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2017年10月

2017年10月29日 (日)

リハビリ終了!

 

今週末もまた台風騒ぎですね。。

今現在もう静かになりましたが、

こういう雨の日は家に居るのが落ち着きます。

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~先週の台風の後に落ちていた常緑ヤマボウシの実。

かわいいので家に飾りたい。

うちには常緑と落葉の二つのヤマボウシがあり、目に優しい木陰を作ってくれます~

 

 

今週の私個人のニュースは、

昨年6月から毎週通っていた病院でのリハビリ、ようやく終了しました。

なんのリハビリって、左肩。

肩関節周囲炎、いわゆる五十肩っていうヤツです (^^;

 

もともと子供の頃からすごく身体が硬い私。

娘の療育に専念していた期間はヴァイオリンをお休みしていたので、

加齢以上に弾く身体の筋肉は落ち、ますます硬くなり、、、。

10年ほどまえに久~しぶりに「G線上のアリア」を練習していたら

しびれを感じるほどに左肩が痛くなったことがあったのです。

2年間全く楽器に触らなかった後のことなので、仕方ない。

 

 

その時は、何もしなくても痛くて痛くて、、、

2週間ヴァイオリンは弾かず、近くの整骨院に通って治しましたが、

どうも完治はしていなかった。

 

 

その後もG線のハイポジションがあると痛い、

ちょっと技術的に難しいものがある曲を練習すると身体が痛い、

などが続き、

去年の5月末の本番が終った時点では、

10分しか続けて練習できないところまで悪化していました。

手が上がらない!!

「もうこれはだめ!」とネットでどうしたらいいのか調べました。

鍼で身体の血の巡りをよくしつつ、病院リハビリに通った方がいいとの情報を得て、

その通り実行。

こういう時の私は真面目にそのままやる人です。

 

 

 

鍼治療に行った初回も、終わったら「こんなにガチガチだったのか?」と

びっくりするほど治療の前後で身体の感じが違いました。

血が巡るって気持ち良い~!

身体がホッとしました(^-^)

 

病院での理学療法士の先生による地道なリハビリも、

少しずつ少しずつ薄皮をはいでいくように進み、

2か月前から「そろそろ終わりにしても~、、、」と提案されていましたけれど

「いや、もっと良くなりたいし、卒業はこわい(また悪くなるかも?の不安)。

先生もう少し!」

とお願いして延長につぐ延長。

しかしとうとう、この金曜日で終わりになりました。

 

 

リハビリと言っても、ベッドに横になって先生の手技を受けているだけ。

ただし時々、グイグイ伸ばされる痛みに耐えながら、、、。

どこがどうなっているのか尋ねて、

家での宿題(どんな運動をするか)を聞いて帰り実行することの二つで

回復の道を歩みました。

 

 

身体って、使いすぎても、使わなくてもダメなんだそうですよ。

五十肩の場合は、使わないから固まっているということらしい。

右利きであれば、日常生活は右手側ばかり使いますし、

ヴァイオリンも右腕はまだ動かしているけれど

左は弦の移動以外それほど大きな動きはない。

他のヴァイオリン弾きの方の左の五十肩は聞いたことがあるけれど、

右は聞かない。

私の場合長年弾いていなかったうちに固まり、

ほぐさないうちにもっと悪くなったということで懲りたので、

これからは教えてもらったことを家で続けて、

二度と再発しないように!と願っているところです。

 

 

うちの母が最近「五十肩がまた、、」とか言ってる。

八十肩でしょ?とツッコミたいところですが、50歳以上はすべて五十肩らしいです。

このことだけは、みんなこの年で止まるのね(^^

 

 

 

リハビリでお世話になったさやか先生は、まだ20代の終わりの若い方でしたが、

毎週いろんな話を同世代気分で話せて楽しい時間でもありました。

鍼の恵美先生は私より年上の女性ですが、

アルトの落ち着いた心地よい声と洞察力の深いお話しも楽しく、

もっぱら肩リハビリでご縁をいただいたお二人は、

私の良い話し相手も務めてくださいました。

 

 

リハビリ終了で週に2時間分の時間が空いて嬉しいけれど、

1年と5か月も通っていると、なくなるのはちょっと寂しい気分もあります。

変化って、嬉しいことと少しの寂しさも伴うのね、、。

リハビリは終っても、鍼治療は月1くらい定期的な体のメンテナンスのため通います。

身体を任せる方とは、心も開いて話をする。

心身の主治医がいるかのように。

良いご縁に感謝です(^-^)

 

 

雨の日曜日、今日のお昼ごはんは柚子ごしょう味の焼きそば。

先日キャベツを買った日にキャベツをまた1玉いただき、

キャベツを消費するならこれ!ということで決まりです。

焼きそばも車の点検に行った際にくじ引きで当たり、

デザートのカステラは田舎の母が送って来てくれたもの。

いただきもので美味しい、いつもの週末お昼ごはん。

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ちなみに、今日は焼きそば2玉に対してキャベツ半玉を3人で。

ほとんどキャベツばかり。

ニンニクも入れたので、抗がん作用、免疫up力もばっちりです!

 

 

免疫を高める食品の上位5位は、

1位 ニンニク、以下 玉ねぎ、しょうが、、キャベツ、玄米と続きます。

抗がん作用が高いものも、

1位はやはりニンニク、次にキャベツ、大豆、しょうが、ニンジン、セロリ、玉ねぎ、玄米、、、。 (アメリカ国立がん研究所)

どれも家庭には常備されており、我が家でも常食する野菜たち。

身体を守ってくれてありがとうの野菜です。

 

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この焼きそば、近くのスーパーでは見かけません。

長崎県大村市にある狩野ジャパンというメーカー。

ちゃんぽん麺とカステラの長崎ハーモニー♪

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デザートの器は、以前母がお土産に買って来てくれた

ロイヤルコペンハーゲンの工場の裏で、二束三文で売られている三流品。

一つ300円くらいだそう。

カップの淵は歪んでいるし、お皿には気泡があるけれど、

全く問題なし!です。むしろ普段使いができて嬉しい。

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またまたピピ。

右手で写メを撮るのに、左手だけで抱っこ♪

今日は雨のせいで眠いのか、けっこう寝てました。

外の鳥は、木々の枝の中で休んでいるのが見えた。

明日の晴れが待ち遠しいね!

 

2017年10月21日 (土)

チャイコフスキー再考

 

木曜日オペラシティで、オール・チャイコフスキープログラムを聴いて来ました。

演奏はご贔屓の東京シティ・フィルと飯森範親氏によるもの。

いつもながら、チェロのまろやかで豊かな音に導かれた

弦楽器の誠実で熱い美しさを堪能しつつ、

久しぶりのオーケストラサウンドを楽しみました。

私にとって、「この音が聴きたい!」と思うオーケストラです。

 

 

 

プログラムは、

1曲目 「イタリア奇想曲」(1880年)

2曲目「ロココの主題による変奏曲」(1877年)

休憩をはさんで「交響曲第4番」(187778年)というもの。

チャイコフスキー53歳の生涯の中で実生活は激動の、

しかし「奇跡の年」と言われる時期の作品群。

ちなみに、麗しいヴァイオリン協奏曲も、

ヴァイオリン3曲の小品集「なつかしい土地の思い出」も、1878年作。

 

 

 

この頃チャイコフスキーは、愛していないのに結婚してしまい、

不幸な結婚生活から自殺未遂騒ぎを起こします。

その反面、フォン・メック夫人という資金面での後援者、

音楽の理解者を得た時期でもありました。

作曲家とは、音だけでなく文字でも自分を表現したい人種らしく、

多くの作曲家が膨大な手紙を残していて、チャイコフスキーもその一人です。

 

 

 

一人の作曲家だけの演奏会となると、その人にとことん付き合う気分になります。

特に同じ時期の作品ばかりを聞くと、

もう目の前にその人が現れるような感じさえしてくる。

結果、個々の演奏がどうの、、というよりも、

作品を通してチャイコフスキーについて考えることになってしまう、、、

私にとってそんな演奏会となりました。

 

 

 

先月、同じ時期に作曲された「白鳥の湖」(187576年)のグラン・アダージォを弾いたばかりでしたから、私にとってまだ彼は近くにいる人だったのです。

(もちろん勝手なこちらの思いです(^-^)

その時も、悪魔に呪いをかけられて白鳥に替えられた悲しい身の上話を

どの程度のニュアンスで語るか?オデットは清純な若い娘なので悩みました。

特に中間部の華やかな音階のパッセージ、ここは謎で最後まで宿題として残りました。

家に居れる日のお昼ごはんは、PCyoutubeで切れ切れにバレエ全体の流れを見て

自分なりにこの場面の意味を考え続けました。

 

 

 

 

オペラシティに向かう電車のお供も、亀山郁夫氏の「チャイコフスキーがなぜか好き」。

ロシア文学の専門家であり、

クラシック音楽をこよなく愛する亀山氏の書かれたこの本はとても面白くて、

もう一度飛ばし読みしながら再度自分の中に落とし込みました。

とことんチャイコフスキーの夜。

 

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亀山氏は数年前に新翻訳のドストエフスキーシリーズが話題になっていて、

とても気になっていた方。

大学2年の時に朝までやめられなくて、泣きながら読んだ

「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」「白痴」。

今の私がこれを読んでどう思うのか知りたいのですが

小説を読むとその世界にどっぷり入り込んでしまってキケンなので、

今は封印物。

老後の楽しみにとってあります。

(今はできないけれど老後の楽しみに、、と思っていることがたくさん♪)

 

 

 

亀山さんの本を読んでみると共感を抱く記述が多く、

電車の中で心はチャイコフスキーに会う準備万端。

私のチャイコフスキー愛は、初めての生コンサート、生オケ体験が、

ボリショイバレエの「白鳥の湖」だから?

子供の頃、チャイコフスキーの三大バレエの音楽が好きで、

毎日レコードをかけて踊って遊んでいたから?

とても優しく繊細で、弱い者を大事にし、泣きながら登場人物に感情移入してオペラを書いたという逸話、結果心にぐっと来る濃密な感情表現の数々。

耳の中は、チャイコフスキーに育ててもらったような感じもどこかあります。

だから、この急な寒さの中「チャイコフスキーで温まろう♪」と思って出かけたのでした。

 

 

 

そして迎えたコンサート。

自分が予想していたのとは違う体験がありました。

知識があるのとないのとでは、聴き方がこんなにも違ってくるのか?と

自分の変化をとてもはっきり感じました。

少なくとも、20代の頃にこの3曲を弾いた頃は、

ただ弾くだけで何も知りませんでした。

知識は心の扉を開ける鍵の役目をしているのですね。

 

 

 

明るい「イタリア奇想曲」。

不幸な結婚生活から立ち直った時期の作品。

イタリアが大好きなチャイコフスキーの喜びが伝わってきます。

花売り娘が笑顔で登場したり、カーニバル?お祭りのような華やかさがあり、

タンバリンの鈴が高らかに鳴るところはどこまでも青い空を想像したり、、、。

けれども、何度か灰色の重いロシアの空と憂鬱な心を持つチャイコフスキーが現れる。

その対比が作品をダイナミックに作り上げる。

そして構築力のある演奏で、この日一番共感を持って楽しみました。

今の私は、ただ美しいとか、爽快感、熱演よりも、

説得力のある演奏を好むのだと再認識。

 

 

 

問題は、シンフォニーの4番。

ここまでチャイコフスキーのみを並べたプログラムだと、

彼の話を聞いているような錯覚を覚える。

 

 

 

わかりやすい短い小品は、

時には生活費稼ぎのために作られたとか(音楽家は霞を食べて生きているのではない!)、

その時の気分を現したちょっとしたエッセイのようなもの。

それに対して勝負をかける、ソナタ、交響曲は、作曲家自身が等身大で入っています。

その時の信条告白とでもいったらいいのでしょうか。

「これが今現在の私です」という気合が入った作品なので、

弾く方も小品よりも、ソナタ、交響曲の方が断然面白い。

そう思って目の前に据えて話を聞いてみて、

初めて彼の苦悩を実感してそれはそれは辛い気持ちになりました。

 

 

 

どんなに明るく見える部分も、どんなにはしゃいで騒いでも、

心の中には苦悩や闇が拡がっている。

二重構造がますます痛ましい。

突き抜けるような熱狂の爆発の第4楽章に至っても、

私は心に感じた痛みから立ち直れずにいました。

白鳥のオデットと悪魔の娘オディールをバレエでは一人が演ずるように、

二面性や二重構造というのは、何とも消化しきれずにもやもやが残ります。

 

 

 

でも、その苦しい気持ちも、

どれだけ音楽に深く向き合って来たかということに他ありません。

言葉を換えれば、音楽を通して自分に向き合うというのか。

苦悩があるところに次の突破口が現れ、

一つ越えるとまたその先の山があり谷があり、

一歩一歩苦しみながらも音楽の神に到達できるように上り続けた姿を思いました。

チャイコフスキーを愛する一人として、生演奏を通して新たに発見できた

有難い時間をいただいたのだと思います。

そして、己を振り返りました。

演奏するとは、その作曲家の心と共にあること。

だから喜びも苦しみも大きいけれど、

私はそれを受け取れるほどの器があるのか?努力ができているのか?

いつも問い続けて勉強しなければなりません。

 

 

 

生きていることは、苦しみ悲しみと喜び感謝を交互に体験すること。

実生活での経験と新たに出会う知識をもとに一つ一つ階段を上りながら、

奥行きの深い世界に入っていけたらと心から願いました。

 

 

 

 

次回のシティ・フィルの定期は

1111日(土)14時開演 同じく初台のオペラシティ

今度は、音楽でスコットランドを旅します。

来月も楽しみにしています!

 

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大型台風が近づいています。

暗い雨の日は、気分も落ちやすい。

でも小鳥と一緒で癒されています(^^

私がPCの前に居ると、いつもやってくるピピちゃん♪

よくこの位置で私の方を向いたまま、お昼寝を始めます。

可愛らしさをいつもありがとう(^-^)

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年10月14日 (土)

小鳥と暮らす♪

 

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~ベランダから1mの距離にあるメジロの巣。手が届きそうで届かない~

 

 

先日久しぶりのヨガ(友人が公民館にてワンコインで教えてくれている)の時に

「今年って何トシ?」という会話。

え~?みんな覚えてないの?

我が家は文鳥と暮らしているので、

今年はピピの年! 彼女は我が家の主役なのです。

 

 

 

 

一緒にいると、愛は深まるばかり❤

完全に私を母だと思っているピピは、後追いして家中どこにでもついて回ります。

鳥は本能として、捕まってしまう時は命の終わりだと悟っているので、

手の中に入れられるというのは本当は気持ち悪いのだけれど、

「ここは良いところ。あなたの巣♪」と言い聞かせて

日に何回か手の中に入れてヨシヨシしているので、

だいぶ落ち着くようになってきました。

私も小さくて柔らかくて温かいはかない生き物をそっと包むと、

何とも言えない幸福感に満たされます。

うっとりするほど。

私の健康は、娘のハグと小鳥の抱っこ(手の中に入れることをそう称している)のお陰で保たれているのかも。(^-^)

 

 

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~スリッパや暖房機の前が好き。アブナイよ~!~

 

 

鳥は飛ぶために動物の中で最も体温が高いのだそうです。

私も平熱は高い方だけれど、ピピを手の中に入れて遊ぶせいか、

ますます手が熱くなってきています。

ハンドパワーを小鳥からもらっているかも?

これでいい音が出るとますます嬉しいな(^^♪ 

 

 

 

 

前の桜文鳥が老衰で亡くなる前は、

たしかに体温が低くなってあまり飛べなくなり、

小屋から出してあげると私の手を目指してちょんちょんと弾んで歩いて来て、

手の中でじっと温まっていました。

亡くなったのは4月にしてはすごく冷えた日の朝でした。

文鳥の寿命は8年くらいだそうなので、

今の白文鳥もすでに人生の後半に入っています。

ピピちゃん ママと一緒に楽しく長生きしようよ~!

 

 

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~フォークから食べるのが好き。あなた、自分のこと人間だと思ってるでしょ?~

 

 

 

 

この子は一生家から出ることはありませんが、

庭では野鳥が命の営みを繰り広げています。

 

今年もメジロが庭のヤマボウシに巣を作っていました。

メジロの巣はそれはそれは繊細で、とても細い枝だけを選りすぐって作ってあります。

どこからこんな同じ細さのものだけ集めて来るのか?

人間に気が付かれずにいつ巣作りしているのか?謎だらけです。

そしてこの小さな揺りかごは、葉っぱが全部落ちて風雨にさらされるうちに

次第に壊れていってしまい、ついには地面に落下します。

庭師さんが3年に一回ほど枝抜きに来てくれる時に、

巣が付いた枝を切って持ってきてくれる時以外は、

壊れていくのを黙って見ているしかないのは少し切ない、、。

 

 

 

 

 

一度は細い枝だけでなく、新聞や雑誌をまとめるのに使うひもを裂いたものも使ってあって、2階のベランダから見るとそれがキラキラと光って美しくて、感動していました。

この巣を作るために、何度往復したのか?を想像すると、

せっせと巣作りする小さな生き物がますます愛おしくなるのでした。

 

 

 

 

 

渡り鳥ではないから、きっとこの庭で成長したヒナは、

またこの庭に自分の子供を育てるために帰ってくるのかな?

いや、いつも棲んでいる?

我が家の子供たちが大きくなっていった隣で、

鳥たちもせっせと子育て。

温かい気持ちにさせてもらっています(^-^)

 

 

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~数年前の雪の日のメジロ。今年のメジロの数世代上の子かも~

 

 

 

メジロだけでなく、鳩の巣もあります。

そちらは常緑の樫の樹の方。

鳩は1メートル以内にならないと、もう逃げもしない。

よく門に留まっています。

庭は鳥たちの領分ですね。

住宅地になる前は、もとは彼らの祖先のものだったのでしょうから。

 

 

 

 

冬になると食べ物がなくなるので、

果物やお米を置きます。

水浴びする水鉢もある。

水鉢には水連を植えて蚊対策にメダカも飼っていて、

レンガを沈めて鳥の足場を作っています。

 

 

 

 

我が家の酉年は、来年もその先もずっと続きます。

今週はしばらく雨続きだそうで鳥の声が聞こえないのが寂しい。

鳥たちは、食事にありつけているのだろうか?

たまにそんなことを考えながら、

小鳥たちの騒がしい声が響く晴れの日が来るのを待っています♪

 

 

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~このやまぼうしの一番上に、メジロの巣がある~

 

 

2017年10月 6日 (金)

唯一無二の

 

急に寒くなりました。足元が特に。

季節が進むのが早くありませんか?今年の秋。

でも、秋色に染まり始めた庭の葉っぱのように、音楽のお蔭でハートは温かい色♪

 

 

C

 

 

 

今週はいろんな音楽の刺激があった1週間。

特に考えさせられたのは、田尻洋一氏のピアノコンサート。

関西在住で、各地で活発な演奏活動を繰り広げているコンサートピアニスト氏。

多くの作曲家の全曲演奏を成し遂げているという、

圧倒的なレパートリーを持つ稀有な方です。

今までのリサイタル回数は1000回を超えているというから驚き!

しかもその膨大なレパートリーの中には、ご自分で編曲して一人で演奏される

交響曲やピアノ協奏曲があり、元オーケストラ奏者としてはそれも魅力♪

 

 

 

 

驚異的な記憶力の持ち主で、全て暗譜。

アンコールも何でもリクエストに応えられるという凄さ!

「今日のために一生懸命準備してきました」というのとは全く別次元にいて、

月に56回あるコンサートはどれもプログラムが異なっている。

頭の中は一体どうなっているんでしょう~~?と私は不思議でいっぱいの気分です。(^^;

 

 

 

我が家から車で20分のアミュゼ柏プラザでも年に6回開かれており、

もう8年?(数字に弱い私の記憶はあやしい、、)

ほど続いているロングランコンサートを昨年初めて知り、

私は今回3回目でした。

 

 

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初めて足を運んだ昨年12月のコンサート。

柏の会場に入ってびっくり。

壁は防音の穴あき仕様で、天井も低く、およそ音楽用ではない小ホール。

ここで果たしてどんな音が出てくるか?と構えていたら、

絶妙なペダル使いでデッドな環境が気にならないのでした。

 

 

 

 

濁るか濁らないかのギリギリのところでつながれていくペダルは、

独特な響きをたたえていて、静かな場面の音楽は本当に独自の世界が拡がります。

正直初回は「ペダルが多いような、、」と気になっていた私も、

今やすっかりその響きのとりこに♪

この世界にずっと浸っていたいと思う響きを楽しませていただいています。

そう 音楽に浸る、、、という言葉が一番しっくり来るかも。

 

 

 

 

余計な思い入れや派手なアクションは全くなく、

見た目は地味に、けれども誠実に淡々と弾かれる姿からは、

虚飾のない音の世界が拡がります。

無理なく自然に弾く姿勢は、いくら弾いても疲れないように見え、

ずっと聴いていたいと思ってしまいます。

肩が凝らないクラシック音楽。

 

 

 

 

旋律楽器の私は和声感にこだわり、音色の工夫以外にもスパイス程度の時間の揺れのある繊細な演奏を身上としているけれど、

田尻さんはそうタイプではなく本当に淡々と、あっさり弾くのです。

透き通った川の流れのように。

 

 

 

 

最初は、素朴でスッキリし過ぎ?と思っていたのが、

演奏が進む間に川の流れがはっきり見えてきて、

流れに乗って行き着くべきところに連れて行ってもらえる

心地よさを感じるようになります。

どうでもいい細かいところに頓着しない、

見通しの良い骨太の演奏とでも言ったらいいのでしょうか。

見習わねば。

 

 

 

 

なんの構えもなく椅子に座ったかと思うとすぐに始まる姿からは、

頭の中には常に音楽が流れていて、ヒョイとその船に乗るだけのように見えます。

聴いている方も緊張することも構えることもなく一緒に自然に音楽に乗り、

そして曲中どんなに盛り上がっても、最後はまたスッとこの世に戻って来る。

会場のみんなで旅に出て、安心して家に戻ったね、、、という穏やかな気分になる。

およそ仰々しさなんて無縁です。

 

 

 

 

けれども、作品の山の部分はとても雄弁で、

素晴らしい集中力で弾き切る快感を聴衆に楽しませてくれます。

今回初演だったベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の一人演奏は、本当に圧巻。

聴衆のため息と感激の声、拍手喝采で、会場は大いに沸きました。

気持よかった~!

 

 

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終楽章のゲネラルパウゼ(全休止)では、

真剣勝負の間合いを聞いている方も一緒に体感し、

その後一気に終わりに向かって進む快感も

共に楽しませていただいた素晴らしいライブ。

初演のこの一瞬にかける情熱に立ち会えてとても幸せでした。

だから生は良いのですよ~(^-^)

 

 

 

今まで特に印象に残っているもののなかで、、、

まず、バッハの「主よ人の望みの喜びよ」で見た景色。

雪降る夜、一人歩いていると大聖堂が現れる。

扉を開くと神を賛美する音楽が流れていて

その祝福の響きに包まれる喜びと共に、再び外に出る。

同じ雪の中を歩いていても、身も心も温かい。

演奏を聴きながらそんな幸せなイメージの中に居ました。

 

 

 

 

ベートーヴェン「第九」の終楽章。

オケではファゴット(b音)から始まり、テノールのソロと男声合唱と続く場面。

田尻さんの演奏を聴きながら、ここは男の人たちが肩を組みながら

「人類皆兄弟なのだ」と笑顔で歩いてくるベートーヴェンの理想が

初めてはっきり見えた新鮮な驚き。 

私は何度も弾いた馴染みの曲なのに。

この時、演奏から作品の本質が現れるというのはこういうことか、、、と思いました。

 

 

 

 

ショパンのピアノ協奏曲の第2楽章「ロマンス」。

実は私は好きでない楽章、、、。(^^;

オケのヴァイオリンパートは、音をジトっと伸ばしているだけ。

(ホントはだけ、、ではないけれど(^^;)ごめんなさい、Violinはつまらないんです、、。)

ところが、彼の演奏を聴いてこの曲の素晴らしさを初めて知った。

 

 

聴いているうちに、私の頭の中に星空が現れる。

途中昼間の花が咲き乱れる草原に出るように思う個所もあるけれど、

空気の澄んだ美しい夜空の下にいるかのような優しい煌きのある響き。

その時に聴いた美しい音と自分の中に溢れたイメージが、

半年以上経っても忘れられません。

 

 

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私は聞く人を勝手なイメージで遊ばせてくれる懐の深い音楽というのが好きで、

たまにしかないそういう演奏に出会えると、無上の幸せを感じます。

 

 

 

 

熱演や、完璧だけを目指した演奏では、それには出会えません。

自分もそういう演奏ができるようになりたい!と願っているのですが、

無私にならないとできないのかな?

あるいは音楽と同化している?などなど

いろいろ考えてしまいます。

少なくとも自己顕示欲など皆無で、音楽に身を捧げているのが伝わってきます。

 

 

 

 

終演後には毎回お茶会があり、そこでお人柄に触れることができるので、

私も楽しみに参加しています。

本当は、根掘り葉掘りインタビューしたい気持ちに駆られるのですが、

先週はスイスの演奏旅行から帰国したばかり、

そして今回は初演を成し遂げたばかりのお疲れの方に、

そんな自分勝手なことはできないな、、、と我慢でした。

田尻さんが自発的に話される内容から、何を考えていらっしゃるのか?

実は密かに演奏の秘密を探っています(^-^) (勉強、勉強!)

 

 

 

 

独自の世界があるというのは、とても魅力的なこと。

私にとって大きな目標です。

正しいだけの教科書通りの演奏は、もうとっくに聞き飽きている。

完璧でも心がない演奏はもっとつまらない。

癖のある独りよがりな演奏は遠慮したい。

 

 

 

 

聴きたいのは、その人独自の世界観がある音楽。

その人に、その音楽世界に「また会いに行きたい!」と思うような演奏。

 

 

 

もちろん、楽譜が立ち上がって来る演奏は理想。

でもいくら「楽譜に忠実に、、、」と言われても、

いくら調べて勉強してみても、

作曲家ご本人に質問できないことがほとんどなので、

楽譜を翻訳する演奏という行為には、

演奏者自身が大きく反映される。

そう、目の前の人がどんな人なのか?を音から聴いているのです。

 

 

 

 

ストレートにそれを表現できるには、技術(身体)や分析(頭)だけでなく、

心の在りようもかかわってくるのかもしれない。

必ずしも立派な人間になろうという意味ではなく、

偽りのない自分であることが、

エネルギーを滞りなく流してくれるのかもしれない。

 

 

 

 

ああ~勉強することが山のようです。

私がコンサートに行くのは、楽しみよりは勉強が主な目的。

勉強のために行って、楽しさがついてくれば言うことなし!

さあ芸術の秋。

今月は計3つのコンサートで勉強しつつ、楽しんで参ります!

 

 

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田尻さんの次回のアミュゼ柏での演奏会は、116日(月)14時開演です。

通称「ベト7」 ベートーヴェンの7番のシンフォニーを、ピアノ一人で演奏。

皆さま、田尻ワールドをどうぞお楽しみに!

 

 

田尻洋一さんのこれからの公演日程

www.eonet.ne.jp/~y-tajiri/j-schedule.htm

 

 

 

 

 

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