人生は美しき夢
「森下幸路 ヴァイオリンリサイタルを聴いて」
本日、桐朋時代に何となく親しかった、森下幸路氏のシリーズ19回目のリサイタルに行ってまいりました。
現在 大阪交響楽団のソロ首席コンサートマスターを務め、大阪音大の特任教授として後進の指導にもあたり、3月には新たな弦楽四重奏団の旗揚げコンサートを行い、日々激務の中、毎年テーマのあるリサイタルを行っている森下くんは、私の大好きな友人であり尊敬するヴァイオリニストです。
今日は、オールフランスもの。
前半にフォーレの1番、後半にフランクのソナタを配置し、その間を有名無名の小品が並ぶというお洒落なプログラムでした。
とにかく音が美しい! 一緒に空中に居られるのです。 現生の悩みを忘れられます。
特にpとppが極上の響き。
ピアノは奥様の陽子さん。
繊細な美しいヴァイオリンに合せての、細やかなバランス配分と柔らかな音色の数々。
内助の功というのは、まさに彼女のこと!と思わせる寄り添うピアノ。
永年のデュオならではの、一体感溢れるアンサンブルを堪能させていただきました。
特に後半 イザイの「こどもの夢」からは、ますます森下ワールドの夢の世界。
フランクのソナタの第1楽章は、まさに私が弾きたいと思い描く音そのもの。(おしえて~!)
第3楽章の独白も、絶品。
アンコール タイユフュールのパストラーレは、彼らのCDにも収録されている曲だそうで、
聴いていて心は会場を離れてイメージの世界に自由に羽ばたき、
陽の光の下 風が吹く小麦畑、あるいは草原の中、麦わら帽子の少年が、足をぶらぶらさせながら
太陽を仰ぐ笑顔が思い浮かんでしまいました。
私の中のその少年は、森下くんだったのかも、、、。
彼はとてもフレンドリーな温かい笑顔の持ち主。
その人柄そのままの音楽を、私たちに惜しみなく与えてくれます。
幸せにしてくれる音楽の持ち主です。
彼の夢心地の音楽を聴いた後は、すっかり心身共にリフレッシュ♪
柔らかな響きに身を委ねている間に、ふと人生は音楽のように美しい夢そのものなのかな、、と思いました。
そして、こんな夢をたくさん見たいとも。
夢があるから、しんどくても何とか頑張って行ける。
でも、その夢は儚かったりする。 瞬間に消える音のように。
けれども、私たち音楽家にとって、「音こそが永遠の記憶」なのです。
あんなに機嫌の良い爽やかな人であっても、これだけの温かさ、美しい音、優しさを表現できるのは、
その分の厳しさも悲しさも苦しみも、どこかで経験しているはずで、大きなふり幅の感情体験を持っているのでは、、、と、私は思ってしまうのです。
勝手なこと言ってごめんなさいね!
聴衆を幸せにしてくれたコンサートだったけれど、これだけ忙しくしていると、彼の身体を心配してしまいます。とにかく身体をもっと大事にしてほしいと、昔の友人としては何よりも願っています。
来年は20回目の記念コンサート!!
皆さん、森下夫妻の世界をご一緒しませんか? きっと一緒に幸せになれる♪と保証します!
2017年 4月30日(日)14時開演 東京文化会館小ホールです。
記念すべき第20回目を、一緒に祝福しましょう!
音楽で夢を見られる生のコンサートに、行きましょう!
* ブログ内で個人名が入っている文章については、ご本人に前もって内容の承諾を得ています。
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