7月14日の「マリーアントワネットへのオマージュ」に参加したかったけれど、
残念ながら来れなかった方のために、
またコンサートのトーク原稿でコンサートのプログラムを想像していただけたらと思い、ブログにアップします。
どんな曲なのかは、Youtube等で探してみるのも面白いかもしれませんよ(^_-)-☆
「この曲、こういう題名だったのね~と思いました」というコメントもいただきましたから、どこかで聞いたことのある割と有名な曲が多いのです。
昨日来られた方は、思い出しながら読んでみてくださいね。
「マリーアントワネットの生涯」 プログラム
・ルクレール ヴァイオリンソナタ作品9-3より第1楽章
本日のプログラムは、悲劇の王妃マリー・アントワネットゆかりの作曲家、作品を並べ、彼女を偲んでお届けいたします。
1曲目は、18世紀フランスの 宮廷音楽です。
ジャン・マリー・ルクレールは、ルイ15世の時代に活躍した作曲家。
マリー・アントワネット9歳の時には亡くなっていますので、
14歳でフランスに嫁いだ彼女は、実際に会ったことはありません。
このソナタは、ヴァイオリニストでもあったルクレールの、もっとも有名な作品です。
大きなドレスを着て、美しい扇子を仰ぎながら優雅に歩く王侯貴族の様子が目に浮かぶ雅な曲で、まずは皆さまを18世紀にお連れしたいと思い、本日のオープニングに選びました。
いかがでしたでしょうか?
・モーツァルト ヴァイオリンソナタ kv.305より第1楽章
次なる作曲家モーツアルトとマリー・アントワネットは、ほぼ同い年。
(正確には、アントワネット11月2日生まれ、翌年1月27日モーツアルト)
二人は6歳と7歳の時に、ウイーンのシェーンブルン宮殿で会っています。
御前演奏に招かれた神童モーツアルトが転んでしまい、手を貸した優しいマリー・アントワネットに、モーツアルトが「お嫁さんにしてあげる」と言った微笑ましいエピソードは有名です。
二人は、前半は光の人生、後半は闇の人生を歩み、若くして亡くなったという点でも共通しています。
このソナタはモーツアルト22歳の頃に書かれました。
22歳というと、マリー・アントワネットは結婚後7年経ってようやく待望のお子に恵まれ、
そしてスウェーデンの貴族フェルゼンと出会った 幸せな年でもあります。
本日は第1楽章だけですが、陽気なおしゃべりのような楽章で、
溌剌とした若いモーツアルトの音楽を通して、
同じ年のマリー・アントワネットの 人生で最も幸せな時を思い浮かべます。
・パラディス シチリアーノ
マリア・テレジア・フォン・パラディスはオーストリアの女性作曲家です。
マリー・アントワネットの母 マリア・テレジア時代に父親が、宮廷で家臣として仕えました。
マリー・アントワネットの4つ年下です。
働くのは貧しい女性だけという時代でしたが、パラディスは盲目であったため、
父親が彼女の音楽の才能を見越して応援したのでしょう。
音楽史には男性の作曲家しか登場しないというのは、時代が才能ある女性の活躍を許さなかったという背景があります。
どの時代も女性は生きにくかった、、、と思います。
先に登場したモーツアルトは、第18番目のピアノコンチェルトを、このパラディスに献呈しています。
私はシチリアーノのリズムから、フラゴナールの「ブランコ」をこぐ女性の絵画を連想します。
どことなく憂いのある雰囲気に、厳格なしきたりだらけの息苦しい宮廷で、嫁いでしばらくは親しい友人もいなかったマリー・アントワネットの心のうちとオーバーラップして感じています。
・マリー・アントワネット作 「魅惑の肖像画」+フランス語朗読
オーストリアのハプスブルグ家はとても音楽好きで、
アントワネットはハープを好んで演奏し、作詞、作曲も行いました。
後には、自分専用の小さな歌劇場も作って、本人も出演したそうです。
シンプルな作品ですが、優しさが伝わって来ます。
大木いずみ先生 フランス語歌詞朗読後に 演奏
・グルック メロディ
グルックはオーストリアの作曲家ですが、マリー・アントワネット フランス御輿入れの際に随行し、彼女の援助を受けてフランス宮廷で活躍しました。
この「メロディ」は、クライスラーがヴァイオリンとピアノ用に編曲したものですが、
この曲が入ったグルックのオペラ「 オルフェオとエウリディーチェ」は
彼女に捧げられています。
「メロディ」は「「精霊の踊り」とも呼ばれ、グルックの作品の中で最も有名なもの。
もの悲しい旋律を聴きながら、その時彼女は何を想ったでしょうか。
・スヴェンセン ロマンス
スヴェンセンは、ノルウエーの作曲家で、「ペール・ギュント」等で有名なグリーグの親友でもありました。
本日は、マリー・アントワネットの永遠の恋人 スウェーデンの貴族フェルゼンが、
同じ北欧の出身であるということから連想して、プログラムに選びました。
ロマンスとは本来「物語」という意味です。
北欧の大地と空気を感じるような出だしから、馬に乗ってかけて行くような中間部、
さようならを繰り返す終わりの部分。
ここには確かに物語があります。
どんな物語かは、どうぞお聴きになる方がご自由に想像していただきたいと思います。
・ショパン 革命のエチュード
革命というタイトルで選びましたが、本来はショパンの生まれ故郷ポーランドの革命のことを指しています。
ただ、ショパンもパリで活躍した作曲家ですので、マリー・アントワネットにも通じるものがあるかと思います。
それでは ピアノのソロでお聴きください。
・ラヴェル 亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェルは20世紀初頭に活躍したフランスの作曲家。
この作品は、ラヴェルのパトロンでもあったポリニャック公爵夫人に捧げられました。
マリー・アントワネットの親友であった女性もポリニャックという名字であり、
どうもその子孫のようです。
パヴァーヌとは、すり足で踊る「クジャク踊り」の意味で、古い宮廷舞曲です。
最もゆっくりしたテンポで踊られる、荘厳な舞曲となっています。
つまり威厳に満ちた舞曲ということで、マリー・アントワネットの誇り高い生き方を想って、彼女の魂が安らかなれと祈りながら演奏したいと思います。
亡き王女とは誰か?ということについて作曲家自身は語っていませんが、
一般には、17世紀スペインのマルガリータ王女のことではないかと言われています。
原曲は、まずピアノソロ用に書かれ、10年後にオーケストラ版も作曲されました。
様々な編曲でも演奏される人気曲ですが、今日はヴァイオリンとピアノのデュオでお聴きいただきます。
J.シュトラウス二世 ウィーンの森の物語
本日のプログラムの最後は、ヨハン・シュトラウス2世の「ウイーンの森の物語」で
締めくくります。
当時は政略結婚で故国を離れたら、もう一生家族とは会えない運命でした。
心を許せる友人だけを招いたお気に入りの離宮プチ・トリアノンには、
ウイーンの実家の家族の肖像画を掛けていたそうです。
母に会いたい、家族に会いたいと願っても叶わなかったマリー・アントワネットが、
懐かしい故郷に戻れた幸せな笑顔を想像して、演奏したいと思います。
アンコールは、アンサンブル・ルナにちなんで
フランスの作曲家ドビュッシーの「月の光」。
~ブログ「非日常の一日」に、たくさんの写真をアップしました。
そちらも見てくださいね~♪
好評だった青いドレス。
6年ぶりに着てみたら入らず、急いでリフォームに。
新しく買うよりも、リフォームした方がお得です。
いや、その前にこれ以上太らないように気を付けます、、、(''_'')
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