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2016年9月

2016年9月28日 (水)

ありがとう 懐かしの校舎

もうすぐ建て替えのために取り壊しになる、懐かしの学び舎。

今日は大学の友人たちと、桐朋学園の仙川校舎を訪れてきました。

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奥の旧館はもう建て替わっています。

しかも、木造!

雨風大丈夫~?

 

卒業以来数回しか訪れていない母校。

6年くらい前だったか、当時在校生のお嬢さんがいた親友と二人で

ものすごく久しぶりに仙川に行った際、

駅前はすっかりモダンになっているというのに、

校舎は昔のままの桐朋に、すっかりタイムスリップした気分で大興奮したこと!

 

私が通っていた頃でも十分に古い校舎だったのに、

あれから30年近く経っているのに変わらないなんて!!!

 

その後今から4年前に、「桐朋祭に行こう!」という友人たちの誘いから、

その時9名ほどで押しかけて学園祭を楽しみ、それ以来の懐かしの学び舎でした。

 

その後もこのメンバーは、何度か集まる機会があったようですが、

一番遠くに住んでいる上に、時間の調整がきかない私は

あまりミニ同窓会に参加することができずにいましたが、

今日は特別。  校舎とお別れですから。

参加率が悪い私が久しぶりに登場するということで

皆から「サリーが来る!」(私の中高~大学時代のニックネーム)と

歓迎してもらって来ました♪

 

私たちにとって今日がもう最後。

思い出の証拠がなくなってしまうような寂しさ。

校舎はこのままでいてほしいという卒業生のノスタルジーと、

いやこのままでは在校生は不便だろうな、、、という気持ちと入り乱れていますが、

時は流れて行くもの、新陳代謝は自然の摂理。

新しい校舎で、若い在校生が存分に学んでくれることを祈りたいと思います。

 

同級生が集まると、一気に当時にワープする気分で、

私たちは懐かしい学生ホール、各所で記念撮影までして(~_~;)

(だって、もうなくなるから、二度とここには来れないから、、)、

在学生からちょっと白い目で見られましたが、

27期のおばさん8人が集まれば恥ずかしさもなんのその。

(在校生のみなさん、お騒がせしてごめんなさいね~)

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廊下に譜面台が置いてあって練習するのが、桐朋の伝統の流儀。

どこででも練習!です。

学内のどこからでも音が聴こえて来る、、、

 

オーケストラの授業や試験会場だった402の大教室、その手前の実技入試の部屋、

各部屋を廻りながら、当時の思い出話に花が咲き、皆の声の大きかったこと。

うるさい私たちは、いつまでたっても変わっていないのでした。。。

 

1学年200名ほどの寺子屋のような大学には、濃厚な思い出が残っています。

私は遅くにヴァイオリンを始め、本気になったのも遅かったため、

お蔭で飽きることなく、大学時代はほぼ大学の中で練習して過ごしていました。

真面目だったのよね~。

何より良い友人に恵まれていたし。

間違いなく私の人生で一番楽しかった時代です。

 

休みの日も朝10時から夜10時まで学校のレッスン室。

もちろん1時間半で休憩を取っては、仲の良かった友人たちと

学生ホールでじゃべって笑って、たくさんの楽しい思い出が詰まった学校。

 

自分のことしか考えなくてよかった若き気楽な時代でもあって、

その懐かしさは憧れの境地。

「もう一度学生に戻って、勉強したい!」

実は、たまにそんな夢を見ることもあるのです。(*^_^*)

 

でも、今も勉強がすごく好き。 若い頃よりも、もっと。

仲の良い友人たちの中で、毎年自分でコンサートを企画してやっているのは

もしかして私くらい?

 

障害を持って生まれた娘の療育のために、

音楽をあきらめていた期間が長かったせいもあって、

その禁断症状(!)によるエネルギーの蓄積、爆発(?)が今の私の原動力。

いや、もともと向上心を取ったら私でなくなる!と豪語してきた部類なので、

どのみち頑張っていたかな?

 

子ども達も一応成人し、「やりたいことを、もうあきらめなくてもいいよ」

と自分に言えるようになったこと。

人生の折り返し地点をとうに過ぎ、残り時間を想うと、

「やりたいことはやらねば!今やらなくてどうする?」という気持ちで生きていること。

(同じ年の友人からも、「生きているうちにやっておきたい」という言葉が、

あちこちから聞こえます、、、)

 

懐かしい校舎はなくなっても、友人たちと会うと気持ちはいつでも若返るはず。

今日はありがとう♪

みんな元気で、また会おうね!

 

多くの卒業生の思い出と共にあった懐かしい校舎、ありがとう、、、、。

2016年9月24日 (土)

我が家も今日から秋へ

このところ毎日毎日 雨、、、。

すっかり肌寒いほどです。

 

毎年秋分の日を境に、秋に模様替えをする我が家。

こんな雨の日は、そういう家仕事にぴったりの一日。

外は暗くてジメジメして気分もつられそうになっても、えいやっと身体を動かして、

小さな特別なことをすると、気分は晴れてきます。

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重い障害を持って生まれたうちの娘が幼い頃、我が家は機能回復訓練一色の生活でした。

自宅でできる親にとって一番大変な訓練を選び

(これくらいやれば、もしかして娘も健常になれるかも?と期待して)、

24時間体制で頑張っていた時期がありました。

もちろん24時間と言っても、

私たちが寝ずに頑張ったわけというではなく(そんな恐ろしい、、(~_~;)

夜中は深く規則正しい呼吸を促す装置を付けて眠る

というプログラムがあったからなのですが、、。

 

当時ゴミ見出し以外 外に出ない生活を送っていた私にとって、

ちょっとしたすきま時間をみつけて、

家の中を新鮮にすることにすごく喜びを感じていました。

そこで始まった、季節ごとの模様替え!

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PCと電話の側は、いつも母のドールハウスの指定席。

秋はハロウィン♪

 

模様替えと言っても、小一時間で終了する簡単なもの。

玄関飾り、出窓、クッション、テーブランナー、母のドールハウス、

1階のトイレの中を、年に5回模様替えして楽しんでいます。

そう、今日から我が家は秋になったのです!

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庭から一輪 家族のテーブルのために花を摘んでくるのは、

私の日常の大事な習慣。





秋は暖かいトーンに、クリスマスはもちろんクリスマスカラー、春はピンク系、新緑の季節は若草色、夏は青と白、

色が変わることで家の中の空気が変わるような気がする。(もちろん気がするだけよ~)

家の中にいても、季節を感じられるようにしつらえるのが好きなのです。

私のストレス発散法でもあり、

歩けなかった娘が、せめて家の中でも季節を感じられるように、、との願いでもあり。

その後4歳半で歩けるようになり、現在はてんかん発作が起こる以外は元気なうちの娘(ずっとカメが好き♪)ですが、

言葉がない彼女が一番最初に、家の中が変わったことに気づいてくれます

母としては、彼女の「あっ変わった♪」という目の輝きを見るのがうれしい。

毎年同じ飾りだけれど、案外毎年同じということが、安心だったりして、、、。

絵本の繰り返しのように。

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そろそろ面倒になりつつある模様替えですが

(こんなことよりも、もっと勉強したい、練習したい)、

でも、家庭人としての私にとっては、大事な仕事ととらえ、

続けています。

繰返される習慣は、家族の深い記憶になるから。

思い出には、一生を支えるささやかな力があるはず。

娘だけでなく、来春就職で家を離れる息子、そして家族全員にとっても。

2016年9月17日 (土)

演奏裏話 その2

いつも保護者のように私の本番に登場する夫。

てんかん発作があるうちの娘は、特に寝起きは発作のリスクが高いので、

午前の本番 朝コンの時は、夫が娘の対応の保険として有休を取ってくれています。

夫の側のお客様が「すごい曲だね」と言ってくださっていたとか。

彼が聞いたニュアンスでは、曲のスケール感を楽しんでくださっていた様子に感じたとのことでした。

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↑ 写真が趣味の夫の作品

 

裏話その2

夏はサマータイムで帰りが早い夫は、私の練習を耳にすることも多く、

今回は特に応援してくれていました。(夜な夜なテーブルで勉強しているし)

帰って来て一息つくと、テレビを観ながら夕食を待つ間に洗濯物も畳んでくれたりして!

本当に家族のお蔭で、私は音楽をさせてもらっています。ありがたや~。

 

しかし、家族は辛いのです。

どこを特に練習しているか、、つまりどこが大変かを知っていると、

多分本番を聴く時には一緒に緊張しているはず。。

発表会の保護者気分なのかもしれません。(>_<)

本番後はお疲れ様ランチに行って、家に戻ると2人して即お昼寝でした。

(やっぱり彼も疲れたのね~ ごめ~ん。)

 

裏話その3

6月から左の五十肩が悪化して、10分しか続けて練習できないため休み休み。

夜中は寝返りを打つと肩が痛くて目が覚める(寝不足連日だった今年の夏)、

なるべく脱力を意識して、可動域を拡げるような基礎練習を毎日の日課とする、

曲については練習よりも勉強中心に、

という感じで進めて来ました。

鍼とマッサージの黒澤先生、リハビリの山神先生のお蔭もあって、

何とか肩も回復傾向の中で無事に本番を終えて、ホッとしています。

 

普通、1曲終わるともうその曲は聴きたくない、弾きたくない、お腹いっぱいの気分なのですが、今日も車を運転していてまた聴いてしまった!

(車の中がリスニングルームです)

私の中の、この作品への愛を改めて感じました。

この愛をもとに熟成させ、来年5月にR.シュトラウスのソナタをメインとした

自主企画コンサートを計画しています。

 

タイトルは~「二人のシュトラウス」~

そう、ヨハンさんとリヒャルトさんの二人。

中身は、プログラムはどんなものか、、、概要は決まりましたので、

またそのうちお話ししたいと思います♪

 

また次も演奏の機会がありますので、勉強は続きます。

叱咤激励の感想をいただけましたら幸いです。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

 

演奏裏話 その1

金曜日のつくば朝のサロンコンサート、ご来場いただいた皆さま

誠にありがとうございましたm(__)m

りぼんの騎士(何のことかは、前回のブログをご参照くださいね♪)による

勇敢な若者の冒険物語、いかがでしたでしょうか?

演奏後、お客様の満面の笑みの拍手を前にして、

お楽しみいただけたかな、、と一応ホッとしています。

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裏話をご披露しますと、あのホールは全体に響くから良いようでいて、

音楽専門のホールではないため、実はアンサンブルしにくい面があるのです。

 

ちゃんとした音楽ホールのステージだと、

弾いている本人たちにはシビアに細かいところまで良く聴こえ、

お客様にはホールの響きに乗って気持ちよく届くのですが、

アルスは弾いている場所も聴いている場所も同じ感じで、

弾いている方はお互いを聴きにくく、ちょっとしたズレが生じやすい。

そのため気を抜けず慎重になる場面もあり、いざ乗ってしまうと乗ったはいいが、

霧の中を無我夢中で進むような感覚になります。

 

昨日も「さあ行くよ!」はいいけれど、

あの音が多く、転調をどんどんしていく曲では音が響きすぎて、

どこか闇雲に突き進むような感じもありました。

守谷も音楽ホールがないので、アルスの響きはまだ有難い方なのですが。

 

でも、冒険物語を演奏するのは、格別な楽しみがあります。

私たち、たまに「エレガント」などどいうお褒めの言葉をいただいて恐縮することもありますが(ホントに~?)、実は中身はなかなか男っぽい潔さがあり、

あの曲にぴったりの雄々しい女戦士だと自分たちでは考えています。  

私たち、勇敢だったでしょ? 

 

 

演奏するのは、地図(楽譜)を手に、旅のガイドをするようなもの、、、と

感じることがあります。

よく読み込み、細部まで理解してこそ、十分なガイドができる。

初めてのこの作品の世界に触れるお客様を丁寧にお迎えしたい、

あるいはこの曲を好きなお客様には新鮮な魅力を提示したいと思い、

勉強と分析と想像力を駆使して、作品の旅のガイドを務めたいと願う。

R.シュトラウスのソナタは物語性に富むので、

特にそういう感覚で弾いていました。

 

この岩山を一気に登ります。(足元に気を付けてください ←自分への注意(~_~;)

ここには足元にこんな美しい花が咲いています。お見落としのないように~。

この場面にはこんな葛藤があります。

身を焦がす情熱と愛があります。

遠くで戦いのトランペットの音。

いよいよ戦いの場面! 短剣を抜いて、さあどうなるか!

などなど、、、、

 

演奏しながら目の前に浮かんでくる物語を音にしたいと、懸命でした。

自分の情熱の力みのために、実際の音には傷も生じましたが

(本当のところ、傷だらけの戦士の気分でどっちゃり疲れました(>_<)

またあの冒険のソナタの物語の世界に舞い戻りたい!と思っています。

懲りない私、、、ネバーギブアップの戦士なのです。

 

「披露する」という意識で演奏するリサイタルとは違って、

私たちがやりたいのは、作曲家の世界を伝えること。

安全圏を狙うよりも、曲の中で生き抜きたい!と考え演奏しています。

完璧なのに、何の心も動かされない演奏も多い昨今。

しかし単に情熱だけでなく、もっと完成度も上げたい、、と

常に反省も怠りません。

2016年9月15日 (木)

明日 「つくば朝のサロンコンサート」!

今回は、明日のコンサートのトークの内容を、

前もってお知らせしてみることにしました。

 

以前はアドリブで喋っていましたが、つい長くなってしまい、

そうすると身体も固まって弾きにくくなる、

コンサートの時間も読めなくなる、、、ということがあり、

このところ直前にトーク原稿を考えています。

 

しかし、見ないで話したいので、実際にはここに書いていることとは違うことをお話しするかもそれません。

ブログを読んでくださっている方への予告編♪ということで、

明日への序曲としてお読みいただけましたら幸いです。

 

アルスホールにて、皆さまをお待ちしております!

 

 

R.シュトラウス ヴァイオリンソナタ   2016 916

ヴァイオリン:森 裕美 、ピアノ:山口泉恵

 

本日の作曲家は、「美しき青きドナウ」で有名なオーストリアのヨハン・シュトラウス

ではなく、

ドイツの作曲家 リヒャルト・シュトラウスです。

 

リヒャルト・シュトラウスの方が20歳若く、二人には何の血縁関係もありません。

 

今日演奏のシュトラウスは、父親が有名なホルン奏者で、

家庭には父親のオーケストラの友人たちが室内楽をしに遊びに来るような、

非常に恵まれた音楽環境に育ちました。

 

彼は、オペラ、交響詩、そして歌曲に数多くの傑作が残っています。

最も情熱を注いだのはオペラでしたが、

オペラを作曲する前は、オーケストラによる交響詩に燃えていましたし、

それ以前の若い時期は、室内楽作品と歌曲の時代でした。

 

晩年は、また若き頃と同じく、歌曲と室内楽作品を主に書いたという流れを見ると、

人の一生としても興味深く見えます。

 

まるで老年になると、幼少期から青年時代の思い出に帰って行くような

心の道筋が見えるような気がするのです。

 

本日のヴァイオリンソナタ作品18は、23歳から24歳にかけて書かれ、

この後に表題のある交響詩の作曲を始める前の転換期のものです。

プロの奏者が自宅に室内楽で遊びに来るような環境にあった若き彼の、

「これからいよいよオーケストラ作品で、世に出て行くぞ!」

という意気込みを感じます。

 

つまり、若い頃の作品と言っても、その後に続く交響詩を思わせるスケールの大きさが、このソナタの魅力なのです。

 

特に第1楽章と第3楽章はオーケストラの作品をヴァイオリンとピアノで

繰り広げるがごときのスケール感があり、

 

対して真ん中の第2楽章は、まるで歌曲のよう。

 

1楽章は、交響詩「ドン・ファン」を思わせるような 

下から上までの幅広い音程を一気に征服する躍動感あふれるもので、

戦いや、安らぎ、恋、慰め、ファンファーレ

これからの苦難もものとせず、

生の荒波に立ち向おうとする若者の勇壮さを描きます。

 

2楽章は、ロマンチックな歌曲。

インプロヴィゼーションと表題されていますが、

書法は綿密な掛け合いとなっていて、

最後は星空の元、さようなら また明日、、、と

別れがたい恋人同士の姿が思い浮かびます。

 

温かい歌の出だしと夢見るような終結部にはさまれた 

中間部の嵐のような場面は、

お聴きくださる皆さまには何を連想されますでしょうか?

 

3楽章、愛する人を得た若き勇者は、スーパーマンのように元気百倍。

勇壮さと、軽さと華麗さという質感の違いを混ぜた変化に富んだ楽章です。

 

途中、ユーモアに富み、パロディの名手でもあったシュトラウスらしい

おどけたスケルツオを含んでいます。

そのスケルツオ部分は転調に富み、

どこかメンデルスゾーンの中に出て来る妖精のようでもあり

(シュトラウスはモーツアルトとメンデルスゾーンが好きでした)、

シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲル」にも近いものを感じます。

もしかしたら、道化もシュトラウスの一面であったのかも?と思わせます。

そう、この曲の主人公は、

希望を持って人生の船出にあるシュトラウス自身なのです。

 

私たち、残念ながら若者にはなれませんので、せめて「りぼんの騎士」のような戦士になったつもりで演奏をお届けしたいと思います。(*^_^*)

 

では、3楽章で約30分の、ヴァイオリンとピアノによる音楽の物語を、

どうぞごゆっくりお楽しみください。

 

 

2016916日(金) 10:30開演 つくば文化会館2階 アルスホール

          約1時間のモーニングコンサートです。

    (エキスポセンターの隣に位置する、1階に図書館があるある建物です)

 

公共機関を利用の方は、TXつくば駅より、A2の出口を出て、

公園を抜けて徒歩約2分。

お車の方は、市営駐車場にお停め下さい。

つくば駅前のキュートで¥500以上のお買い物をされると、

駐車券にスタンプをおしてもらえ、コンサートの間の駐車料金が無料になります。

2016年9月11日 (日)

記念演奏会

昨日は、このところご贔屓にしているシティ・フィルの300回記念定期演奏会に、

親しい友人と4人で行って参りました。

 

オペラシティホールの入り口には、お祝いの大きなお花。

お客様もいつもよりも着飾っていらっしゃって、会場は華やいだ雰囲気。

ソリストのために舞台にお水を用意するために現れたステージマネージャーさんを、

場内のお客様は開演を期待して待つあまり、

「おっ!コンサートマスターの登場!」

と勘違いして拍手してしまい爆笑。 

そして再びステマネの方に対して笑顔で拍手。

とても温かい雰囲気の、祝福が感じられる客席でした。

昨日は1階26列4番のお席。 私としては珍しく後方から全体を聴く位置。

(いつも前が好き)

 

3月から会員になっているのですが、今回は会員に対して招待券2枚と

コンサート後のレセプションのお誘いまでいただき、

まだ半年しか応援していないのにいいのかしら、、、と、

少々気後れする気分でしたが、有難くお祝いの一日を共にさせていただきました。

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会員はお土産に、シティフィルの文字が入ったどら焼きまでいただきました。

ご馳走様でした♪

 

プログラムは2時間以上かかるベルリオーズの「ファウストの劫罰」。

ハープが2台も入る大編成のオーケストラ、独唱、合唱、児童合唱も、、という豪華版の曲なので、お金がかかるため残念ながらあまり演奏の機会がないようです。

もちろん私も初めての体験でした。(youtubeで1回予習で聴いて行きましたが、、)

オーケストラの定期会員になっていなければ、聴く機会がなかったと思うと、

ご縁に改めて感謝でしたね(*^_^*)  幸せです♪

 

この作品は、ゲーテの「ファウスト」に獲りつかれたベルリオーズが、

15年以上の歳月をかけて書き上げた渾身の音楽ドラマ。

キャラクターのはっきりしたわかりやすい曲調、

ドラマの場面、登場人物の心理が手に取るようにわかる音楽描写の素晴らしさ、

そして字幕付きだったので(言語はフランス語)、初めて聴いてもとても楽しめます。

 

1部の最後ラコッツィ行進曲の終わりは、

すでにブラボーと拍手したくなる盛り上がりでしたし、

主人公ファウストとマルグリットの愛の場面もうっとりするほど。

4部の「地獄への騎行」の最後では、あまりの迫真の演奏に涙がこみ上げてきました。

もちろん最後の「天国にて~」の救われた世界感の対比にも感動でした。

 

ベルリオーズというと「幻想交響曲」の作曲家として有名ですが、

高邁な思想、崇高な理念などどいう小難しい内容ではなく、

ごく普通の私たち市民の世界を描いて、惹きこんでくれます。

 

善だけを求めるのではなく、誰の心にもある暗さも希望も、醜さも清らかさも、

欲望も自己犠牲も、どちらをも大事に扱ってくれる。

人間の愚かしささえ愛おしくなるような音楽。

 

理想や建前よりも、ありのままが伝わってくる

日頃見ないようにしている負の感情も許していいのだと思える

良いも悪いも含めて人の心に湧き上がる感情をとことん体験させてくれる

そこが素直に感動に運んでくれるのだ、、、と感じながら聴いていました。

 

クラシック音楽には、まだ私の知らないこんな素晴らしい世界があるなんて、、、

という喜びに心躍った一時。

 

指揮者が用意した綿密な分析と

それを実現する奏者たちの説得力のある演奏内容の上に、

何よりも演奏者の方々の誠心誠意の気持ちが伝わるからこそ、

作品の持つ力が時を超えて甦り、会場を包む。

 

生の音楽って本当に素晴らしい、、、!と心から思いました。

 

昨日は広島カープが25年ぶりの優勝を果たし、多くのファンを賑わした一日だったようですが、クラシックの世界も良いのですよ!!

ぜひどなたも、お気に入りのオーケストラをみつけて、

定期演奏会に通う楽しみを生活に取り入れていただけたら、、と願っています。

 

1回聴くと、しばらく元気でいられます♪

生の音楽は、特にオーケストラには、そんな大きな力と可能性があるのです。

 

次回は、116日(日)第301回目の定期演奏会。

またもやベルリオーズ。 幻想交響曲。

私にとっては高校時代に初めて聴いて夢中になった、懐かしい曲。

昔オケに居た時は1度しか弾く機会はありませんでしたが、

演奏できた喜びは今でも新鮮に思い出します。

本番で得た体験は、とても深く刻み込まれるから。

 

音楽は、弾く時、聴く時、昔の記憶ともリンクし、

会場の人々との思いとも響き合い、

繊細かつ複雑でダイナミックな、とても豊かな体験をもたらしてくれます。

 

子供の頃、遠足や行事をワクワクして待ったように、

今の私には、定期演奏会を待つという喜びがある。

楽しみに待つことがあって過ごす日常は、それだけで元気をいただけます。

 

感謝の気持ちで一杯です。m(__)m

2016年9月 3日 (土)

物語としての音楽

9月になりました。

いくら暑くとも、季節は少しずつ秋に移行していきますね。

秋と言えば、食欲の、読書の、スポーツの、そして何よりも芸術、音楽の季節♪

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昨日、916日につくば アルスホールで予定している

「つくば朝のサロンコンサート」の会場練習を行って来ました。

 

本番の会場で本番のピアノと弾いておくのは、

音のイメージをつかむ意味でとても大切な経験です。(アルスのピアノは大きいし、、)

 

聴こえ方がいつもの練習とは違う、

エアコンを入れても弾いているうちに湿気で弦が下がる、

弓の毛の張りが緩くなる、、、のは、あのアルスではいつものことですが、

「やっぱりそうだったか~」という会場コンディションの確認(+対策)と、

仲間に聴いてもらうことの緊張感で、どこが弱いかを確認でき、

本番までのラストスパートの練習の組み立てがはっきりします。

 

個人的には「あそこがここが、、、(+_+)」はまだ山のようにありますが、

「勇壮なのに、、、バラが!レースが!、、とても繊細な表情があって、オーケストラのようで!」との嬉しい感想をいただき、ガンバロウ!と改めて思いました

 

リヒャルト・シュトラウスの「ヴァイオリンソナタ」。

よく若い方のヴァイオリンリサイタルや、デュオリサイタルでの

メインの曲として取り上げられる華麗な作品ですが、

私たちはリヒャルトさんの色彩感溢れる和声感を元に、

大人の女性ならではの繊細な感情表現を存分に盛り込み、

若い勇者の情熱の物語を表現したいと構想を練っています。

 

この作品を書いた24歳の頃のリヒャルトさんは、

ピアニストでもあった美しき人妻ドーラ・ヴィーハンとの恋が終わった頃?

あるいは人知れずまだ続いていた?ちょっと謎な時期なのです。

 

ワーグナーに心酔していた時期でもあるので、

どこかワーグナーの楽劇のような勇敢な若者がメインの主人公、

そして心優しく気品溢れる素敵な女性の存在も、曲の中に確実に感じられます。

 

シュトラウスについては岡田暁生氏!で

今 氏のシュトラウスに関する著作の2冊目を読んでいるところですが、

岡田氏は、シュトラウス晩年の傑作「4つの最後の歌」は妻のパウリーネではなく、

この初恋の彼女との思い出を歌っているのではないか?と推測していらっしゃいます。

 

根拠となる文献はないそうですが、岡田氏の楽曲分析の綿密さによる

シュトラウスの気持ちが手に取るようにわかる解説を読むと、

たとえ根拠はなくとも、私もそうではないか、、と支持したくなります。

 

いつも自分が弾く作品の周辺の時期の曲も聴いてみることにしていますが、

今聴いているのは、チェロソナタ、歌曲とこのヴァイオリンソナタの後に続く交響詩、

そして時期は飛んで晩年の「4つの最後の歌」。

 

それらを聴き、伝記や資料を読み、

作曲家がどんな人であったのか、この時期の作品の特徴は何かを探り、

そして何よりも譜面を読み、

より作曲家に近づいた演奏になるように、、、と日々模索しています。

その作業は苦しくも楽しい。 いや、楽しい方が多いかな~♪

 

私たちが演奏する多くの作曲家はずいぶん前にこの世を去り、

著作権料さえ払わずに演奏させていただいているのです。

(お墓の中から「そんな演奏するな!」と叫ばれないようにしないと、、、(~_~;

 

素晴らしい作品を遺してくれた作曲家に心からの敬意を表し、

聴いてくださる方に「この曲 素敵ね!」

「この作曲家の他の曲も聴いてみたい♪」と思っていただけるように、

そしてその作曲家のこともお気に入りの一人に入れていただけるように、、

と願って演奏しています。

 

さあ、ぜひリヒャルト・シュトラウスの素晴らしい世界へどうぞ。

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916日(金)10:30開演  「つくば朝のサロンコンサート」アルスホール

 

http://forest-note.com/

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