァイオリン協奏曲も親友のヴァイオリニスト ヨーゼフ・ヨアヒムの助言によって完成し、ヴァイオリンという楽器に精通したすぐ後の作品。

精神的にも技法としても余裕があったからこその

思いやりの表現ができたのかもしれない、、と想像しています。

 

 

 

誰に献呈するとは書かれていませんが、

もちろん心の中でクララ・シューマンに捧げられた作品としか考えられない。

14も歳の離れた二人の愛と友情は、残された手紙から十分に窺えますが、

この時ブラームスは充実の時を迎えていたのに対して、

年上のクララは人生の悲哀の時を過ごしていた。

クララの苦しみ哀しみを慰めようとするブラームス、

クララの心に寄り添いたいと願うブラームス、

音楽を仲立ちとする二人の心のやりとりが聴こえて来ます。

このソナタは私にとって、ブラームスからクララへの手紙。



Photo

 

 



3楽章が、この3年前にクララのお誕生日に贈った歌曲「雨の歌」「余韻」と

同じテーマを持つことから、第1番のヴァイオリンソナタも「雨の歌」と呼ばれています。

1楽章の出だしのモチーフはそこかしこに繰り返し現れ、全体の統一を図ります。

それだけでなく、第2楽章の第1テーマも、再び第3楽章に繰り返される。

繰り返しはよっぽど言いたいことがある証拠。

その第2楽章の最初の24小節は、クララへの慰めの手紙の裏に手書きされました。

二人にしかわからない言葉がもっと詰まっているのかも、、、と

音の意味を自分なりに感じ考えながら勉強を続けています。

 



 

 

親愛なるクララ、、、と優しくささやいて始まるようなヴァイオリンの出だし。

ピアノの左手オクターブが続くのは、ここは澄んだ湖のほとりであることを伝えます。

でも、これ以上はやめておきましょう。

私の勝手な想像です。

何が聴こえて来るかは、当日のお客様だけのお楽しみに♪

 

 

 

6月のコンサートで同じブラームスを聴いてくださった方からは

様々な感想をいただきました。

「心情的に哀しみを感じた」という方

「大きな慰めを得た、、、」という方、

「なんてロマンティックな♪」と感激された方

「ずっとあの旋律が頭の中を流れていて、、、」と余韻に浸っている方。

それぞれが、それぞれの歩いて来た人生の道のりに照らし合わせて、

あるいは今の心境に沿って、

このソナタの作品の世界を私たちの演奏と共に過ごしてくださいました。

 

 

 

もちろん日本人ですから、当の本人には「つまらなかった」とか「自分の思うところとは違う」とか、マイナスコメントが届くことはよっぽどでないとないことは承知しています。

全ての人から好かれる人はいないように、

演奏も皆から良かったと思われるなんてありえない。

みなさん自分の好がありますから。

もちろん演奏者の責任として、もっとクオリティを上げないと!

でも、何名からも「また聴きたい!」と言っていただいて、本当に有難く嬉しく思います。

 

 

 

 

音楽は、どうとらえようとも自由です。

誰かが声高に言っているのが聞こえると、

自分はそう感じなかったと思われた時に違和感を覚えて口ごもってしまいますが、

大きな声の意見なんか無視して、

もちろん演奏する私が言うことさえ気にせず、

ご自分が感じることが、聴く人の正解です。

感じるものは、他でもない自分のものだから。

 

 

 

 

弾く私ももちろん、「定番の雨の歌」の演奏にとらわれず、

他の誰かと同じではなく、

自分が感じることのみを音にしたいと願っています。

100人いたら、100通りの感じるものがあって、

それが万華鏡のように輝いているのがコンサートの空気。

聴く方も、自由に音の中で遊んでください!

 

 



S

 



今回のタイトルも「音の万華鏡」。

プログラムの後半はまさに万華鏡をくるくると回して別の景色を見るように、

イタリアのニーノ・ロータの作品が並びます。

楽器も、明るいクラリネットと低音のチェロとピアノで、

音質もガラッと変わります。

ブラームスもイタリアが大好きでしたし、彼がニーノ・ロータを聴いたら

なんと言っただろう?と想像します。


 

 

さて、当日来られる皆さまは、どんな万華鏡をご覧になるのでしょうか?

「朝コン」ならではの音の万華鏡をお楽しみいただけましたら幸いです。

 

 

 

当日券のみのコンサート。

一般¥1500

学生¥1000

4歳以上未就学児¥500

赤ちゃんもOKです。

他のお客様のご配慮の上お楽しみくださいね。

 

アルスホールで爽やかなひと時をぜひどうぞ♪




2018年7月13日 (金)

お見舞申し上げます





この1週間は東日本大震災以降最も、

日常生活の危うさを想って過ごした日々でした。

西日本豪雨被害に遭われた方に、心からお見舞申し上げます。







豪雨被害だけでなく、被災地の方はこの猛暑をどうやって凌いでいくのか、

今の気持ちは、、、

想像するだけでも気が滅入ります。

普通の生活ができているのに、何もできなくてごめんなさいの気持ちでいっぱいです。

とりあえず義援金だけは早速送りました。

今日テレビで、ふるさと納税でも直接募金ができると聞きました。

www.furusato-tax.jp/



 

 

我が家も、小貝川、鬼怒川、利根川に囲まれた地形で、全く他人ごとではないのです。

夫と対策を相談しています。

もしここに線状降雨帯の大雨が降って命が助かったとしても、

うちの娘は避難所で生きて行けるかどうかわからない。

特に寒い暑いは、致命的です。

今被災している方にも、うちの娘と同じような、

うちの娘以上に大変な方がたくさんいらっしゃるはず。

ニュースを見る度に気が滅入ります。

夜寝る前に被災地のニュースを見てしまうと、なかなか寝付けない。





 

今週話しをした生協の配達員さん、郵便局で働いている友人、、、

一人残らず深刻に受け止めていました。

誰一人他人ごととは思っていない。

エアコンを入れた部屋で過ごしている時、

体育館で過ごしている人はどうしているのか?を想う、、、。

そして、この週末ボランティアで被災地に入られる方の健康も祈ります。






 

2年前9月の北関東豪雨災害の時、常総市は隣町なので夫と息子は泥の掻き出しに、

私は物資の仕分けに参加してきました。

夫はTVを観て、常総の時の比ではないと絶句しています。

物資を送る時は、ぜひ新品か使用したものでもきれいなものだけにして欲しい。

古いシミのある布団は不衛生で、仕分けの時に処分するしかありません。

衣類も同じくです。

汚いもの古いものまで送られると、仕分け所の中に運ぶ作業、捨てる作業と

無駄な仕事ができてしまう。

そこはぜひ覚えていたいものです。

相手が何を必要としているか?何なら喜ぶのかを想像する。

ボランティアが集まる被災地は、状況は悲惨でも、

人の気持ちの善意があることで双方が救われます。

爽やかな空気が流れます。




S

 

 


ぜひ近くの方は、ほんの少しのお手伝いでもできると、

自分の時に何か信じられるものをいただけると思います。

無関心であったら、自分が被災した時には

きっと誰も来ないだろうと思ってしまいそう。

情けは人のためにあらず、、は本当です。




しかし、せめて暑さがなんとかなって欲しい!!!







 

我が家はもし停電でもなったら暑さの中体温調節ができない娘は大変と思い、

水に浸して振ると涼しくなるタオルを用意しています。

お散歩用にもとっても良い。

4年前に3本買って1本なくし、今年新たにもう1本購入。

クールコアという商品。優れものです!

 

coolcore.jp/

 

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ここのところ、めまぐるしく日常が変化します。

6月初め、本番1週間前に息子が骨折。

私にとっての今年の自主企画コンサートが無事に終わって二日後に、

米朝初会談。

オリンピック前は戦争が始まってしまうのか、、と心配だったのが、

とりあえず今落ち着いている、、、。




 

その後高槻で震度5強の地震。

関西に住んでいる息子と叔父夫婦のことを心配しました。





 

その後サッカーワールドカップで、日本代表の頑張りに日本国中が元気をもらった。

そして広範囲な大水害。

福岡の私の実家は一時避難準備区域になったそうですし、

夫の田舎の久留米も一部浸水。

被災地に実家がある友人のことも心配でした。




 

被災された方が、少しでも早く落ち着けますように。

穏やかな日々がほんのわずかでも訪れますように。






2018年7月 7日 (土)

ラジオと映画の一日



木曜日、梅雨の戻りのお天気。

気温も湿度も高い気候は辛いけれど、身体と心の準備ができていないうちに来てしまった早い夏から、ちょっとほっとできる。

例年だと散々曇り空と雨が続いて、「梅雨明けです!」と天気予報が告げた日の青空が

何とも嬉しく思うのに、それがないまま先に季節が進むのは、

どうも身体が納得していない感じです。


 

 

 

なので、今日(木曜日)のこのお天気はむしろ大歓迎。

昨日は近所の小学校の乾いた校庭が強風で巻き上げられ、砂ぼこりが舞い上がっていた。庭の木々も街路樹も、久しぶりの雨を喜んでいることでしょう。

大気の状態が不安定なせいか、気圧には問題ないのにうちの娘はこのところ発作が多い。

仕方ないよね。。

良い日も悪い日もあるのは、自然の常。

いつも同じようにいくわけはない。その日その日で対応するしかない。

ということで、朝からブログなんて書いています。




Photo

 

 

 

~夫のカエル写真。早い梅雨明けの暑さで、カエルたちはどうしているかな~?と気になっていました~

 

 

 

火曜日、つくばラヂオ(FM84.2)で

720日の朝コンの宣伝をさせていただけるということで、

1130からの生収録に参加。

打ち合わせなしのアドリブで、朝コンから3名お邪魔して好きにしゃべって来ました♪

 

 

 

5月の朝コンノバスペシャルに来て朝コンに感動したと言ってくださる

つくばラヂオパーソナリティーの田中いづみさんが、熱い視線を送ってくださる。

朝コンというコミュニティに共感してくださっているのがとても伝わってくる彼女の司会に支えられて、気持ちよく会話が弾み15分の予定が24分に拡大しての生放送。




 

 

次の本番は720日(金)1030開演の「第131回つくば朝のサロンコンサート」です。

131回も続いているってすごいでしょ!

私は前半にブラームスのヴァイオリンソナタ第1番「雨の歌」を、

そして後半はニーノ・ロータのクラリネット、チェロ、ピアノのトリオと「ゴッド・ファーザー愛のテーマ」という異色の組み合わせ。

なので、タイトルは「音の万華鏡」。

 

 

ラジオでも話しましたが、ブラームスはイタリアが好きだった。

特にこの「雨の歌」を作曲したのは初めてのイタリア訪問の後。

寒くて暗い北ドイツに生まれたブラームスが、生涯イタリアに憧れたのはなるほどと思う。

もし生きていた時代が重なっていたら、大ブラームスもニーノ・ロータの音楽を評価したかもしれない、、、などど想像するのも楽しい。

ブラームスは渋い作曲家とのイメージだけれど、ヨハン・シュトラウスが大のお気に入りだったし。




Dsc_1995

 

 

と、ここまで書いたところで娘が発作後の眠りから覚めたので、

朝食を食べてもらい、施設に送って行く準備をし、市役所、銀行、郵便局、リフォームの受け取りなどの用事を済ませて家に戻る。

今日は午前中に落ち着いて練習するつもりだったのに、帰って来たのは1230過ぎ。

またまた予定変更の一日です。午後のスイミングはお休み。

 




 

今週火曜日の話の続き。

ラジオ収録の後、即学園西大通に面しているイオンに移動して、「フジコ・ヘミングの時間」を観に。

ラジオ収録の20分のためにだけつくばに出向くのももったいなく、

何か楽しい用事をくっつけたいと思う欲張りな私です。

それで、先日BSで観たフジコ・ヘミングの映画をやっているのを知り、

時間もちょっと遅刻するくらいで何とか間に合うので車を走らせた。

 

 

fuzjko-movie.com/

 

クラシックを専門にやっている人の中では、

実はフジコ・ヘミングの評価はあまり高くない。

「フジコ・ヘミング好き」とでも言うと、たいてい怪訝な顔をされる。

「あなた趣味悪いわね」とか「わかってないの?」みたいな目を向けられる。

特にピアニストからは。



 

 

実は私もしばらく聴いていないのだけれど、、、、。

たしかに、間違いが多いとか、テンポが極端に遅いとか、

アカデミックな世界からはちょっと遠いところにはいる。

みんなミスしないように神経を尖らせている。私だってそう。

大きく外すと穴があったら入りたい気分になる、、、。

あそこもここも、と自分のミスを数えていたら、弾けなくなるくらい皆気にしている。

が、彼女は開き直っている。

しかも一般のお客様にはミスがわからないこともあって、

それでも「素晴らしい」の声が聞こえてくると、

許せないような気持ちになるのもわかる。

彼女とそれを取り巻く世界は、専門家にとって感情的にとても難しい問題を孕んでいる。

というわけで、一回書いたものをもう一度書き直してup。

嫌われませんように~~。ドキドキ、、、(*_*;


 

 

 

彼女のテンポも含めて解釈は独特のものがある。

でも、その独特の世界を私は楽しむ。

皆自分が弾く曲は自分のイメージがしっかりあって、

「これしかない!」と思っていたりするものだから、

他人の演奏はなかなか楽しめないのです。

私もヴァイオリンの演奏はたいてい勉強の気持ちで聴いてる。

どんな指使いで弾いているのか、どんなボウイングを付けているのか、

そこからどんな音が出て来るのか、何を考えているのかを聴いている。

よっぽど心をつかまれる瞬間がない限り分析的に考えしまい、

最後まで冷静に聴いているだけで終わることが多い。

そういう意味ではつまらないものです。。お客さんになれない。

でもね、自分はそうは弾かないとは思ったとしても、

弾いている人へのリスペクトは忘れてはいけない。

勉強は難しい側面を持っている。

反して、弾いたことがない曲は新鮮に楽しめます♪

 

 

 

 

ピアノの曲になると、弾いた曲がそれほど多いわけでもないから、

音が汚くなければ素直に楽しめることが多い。

でも、フジコさんが弾いたドビュッシーの「月の光」(6月のコンサートでもアンコールで弾いた)は、私が思うところと全く違うのに心に沁み渡った。

 

 

 

Dsc_1982



~イオンの正面玄関前の植栽は凝っていて、小川を再現してあり、

ギターの音楽が聞こえてきたり、、と

記憶の中の真夏のバカンスを思い出させてくれた♪~


 

 

 

20年ほど前に最初のブレイクがあった際に、彼女のCDを買って聴いていたところ、

夜作業をしながらかけ流していたのに、耳が留まり手が留まり、聴き入ってしまった。

この人の音は、正しいとは何かを超えて心に響くものがある。

 



 

 

「どうだ!」みたいな押し付けが何もなく、

派手なパフォーマンスで人を圧倒することもなく、

ゆっくり目のテンポで進んでいく音楽は、たゆたう水のよう。

フジコ・ヘミングという音楽の海を漂っているリラックス感を楽しむ。

 

 



 

無理がない。

誰かに聞かせようとか何か作為的な思惑は全くない。

その時の想いのままに奏でている。

静かな足取りで。

彼女が一人で過ごした長い長い夜の積み重ねが聞こえてくる。

私も聴きながら自分の中に降りていく。

そこには一切の虚飾がない世界が拡がる。



 

 

 

誰のために弾いているか?ともし問われたら、

それは神様のためなのかもしれないと思う。

彼女はクリスチャンだし。

でもキリストの神様だけでなく、音楽の神様と対話し祈りを捧げている音楽。

そして、苦労多い人生を経てようやくつかんだ成功。

彼女の音には今までの人生で得たものそれを超越したものが詰まっていて、

そこに多くの人が自分を重ね合わせ共感しているんじゃないかと思う。

 

 

 

私も重い障害と重いてんかんを持つ娘を抱えているものだから、

人から相談を受けたり悩み事をぽろっと話してもらえることが度々ある。

このところも何人からも本人の病気や家族の心配や、

様々な人生の一端を聞かせてもらう機会が多く訪れた。

みんな自分の人生の宿題に一生懸命向き合っている。

フジコさんの音は、そんな私たちへのエールにもなっていると思う。


Dsc_1981

 

 

 

映画は彼女の演奏とインタビュー、そして下北沢、京都、パリ、ベルリンにある自宅について、章立てて進められていく。

演奏と語られる言葉はもちろんのこと、彼女の住まいがフジコ・ヘミングを語るのに驚く。

フジコ・ヘミングという生き方、スタイルがそこにあるのを見る。

 

 

 

個性的で素敵な室内を映像で見ていると、

ふと演奏もショパンやリストやドビュッシーを弾いているのではなく、

フジコ・ヘミングを奏でているのだと気づく。

 



 

彼女はマネージャーも付けず、自分でファックスと手紙を通してやりとりして

演奏活動を続けている。

独立している女性。

しかも最も自分が好きなことをしてという理想を生きていることに、聴衆は憧れを感じる。

80歳を超えるというのに世界各国を回り、年間60回ものステージをこなしている。

移動だけでも体力的に大変だと思うのに。




 

 

階段は手すりにつかまって一歩一歩上がり、

背中は曲がりピアノを弾かなかったら年老いた老婆でしかないのに、

独特の衣装に身を包みステージに上がりピアノの前に座ると、

太い指大きな手からは心に届く音が生まれ出る。

会場の人は音から伝わって来る、彼女が送ってきた人生と今の彼女に

共感の拍手を送る。

でもそれは、同じように頑張って生きている聴衆自分自身への励ましの拍手でもある。

 

 

 

月曜日の深読み会で、東京から参加しに来てくれた同級生が、

6月にホームコンサートで弾いたというプログラムの中から4曲ほど小品を聴かせてくれた。

「忘れかけているかも、、」といいつつも、

一音一音楽譜と自分に問いかけて作り上げた音楽はしっかり身体に残っていて、

目の前の人が届けてくれる豊かな世界を楽しませてもらった。

彼女も自分を音にできる人。とても素敵だと思う。

私もこんな風に、たとえホームコンサートでも

もっとしっかり楽譜と向き合う演奏準備をしなければ!

心から出るものは確実に伝わる。

今週聴いた二つの音からそんなものを改めて思った。



Dsc_1989

 

 

 

~火曜日の帰り道。近くの川を渡る前にシャッターを切る。

こののどかな眺めも、もし豪雨にでもなったら心配の種に変わってしまう。

息子が住む場所は警戒警報が鳴り、会社も午後は休みになったそう。。

近畿地方、九州地方の皆さまがご無事でありますように!




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2018年7月 1日 (日)

梅雨明けの週末




史上最高に早い梅雨明けを迎えた関東地方。

暖かい空気にも、肌を刺すような紫外線にも慣れない身体は、

対応に困惑しています。

夜中も暑くて目が覚めて、朝も日が昇って気温が上がるのが早いから

同じく早く目が醒める。

つまり睡眠が短い、、、。

もう夜早く寝るしかありませんね!





 

いつもならこれから本格的な梅雨に入る頃、、、

のつもりで入れていた今週末の予定。

土曜日は新日本フィルハーモニーの定期演奏会。(←こちらはお天気は関係ないけれど)

日曜日は家族でお出かけ。いつもの笠間に。

笠間では陶芸美術館の大きな庭を散歩するのが好きなうちの家族ですが、

とても歩く気にはなれず、美術館でマリメッコ展を観、

お気に入りのギャラリー門を歩き、お昼ご飯を食べて帰って来ました。

930には笠間に着いていたので、家に戻って来たのも1530

娘は高速に乗る時に手を叩いて喜んでいました。お出かけ好き。

でも、明日からの新しい1週間を前に娘の体調を整える必要があるので、

あまり疲れない程度のお出かけに留意する。

彼女はただいまお昼寝中。





Dsc_1961



 

まずは土曜日。

FBでつながった懐かしい大学時代の友人が

「うちの新日フィルにも来てね~♪」と誘ってくれていたので、

「もちろん♪」と定期演奏会を聴きに錦糸町のすみだトリフォニーへ。

 

Dsc_1907



料理好きな彼女がおススメのタイ&ベトナム料理のゲウチャイのランチは、

ホント美味しかった!

いつもなら写メ撮ったりするのに、久しぶりに会って話す方に夢中で、

料理もお互いの写真も撮らず、注文もしばし忘れておしゃべりに花が咲く。




料理が上手なことは投稿写真を見て知っていて、

彼女が焼くパンを一度食べてみたいと思っていたら、

リクエストに応えてくれて手土産に持参してくれた♪

うちに帰っていただいたら、とっても優しい味。

家族への愛情が伝わって来る美味しさをおすそ分けしてもらいました♪

ありがとうね!

 




FBのお互いの投稿は見ているので、超久しぶりに会ったにもかかわらず、

昨日の続きのような気分もどこかに抱きながら、

お互いの知らない今までのことを質問し合い、受け留める。

旧友に逢うのっていつもタイムスリップの感覚を味わえる。

大学時代の友人は変に気を遣わなくてよくて、なんだかとても楽♪

その後演奏会を一人で楽しみ、3回目の新日フィルを楽しんで来ました。

 



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1回目は20代の頃福岡で。

その時は結構な人数のエキストラも含めて後輩たちが来ていて、

レスピーギローマの3部作を聴いたのを覚えている。

2回目は坂東のベルフォーレで、通称「ベト7」(ベートーヴェンの7番のシンフォニー)を。

その時は、新日でヴァイオリンを弾いている先輩と一緒に守谷に移動してお茶をしたよね~。

 



そして今回土曜日の3回目は、

ベルグの「ルル組曲」「アルテンブルグ歌曲集」という無調と12音技法の前半と、

マーラーのシンフォニー4番の組み合わせ。

ベルグには馴染めない私ですが、最初はずいぶんとロマンチックな響きがして、

弱音気を付けた弦楽器の奏でる和声は灰色がかったマーブル模様の美しさがあったけれど、次第にかき混ぜられ現代音楽の響きになっていった。

 





後半のマーラーは、高校生の頃にはまった作曲家だったので、

若かりし頃の自分を思い出し旧友に逢うような気分に。

今の自分はマーラーとは無縁の生活と精神構造だと思うけれど、

マーラーは悩み深き、そして理想に燃える青春時代に合うのかもしれない、、、と思った。

それでも4番はまだ幸福感が溢れる時代の作品。

当時の私が一番好きだったのは、もっとも渋い「大地の歌」だったけれど。





 

新日フィルは一番友人が多いオケかもしれない。

東フィルには同級生が二人いる。

みんな卒業後からずっと頑張っていてすごい!えらい!!

20代の頃九響に在籍していた頃の私は、腰が痛いだの肩こりだのいろいろあった。

その後もし続けていたとしても、今も弾いていられたのか?疑問です。。

でも、もう一度ブラームスの1番のシンフォニーを弾いてみたいとか、

あの曲をもう一度と思う作品がたくさんある。

今の私には体力的にも生活リズムとしても無理だけれど、

作曲家渾身の作品が山のようにあるオーケストラ作品は、

弾いても聴いても充実の極み。

今は聴く方で楽しませていただこうと思う。





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本日日曜日は、久しぶりの家族でのお出かけ。

暑い夏が来ないうちに、、、のはずが、来ちゃったよ、もう夏が!になってしまった。(*_*;

そのせいか、陶芸美術館とその周りは人が少なく広々と見えました。

駐車場からちょっと歩くだけでも暑くて、

早速ソフトクリーム♪ 夏のお楽しみの定番よね。

いちごとのミックスは甘酸っぱくて爽やか。

 



マリメッコ展は今日まで。

2階の展示室はテキスタイルのみで、写真撮影OK

スマホのシャッター音があちこちで聞こえ、

私もあれこれ収めて大満足。

夫は「一年分のスマホの壁紙ができた」と嬉しそう。



 

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どれもシンプルな確信のある絵柄とタッチで力強い。

デザイナーは皆若い人ばかり。

私の説明や感想など何も要らない。

作品のストレートなメッセージをどうぞご覧ください。




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~私はショップでマリメッコのペーパーナフキンを買いました♪~

 






ギャラリー門にはこんなに暑い時期に来たことがなく、

そのせいかやはりお客さんは私たちだけ。

いつもつい何か器を買いたくなるけれど、

今日は小さなガラスのカエルと金魚をそれぞれ2匹、

そしてその子たちを乗せるガラスのお皿を選んで、

あまりお金を使わずに済んでセーフ!の気分です♪

ドールハウスを作っていた母の影響で、小さなきれいなものが好き。

そしてそれを飾るのも好き。




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さあ明日は楽譜の深読み会。

車の中にも楽譜を持ち込んで勉強していたけれど、

夜はもう一度腰を落ち着けて勉強せねば。

その前にちょっと弾いて来よう♪




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