2024年5月18日 (土)

録音の場

今週木金の二日間、つくばのノバホールで2作目のCD録音に挑みました。

「挑む」という言葉がぴったりの濃密な時間。

録音って一日中本番をやっているような緊張感の連続。

放出してクタクタになりました。

でもそのような経験ができることに心から感謝の想いです。

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3年前に1作目のCD「祈り」を製作しましたが、

その時と同じような小品はテイク2であっさり撮れたので自分の成長の手応えを感じたものの、

ソナタ3曲はそんなわけにはいかない。

大曲を無傷で、そして思うところを伝えられるように弾くことの二つを両立することの大変さ。

自分の足りなさを感じながらも諦めずに勇敢にチャレンジしました。

あ~~~💦と思うことは多々あっても、

泉恵さんと一緒に音楽できる時の二人の乗り自転車を空中でこぐような爽快な感覚(昔の映画ETのポスターみたいな)も、

たくさん味わうことができました。

時間内に撮れたものから選ぶ作業がこれから待っています。

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ノバのステージ天井の釣りマイクは良いものの、録音機材が古くてエラーも出て、

果たして使えるのかどうか?も含めてドキドキです。

二日目は念のためにいつもYouTube撮影時に使用している自分の録音機も持参。

さあどう撮れているか?

 

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しかし、二日目の朝に訃報。

3月から転倒による骨折で入院している間に弱って来ていた義母が天に召されました。

一気に老衰が始まり、思った以上に早く逝ってしまいました。

食事が摂れなくなって点滴のみで命をつないでいたので、残りの時間は限られていることは覚悟していました。

夫は先週末から会いに帰れたので、最期の時間を一緒に穏やかに過ごせたことは本当に良かったと思います。

 

穏やかな癒しの作品集になった前回の「祈り」に対して、

実は今回のCDのプログラムは、作曲家自身の身内や大事な人の死に面した際に書かれた非常に内面的なソナタで構成を予定しています。

私自身このタイミングでの厳しい現実を与えられたことは、

むしろ天から人生から頑張れ!と期待されているように思いました。

このところkindleで続けて耳読している田坂広志さん(経営学者、原子力工学博士)の本の影響もあるかもしれません。

「人生で起こること すべて良きこと」他  田坂広志 

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義父の希望で、葬儀のお花入れの時に私たちの演奏でヘンデルのラルゴを流したいと言ってもらい、それも1日目にノバで録音し

ギリギリ間に合って夫は音源を持って昨晩母の元に帰りました。

娘を連れて一緒に急に帰るのは無理と判断し、私たちは留守番組ですが、

音楽でその場に寄り添うことができて有難く思います。

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~陶芸も趣味だった義母がカメが好きな娘のために作ってくれたカメの家族~

 

 

お祈りを欠かさない義両親ですが、義母にもずっと私たち家族のことを祈ってもらいました。

お父さんを立てる賢夫人で、自分もたくさんの趣味を楽しみ、お話が大好きで好奇心旺盛。コロナ渦もパソコン教室に通うのが一番の楽しみ。

戦時中の満州引き上げの苦労以外、愚痴や文句もない立派な人。

いつも私たちの帰り際には「楽しかった」と言って笑顔で見送ってくれました。

おしゃれも大好きで凛として生きて来たお母さんには感謝しかありません。

何とも思いの詰まった忘れられない202451617日になりました。

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~結婚ご最初の私の誕生日のプレゼントに義母から贈られたエプロンは、毎年この時期に活躍~

 

 

録音一日目の朝9時の調律から夜の調整まで、丸一日お付き合いくださった調律師の相田康夫さん。

もしもの時のために急遽娘のことをお願いしたヘルパーステーションどんぐりの朋子さん。

お世話になった先生方、先輩、

録音のことを心にかけてくださった皆さまに改めて感謝申し上げます。

 

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information

*私たちヴァイオリンとピアノのデュオ Luna Classica(ルナクラシカ)YouTubeチャンネルはこちら。

https://www.youtube.com/@lunaclassica3529

チャンネル登録もよろしくお願いします!

 

2枚目のCDに収録予定のブラームスのヴァイオリンソナタ第1番の冒頭部分を、下記YouTubeでお聴きいただけます。

https://youtu.be/_g0WW0caJMM

 

Luna ClassicaCD1作目「祈り」はこちらでご視聴、お求めいただけます。

https://www.tunecore.co.jp/artists/LunaClassica

 

2024年5月 7日 (火)

誕生日に思うこと

GW中にお誕生日を迎えました。

毎年必ず晴れが約束されています。

LineFacebook等で祝いのメッセージをお寄せいただき、大変ありがとうございました!

お陰様で健康で無事にまた一つ歳を重ることができました✨

以下、先にFacebookに投稿した内容に加筆してブログにアップします。

 

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~うちのカメラマン~

 

 

お誕生日の一日はどんな日だったかというと、

息子家族とお嫁さんのご両親と久しぶりに一緒に食事をしようということになっていて、孫ちゃんが喜びそうなふれあい動物コーナーがある自然がいっぱいの「あすなろの里」に3年前にオープンした里カフェで待ち合わせ。

GWはどこも混み混みで駐車場も入れないかも、、、と予想して、

私たちは10時には着いて散策してのんびり過ごしました。

 

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~この前まで赤ちゃんだったのに、お子様ランチを食べるようになりました。~

 

特に、菅生沼を挟んで対岸にある茨城県自然博物館に渡る遊歩道の木陰で、ウグイスの美しい声を聴きながら風に吹かれている時間はとても気持ち良かった🍀

夫と、「ハンモックがあったらお昼寝したいね~」と。

録音が近いので本当はこんなにのんびりお出かけなんてしている場合ではないのに、

時間を気にせず外の木陰でゆったりなんて、なんて贅沢。

 

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帰り道にお菓子のメイプルでケーキを買って帰り、家でハッピーバースデー。

風邪を引いて熱がある息子は残念ながら今日は参加できませんでしたが、

行く前に寄って差し入れを渡して顔を見て、プレゼント交換。(彼も誕生日が近い)。

いつもはどこにも行かないGWですが、近場で家族と過ごす時間はいいものですね。

 

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夜中2回起きたため朝から眠かったので、20分ほどお昼寝してから練習。

まだ張り替えた弦が安定しない、、、。

でも、新しい弦は響きが良い。音がこなれるまでの辛抱。

 

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気温差が激しいため先週から発作が多い娘。

でもその前の1週間は発作ゼロが記録的に続いて、てんかんは治ったのか!と思ったほどでした。

このところ夜中の発作や布団のお世話で何度も起きて、私も寝不足が続いています。

良い日もそうでない日もある。

それが人生というもの。

歳を重ねて良いことの一つは、長いスパンでものを見られるようになって楽になったこと。

新しい一年をこれからも音楽と皆さまと共に、笑顔で歩んでいきたいと思います。

 

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録音まであと8日になりました。

去年はこの時点で娘が発作で倒れて頸椎骨折なんていう大事件で録音が流れたので、

かなり注意しています。

5月って良い季節なのに、過去を思い出すと竜巻注意報が頻繁に出たり、

雷があったりの不安定な時期でもあります。雹が降ったのも5月末でした。

娘の発作はお天気連動なので気を抜かずに見てあげないと。

 

そして自分のことは、日々揺れます。

1作目の時の大変な緊張に比べると、落ち着いています。

演奏の仕上がりは自己イメージと一致したところまでしかできないのを、

今回はいつも以上を目指している。

それってどんな感じなのか?自分でもわかりません。

新しい扉を開くために何をする必要があるのか?

ただ練習していても新しい次元には行けなもちろん

かといって、焦っても良いことはない。

 

すでに明け方トイレに起きたり、発作のお世話で起きたりしたら、

そのあとは音が駆け巡って眠れないので、毎日5時間睡眠です。

緊張なのか興奮なのか、平常とは違う状態。

スマートウオッチは横になっていたら騙されるので、

正味5時間しか寝ていなくても睡眠スコアは84と出たりします。

当てにならないな~。。

 

自分がどう弾くか?はもちろんのことだけれど、それだけ考えていても仕方ない。

まだ音程がはまらない箇所、かすれる音はあり、う~~ん間に合うのか?の不安はある。

音が、音程が、構成がというクオリティはもちろん大事、でもそれは評価の対象、

自分の満足のためだけで、

なんのために作るのか?誰を喜ばせたいのか?の

自分から離れた問いを立てることが大事だと最近考えています。

前にCDを作ることは残すことと書いたけれど、

同時に世界に向けて、未来に向かって発信すること。

何のメッセージを発信したいのか。

 

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本番が近づくと、自分がどう弾けるか?ではなく、

来てくれる友人の顔を思い浮かべてその人に喜んでほしいからエネルギーが出て、

良い結果につながります。

自分のため自分たちのためだけではマイナスにばかり目が行って萎縮して緊張するだけ。

そこは経験からよ~くわかっています。

音楽は差し出すもの、分かち合うもの。

 

心構えとしては、思い悩まないこと。

今日やるべきことを見定めて、深く追求するだけ。

眠れない私が自分に言い聞かせています。(笑)

 

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~泉恵さんからいただいたプレゼント💛私の好きな色♪~

 

 

20代の頃に読んでなぜか大事に思っている文章が下記のもの。

困った時、煮詰まった時、いよいよという時に、なぜか毎回これを思い出します。

 

「あなたが何をするのであれ、たとえそれが急を要したり、非常な注意を払ってすべきことであっても、あなたにあれこれ考えたり心を乱されたりしてもらいたくはない。

なぜかというに、あなたのすることは、それが大変なことだろうと些細なことだろうと、その問題の八分の一に過ぎないからだ。

万が一仕事を成し遂げるのに失敗するとしても、心の状態を平静にしていることが八分の七に相当する。

中略

しかしながら、もし仕事を成し遂げるためにあれこれ思い煩って、心が翻弄されたり、自他ともに傷つけあったりしたならば、あなたは八分の一を守ろうとして八分の七を失ったことになるのだ。

そのような事態を招かぬよう、気を付けてほしい。」

初期の教父たちのフィロカリア

 

「覚醒への旅」 ラム・ダス著 平河出版社

注:ラム・ダスは過去にハーバード大学で心理学を教え、初著「ビー・ヒア・ナウ(Be Here Now)(1971)200万部のヒットとなり、ヒッピー文化を牽引しました。

1970年代のヨガ、瞑想、マインドフルネスブームの火付け役となり、現在の世界的なブームと繋がっていきます。

Be Here Nowは、アップル社の創業者スティーブ・ジョブズの愛読書としても知られています。

私が持っている「覚醒への旅」第八刷は1985年発行。初版は1980年なので、当時の人気がうかがえます。

 

 

どう思います?

私はなぜ30年以上、たびたびこの言葉に立ち返るのか?

 

 

今夕食の支度の際に耳読している田坂広志さんの「運気を磨く」でも、

心の状態の大切さが説かれています。

運気を磨く 心を浄化する三つの技法 (光文社新書)
https://amzn.asia/d/3iV8R2k

 

ほぼ読み終えたので、これからしばらく他の田坂さんのアンリミを聴き続けます。

 

この後のブログは終わってからになるかもしれません。

心からの音楽を収録できますように。

応援ありがとうございます!

 

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~息子からは可愛いカレルチャペックの紅茶~

 

 

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*私たちLuna ClassicaYouTubeチャンネルはこちら。

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チャンネル登録もよろしくお願いします!

 

2枚目のCDに収録予定のブラームスのヴァイオリンソナタ第1番の冒頭部分を、下記YouTubeでお聴きいただけます。

https://youtu.be/_g0WW0caJMM

 

 

Luna ClassicaCD1作目「祈り」はこちらでご視聴、お求めいただけます。

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2024年5月 5日 (日)

新たな学びと刺激

 

先日バロックヴァイオリンの先生の初レッスン。

録音予定のMozartKV304 のソナタと、残り時間で少しだけパラディスのシチリアーノを見ていただきました。

とてもワクワクする面白いレッスン!

まさに感覚と理論をつなげる時間でした!

 

身振りと歌を交えて言われたメッセージをすぐに感覚に落とし込んでやってみるのは、運動神経が鈍い私にはなかなか難度が高いのですが、

でも面白い!

拍節感、ビートが大事。和声感にこだわる私はここ弱いところ。

今日はようやく腑に落ちました。

いくつものことを覚えていて弾きながら次を瞬時に行っていくので頭が疲れて、帰りの運転は眠くなりかけました。。あぶな~い。

 

常日頃思うことは、ヴァイオリンって運動としては左右が違うことをしながら協調する必要があり、

音と音程を作ること(イメージと耳)が他の楽器以上に要求され、

曲をどうこうする前にマスターすることが多すぎるのです。

それで結果、ヴァイオリンのレッスンは技術的なことばかり。

今もここ8年ほど時々見ていただいている先生には基礎やり直しを相談しています。

 

元は体の使い方を相談したかったのですが、

拍節の中心はどこにあるかで体のつくり方も変わってくるわけで、

そういう風に考えればいいのではないのですか?

今やってる方向でいいですよと言っていただけて、

このところ取り入れて弾いていた「ヴァイオリン骨体操」の応用で良さそうだなというのが確認できました。

・「みるみる音が変わる! ヴァイオリン骨体操」

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迷いが減ってよかった。

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そして具体的に作品の表情について多彩な提案をいただいてとってもわくわく♪

Mozartはオペラと考える(私もそう思う!)、など方向性は同じでさらに深い提案がたくさん。

ほかの収録曲についてもこういう視点で勉強し直そうと、ものすごい刺激になりました。ここからは応用力。

 

おかげさまで余計なプレッシャーで自分を追い込みすぎず、

何が必要なのか今何をしなければならないのかを考えながら、深く集中できています。

悔いがないようにやり切りたい。

 

と、書いてみたけれど、昨晩弦を替えたら狂うこと狂うこと。

音程練習にならなくて困ります。

ここ数日とにかくとことんゆっくり、深く感覚に落とし込む練習をやっていて、

今日から再びテンポを上げたら音程が変で焦る💦

しかし、落ち着いて考えれば弦のせいだと納得。

こういうときは音程練習には向かないので、別の練習に切り替える。

と、気が付いたのは練習の終わり掛け。

不安になっても何もいいことない、焦っては落ちていくとわかっているので、

冷静に考えて前向きな気持ちで取り組むように努めています。

 

ちょうど昨日聞き終わった本の中に「自己限定を外す」という言葉があり、

今の自分にとって一つのテーマだなと思いました。

「直観を磨く 深く考える七つの技法 」~あなたは自分の中に天才がいることに気が付いているか~ (講談社現代新書)  田坂広志

https://amzn.asia/d/7L3Mmrl     アンリミですよ。

 

他にも読んでいる本の中に、録音に向かう自分を支えてくれる言葉に出会います。

必要なことはちゃんと与えられているという信頼のもと、

静かな燃える心で準備に励みます。

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このブログの内容は、実は前日に勝間塾の投稿にも書いたものに少し手を加えています。

そうしたら、塾内の友人からコメントいただいたので続きができました。

 

以下、拍や拍節についての考察です。

まず、リズムと拍の違いを生徒たちには説明しますが、

子どもたち何度も何度も言ってもなかなかわからないみたいです。

 

拍(ビート)は、音楽の中での心臓の鼓動のようなもの。

心臓が止まると人間の生も終わるように、

音楽の中にも、脈々と拍が刻まれています。

 

ただ、メトロノームのように規則正しくではないのがクラシックの拍です。

対してポップスは、ある大きなかたまりの中ではビートは一定なことが多いです。

 

また、1拍目に1番エネルギーがあるというルールもあります。

ポップスはどの拍も同じ重さです。

 

クラシックの場合は、音が上がっていけば拍も前に進む、

音が下がっていく時は拍は少し落ち着いていく。微妙にです。

これは坂を上るときに、心臓がドキドキ速くなり、

下っていくときには、足取りも少しゆっくりになるようなそんな感覚です。

それは、古典の時代まではアゴーギク、ロマンは以降はルバートと呼ばれます。

 

拍は音楽の中に常に在るもの。

しかし、拍節はまた別の意味を待ちます。

竹の節と同じで、曲の中に節があることで小さなグループを形成します。

始まりの役割の拍節、区切りの役割の拍節もあれば、

印象的な和音のところに置く強調の役割の拍節もあります。

 

また、4拍子の曲はいつも1.2.3.4と拍を刻むかというとそうでもなく、

一小節を2拍に取る箇所、

一小節を1拍に取ることで大きな時間空間を作ることもできます。

ゆっくりしていく時は、拍を等分に細かく刻んでテンポ落としていくのが最も自然な方法と言われます。

 

これらのことが、作品の中でどこがどうなのかを見ていくのが分析です。

経験から直感的にわかる部分も多いのですが。

 

ブラームスはよく、三拍子と二拍子を同時に書いていて、それは感情のきしみを表現します。

全てのパートが同じ拍子で一致して動く箇所は、

きしみの葛藤が解消された気持ちの良い一体感、大きな流れが生まれます。

 

時計は60進法と12進法の組み合わせで、

パソコンは二進法のように、

音楽の4拍子は四進法、3拍子は三進法と例えることもできます。

の割には、その中身の表現の仕方のイレギュラーさに面白みがあるのです。

 

よく3拍子は、

一小節を1拍でとったり、

一小節を1.2〜 ととったり、

あるいは13ととったり変化に富みます。

 

それを読み解いて、あるいはいくつかの選択肢から何を選ぶかが演奏する側の仕事、個性です。

言葉で説明してもわかりにくいですよね。

楽譜があったら身振り手振りを入れて、簡単に説明できるのですけれどね。

 

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我が家の庭はモッコウバラがピークを過ぎ、紫蘭が花盛り。

いただいた芍薬と共に家の中にも飾りました。

紫蘭の青紫は5月の色。集中できる落ち着く色です。

 

 

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2024年4月25日 (木)

小さな薔薇たちのエネルギーに支えられて

 

1年前の1月から参加している勝間塾の今週のテーマは「やりぬく力の身に着け方」。

とても興味深いテーマで嬉しいです。

サポートメールは1週間を通して一つのテーマを掘り下げていきます。

 

本番に向かうことは結局のところやり抜くということにほかなりません。

人前で弾くのは、人前で裸になるのと同じです。

調子が悪いだの、緊張や、この個所は苦手なのね とか、準備不足はもちろん、

ありとあらゆることが音に乗って聴こえ、聴く人には見えます。

あー怖い。

けれども今その時を生き切る本番の快感は、リスクと同じくらい面白い。

 

自主企画コンサートの前は、当日配布のプログラムの準備(その原稿作りがまた時間がかかり)、

チケット管理、お客様とのやり取り、当日の運営もろもろの準備、

演奏以外にやることが同じくらいあって練習時間が足りないといつも焦りながら過ごしています。

 

今取り組んでいるのは録音なので、それらの音楽以外のことは何もないのですが、

打ち上げ花火のように消えてしまう本番と違い、

ずっと残るものを作ろうとしているのが大きな違い。

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本番はミスなく弾くよりもその時のエネルギーを出しきって、

その場にいらっしゃる方と音と呼吸で響きあうことの方が優先。

録音は繰り返し聴くことに耐えるように、できる限り緻密なものを作りたい。

方向性がかなり違います。

 

コロナの二年目からYouTubeも始め、年に2 3回は自前の録音機で簡単な収録をして配信してきましたが、

毎回2回のリハーサルで気楽に撮っていました。

つまり、YouTubeCDでは心構えが全く違う、、、。

ほんとはもっとYouTubeも完成度の高いものを出さなければいけないのだけれど。

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なぜCDを作りたいのか?を自分に問います。

今時CDなんてもう流行らないのに。

生物の究極の本能は自分の遺伝子を後の世に残して行くことだとしたら、

音楽家は演奏を残したいというのが究極の願いかもしれない。

永遠にその中で生き続けられるように。

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1作目のCD「祈り」は、私がいなくなった後も娘がこれを聴いて安らげるようにという願いも込められました。

永遠に音の中で生きたいと言ってもその時の自分たちでしかないのですが、

精一杯音の中で生きていたい。

そして、同じ感性を持った方にはそれが響くみたいで嬉しいです。

そして、毎回固有のテーマがあります。

 

録音までのあと3週間。

当日に頂点を持って行くために、どの時期にどんな練習をしたらいいのか?を日々考えています。

幸運なことに、この前のブログに記したバロックヴァイオリンの先生のレッスンを、

ピアノと一緒に受けられることになりました。

CD収録の最初の二曲 MozartKV304 とパラディスのシチリアーノを見ていただこうと思います。

1週間後にマイルストーンが置かれたことで引き締まります!

この幸運に感謝です。

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今日の写真は今花盛りのモッコウバラ。

白い方は29年前の私の誕生日に膝丈くらいのサイズで2本購入して出窓の両脇に植え、

農薬も肥料も何もなくても元気に育ってくれています。

小さなバラたちですが、昼間の輝きも、夕暮れ時の風情もどちらも愛おしい。

バラたちが咲き乱れるエネルギーをもらって、準備に励んでいます。

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つい先週まではいったん音楽脳のスイッチが途切れていたのが、

再びつながりました。

テンションが落ちると弾けませんね。

なにせ中性脂肪が低い体質なので、すぐにエネルギー切れを起こします。

でも今は元気にやっていますよ!

 

Luna ClassicaYouTube

https://www.youtube.com/@lunaclassica3529

CDネット配信はこちら。

https://www.tunecore.co.jp/artists/LunaClassica

 

 

 

2024年4月14日 (日)

桜咲く

 

3月はたくさんアップしたのに、すっかりご無沙汰になっていました💦

何かと用事が多く、、、どれも楽しい用事です。

 

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46日(土)

雨が多かった3月のせいで例年に比べてずいぶん遅い今年の桜でしたね。

家族でお花見できる唯一の日は今日だけと思い、

さすがにこの気温で外でお弁当を広げるのは寒いので、お散歩だけ楽しみました。

 

関西に就職した息子が昨年の秋東京に転勤になって、地元に戻ってきましたが、

1年前にはまさかまた家族でお花見ができるなんて考えもしなかった!✨

このささやかな幸せに感謝でした。

 

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47日(日)

久しぶりに何も予定がない日曜日🌸

利根川沿いの菜の花ロード、桜ドライブを楽しみ、

佐倉の川村記念美術館へ。

17世紀のレンブラントの「つばひろ帽の男」(自画像)が迎えてくれ、

現代アートが中心ながらも、ピカソ、モネ、シャガールも楽しめます。

ただ今カール・アンドレのミニマムアートの企画展開催中。〜6/30

美術館だけでなく、白鳥が泳ぐ池を囲む桜の大木や散歩道も楽しいお庭。

うちの家族お気に入りの美術館。

娘の笑顔もたくさん見れて嬉しかった🥰

DIC川村記念美術館

https://g.co/kgs/prmgfid

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この日を境に、3月半ばから多かった発作が落ち着き、笑顔の毎日のスタート。

ウフフが止まらない。

それだけで周りも嬉しい。

娘の周りは温かい笑顔の輪。

 

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413日(土)

高速で水戸まで行って友人の演奏会のお手伝い。

演奏会の主役は、日頃つくばサロンコンサートでお世話になっている代表の野末あけみさん(ヴァイオリン)

そしてデュオのパートナー泉恵さん、

地元のチェロの友人吉川真未さん(1曲だけの出演)の三名。

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さらにもう一つの主役は、楽器たち。

バロック時代に活躍したチェンバロ(こちらは久保田彰氏の2009年作)でヘンデルを、

ショパンが愛したプレイエル(パリのロスチャイルド家所有だったもの)でモーツァルトとショパンを。

後半は1917年製のニューヨークスタインウェイ(高木クラヴィア取り扱い)でフォーレの1番のソナタのプログラム。豪華!

合間に館長さんの楽器開催。

 

ピアノだけでなくヴァイオリンも対応して、

バロックヴァイオリン、

演奏者所有のグァルネリ、

最後のフォーレの時はなんと!ストラディバリウス!!

ストラディバリウスだけは楽器店から貸していただいたそうですが、

まぁ〜これだけ名器が揃って聴けるなんて!の特別企画でした。

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私もストラディバリウス(当時2億円)は若い時に一度試奏させていただいたことがありますが、

自分じゃないみたいに発音よく軽々と弾けて楽しくて仕方なかった思い出があります。

友達と二人で2時間楽器店で弾きまくって遊んだのはもう30数年前のことながら、鮮やかに思い出します。

高い楽器の何が違うのかというと、音色はもとより音の大きさなんです。

それは近くで傍鳴りする大きな音ではなく、大きなホールの後ろまで届く音という意味で。

だから、協奏曲などオーケストラ相手の曲を弾くには良い楽器を、

そして大きなホールで弾くにはやはり良い楽器を持っていると断然有利。

ソリストの方といえどもご自分で買うのは無理なので、志のある資産家が所有している名器をこの演奏家に!と

貸与することが主です。

私たちは予算が許す中で自前の楽器を大切に使います。

 

さらにこの日の鍵盤楽器の調律に合わせて、バロックヴァイオリンは415Hz

ピエトロガルネリは430Hz

ストラディバリウスは442Hz(これが通常)でというから、

もう耳が混乱、頭が混乱💦

 

リハーサルから聞いてと頼まれ会場に着いて、

音が出た瞬間にえーーー!!😱と叫んでしまいました。

ピッチだけでなく、音律も違うのでもう聞いているだけで頭の中は大混乱。

でも、面白い企画でした。

https://www.mitosougakudou.com

 

弾く方は大変だったと思います。

ピアノの鍵盤は幅さえ違うのですよ!(チェンバロは狭い)

いろいろな時代の楽器を水戸奏学堂館長さんが所有しておられ、この方は完全なマニアなのですが、好きで仕方がないが伝わってきてこちらも楽しくなりました。

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水戸奏楽堂の館長さんの本業は歯科医師。

ホールは建てるは、鍵盤楽器は各時代の名器を買い揃え、

チェロもヴァイオリンも8台も所有。

芸術はこういうとことん好きなこういう方のご支援によって成り立つと改めて思いました。

 

1日お手伝いさせていただいて、

演奏の方々への日ごろのご恩へのささやかなお返しと友情の気持ちを伝えられて、

私にとっても嬉しい1日になりました。

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さらに、この4年思い続けていたバロックヴァイオリンの戸田薫さんと席が隣になり、

奏法の話しで盛り上がり、連絡先も伺って繋がりました!

友人二人が戸田さんのところにレッスンに行くようになって、見違えるように音が良くなっているのです。

今私が課題にしている倍音を豊かに含む音を出すためのヒントを伺って、

さらに研究を進めたいと思います。

刺激とともに希望の一日に感謝✨

 

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今日は娘がショートステイで留守なので、

珍しい夕方のウォーキング。

静かな公園でした。

 

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息子が掘って来てくれた大量の筍の下茹でも終わり、

これから筍三昧が続きます。

もちろんご近所さんにもお裾分け。

 

慣れて来たお泊まりですが、

娘の大好きなカメのぬいぐるみを持たせるのを忘れてしまい、

寂しくないか気になる夜。

明日カメを連れてお迎えに行くからね❣️

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桜も終わりに近づいたので、あとは録音に向けて練習!練習です!!

いつもお尻に火が付くまでのんびりしている私。。

もうそろそろ煙が出ています💦

 

 

<お知らせ>

Luna ClassicaYouTubeチャンネルはこちらです。

https://www.youtube.com/@lunaclassica3529

チャンネル登録もよろしくお願いします!

 

2作目のCDに収録予定のブラームス ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番より第1楽章の冒頭部分。 2024312日収録

https://youtu.be/_g0WW0caJMM?si=i73sKBKCPJDnhUXs

 

Luna ClassicaCD1作目「祈り」はこちらで視聴、購入できます。

https://www.tunecore.co.jp/artists/LunaClassica

 

 

2024年3月31日 (日)

アンダンテ・カンタービレを配信しました!

春のYouTube配信いたしました!

チャイコフスキーの「アンダンテカンタービレ」です🌸

https://youtu.be/TfEdHlNl1Rw

 

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今回なかなか苦労しました。

私にとってこの曲は、ミレーの「晩鐘」のイメージ。

でも音楽に合う写真が見つからない💦

2月から時々考えてようやくの完成です。

いつもの雰囲気ですが、前半は素朴に、途中宙玉の写真を2枚挟んで、

後半は今年の河津桜を配置した季節の作品になりました🌸

 

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個人的には、20代の終わりに弦楽四重奏の本番のアンコールにこの原曲を弾いて、とてもよく響く会場だったことにも助けられて会心の演奏ができた!という思い出があります。

でも、そんな幸せな本番を終えて自宅に帰ると、

手術が成功して退院後自宅療養中の妹の癌が骨に転移して足が動かなくなり、

緊急入院していたというショックで涙が止まらなかった日でもありました。

一つ違いの妹は分身のように仲のいいその時最も大切な人でした。

幸せと涙と、、、振り幅が最も大きかったあの日を、アンダンテカンタービレが慰めてくれた思い出の大切な作品です。

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以下YouTubeの概要欄にも記した解説です。

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このアンダンテ・カンタービレはチャイコフスキー作曲 弦楽四重奏曲第1番 第2楽章を原曲として、ヴァイオリニストのクライスラーが編曲したヴァイオリンとピアノバージョンです。

 

原曲をロシアの文豪トルストイが聴いて、涙を流したという逸話があります。

そこに居合わせたチャイコフスキー自身も、その場面の感動を20年経っても忘れ

ずに語っています。

なぜそれほどトルストイの心を揺さぶったのか?

アンダンテカンタービレのメロディは、もとはウクライナのカメンカ地方のペチ

カ職人が歌っていた民謡という説があります。

農奴解放を謳っていたトルストイにとって、民謡が芸術に昇華されたと感じたの

かもしれません。

前半は素朴な民謡風ですが、後半は厳かに祈りが高まっていきます。

世界の平和を祈って演奏しました。

2024年の日本の河津桜や野の花たち写真と共に、シンプルだからこその美しさを

お楽しみください。

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<お知らせ>

Luna ClassicaYouTubeチャンネルはこちらです。

https://www.youtube.com/@lunaclassica3529

チャンネル登録もよろしくお願いします!

 

2作目のCDに収録予定のブラームス ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番より第1楽章の冒頭部分。 2024312日収録

https://youtu.be/_g0WW0caJMM?si=i73sKBKCPJDnhUXs

 

Luna ClassicaCD1作目「祈り」はこちらで視聴、購入できます。

https://www.tunecore.co.jp/artists/LunaClassica

 

2024年3月21日 (木)

オーケストラを聴きに行こう!🎻

 

3月20日(水・祝)12時集合でサントリーホールの目の前のスペイン料理「Dos Escenas(ドス エセナス)」でのランチから始まり、

15時開演の2時間のコンサートの計5時間を、

勝間塾の友人と計8名で楽しんで参りました。

http://kyukyo.or.jp/cms/14615

 

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前もって当日のプログラムのYouTubeをお知らせし、

コミュニティのイベント欄に交響曲とは?や曲の解説をイベント欄に張り付けて(その内容は前回、前前回のブログにも転載)、

初めてオーケストラのコンサートに来られても楽しんでいただけるように工夫してみました。

ランチは酸味が効いた個性的かつとても美味しい美しいお料理のコースに皆で舌鼓を打ちながら、

2時間半のランチタイムを自己紹介、コンサートの前知識のためのミニレクチャーも盛り込んで、

すでにコンサートが始まる前から「第2弾も!」のお声をいただいたほど和やかで楽しかったです💛

 

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この日は、私が20代の頃に在籍していた九州交響楽団の70周年記念の特別コンサートで、

指揮も私が居た頃にも音楽監督でいらっしゃった小泉和裕氏。

私にとって小泉さんは初めて生の指揮に触れた方でもあります。

当時通っていた女子校の創立90周年か何かの記念コンサートに小泉さんが招かれ、

ベートーヴェンの「合唱幻想曲」の合唱で私も演奏会に参加し、

きびきびとしたカッコいい指揮にすっかりファンになりました。

 

そして桐朋を卒業の後、九響に入団してその後半に小泉さんが音楽監督になられて

すごく幸せな本番をいくつも体験しています。

その小泉さんの九響退任のラストコンサートとなったら、行かないわけにはいかない!

誰と行く? で思いついたのが、イベントを立てて勝間塾の友人と行くということ。

大当たりでした!

 

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席はオーケストラの後ろの席。つまり奏者のやり取りや指揮者の表情がしっかり見える。

さらにこの席は安価ということで、何倍も嬉しい。

でも、途中から私は指揮者ばかり見ていました。

明確な指示。深い集中力。小泉さんが振れば安心なのです。

間違いなく確実に連れて行ってくださる絶対の信頼感。

 

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以前は弾きながら見ていたのですが、今回は弾かないので音を聴きながら見ていると違ったものが残りました。

それを考え続けています。

よく「俯瞰する」といいますが、指揮者の仕事はまさにそれだ!と思いました。

今の音に責任を持ちながら、常に先を指し示す。高い位置から。

ヴァイオリンだってそうなのです。常に先の音をイメージして自分の中で作ってから音にする。

指揮者の姿は外からもそれが明確に見えました。

身体全体を使って、時には大鷲が羽ばたくように、

時には指先の柔らかい繊細な表情で、息遣いで、表情で、オーケストラに伝えていきます。

 

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そしてそれに応えるオーケストラ。

ブラボーの嵐の熱演でした!!

拍手が鳴りやまず、オーケストラ奏者がステージからはけても続く拍手に、

もう一度指揮者が戻って来る。

最高の演奏会にご案内できたと思います。

一人で感動するよりも、終演後皆さんの高揚したお顔にロビーで出会えて、感想を伺えて、

喜びは何倍にもなりました。

 

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小泉さんがご自身の音楽人生を語られた「邂逅を紡ぐハーモニー」https://amzn.asia/d/db7Ij4B

を昨日ホワイエで購入して読んでいるところですが、その本の後ろに

「コンサートホールの中で一人でも、人生が変わるほどの体験をしてもらえたら」とありました。

そしてその下に小さな文字で「音楽から受けた感動は記憶の奥に刻まれ、ずっと残るもの。

ときにはそれは人生を変えてしまうほどに」と。

 

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私自身もそんな音楽ができるようになりたいと思いさらに精進したいと思いますし、

ますます音楽の素晴らしさを伝えていきたい!と改めて心に決めた一日となりました。

 

思い返せば私にとって(一方的にです)小泉さんは、節目のエネルギーをくださる方。

初めて演奏体験(合唱)での指揮が小泉さんから始まって、

九響に入って最初の定期演奏会も、退団の第九演奏会も、最後にエキストラで九響に行った演奏会(リヒャルト・シュトラウスのドン・ファンがメインのプログラム)も、すべて小泉さんでした。

古希を超えてなお緻密な音楽作り、暗譜による完璧な設計、

情熱と冷静の両方を見事に体現される素晴らしい指揮は、

私にとって頭上に輝く星のような存在です。

 

小泉さん、九州交響楽団の皆さま、70周年おめでとうございました!

そしてありがとうございました!

ご一緒してくださった皆さんにも感謝💛

 

 

 

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2作目のCDに収録予定のブラームス ヴァイオリンとピアノのためのソナタ第1番より第1楽章の冒頭部分。 2024312日収録

https://youtu.be/_g0WW0caJMM?si=i73sKBKCPJDnhUXs

 

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2024年3月19日 (火)

リヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」

320日サントリーホール演奏会 の続き。

リヒャルト・シュトラウス作曲 交響詩「英雄の生涯」作品40 について

 

共有した音源は安永徹氏がベルリンフィルのコンサートマスター在任中の来日公演。

場所は同じサントリーホール。

この曲はベルリンフィルの音が1番合ってると思います。

指揮はサイモン ラトル

https://youtu.be/pcQJdk5eo74?si=CnC_N8-oFpe7yUoD

 

ドイツの作曲家シュトラウスが手掛けた「交響詩」というジャンルの中での最後の作品です。

 

交響詩とは、ベートーヴェンのところでお話しした交響曲が3つか4つの楽章で成り立つ、ソナタ形式を含む多楽章のオーケストラ曲であるのに対し、

交響詩は1つの楽章しか持たないことが多く、イメージを喚起する副題がついたオーケストラ曲を指します。

オーケストラで奏でる章立てしない物語、詩という言い方もできます。

ただ、交響詩の方が時代が現代に近いので、オーケストラの規模が大きくなっているのも特徴の一つです。

時代が進むと王侯貴族の規則やしきたりの世界から、より自由になっているとも言えます。

 

ここで言う英雄とは、リヒャルト・シュトラウス自身のこと。

単一楽章形式(つまり切れ目なく続く音楽)ですが、内容は六つの部分からなると言われています。

1・英雄の姿を描く

2・英雄と人間の対立

3・愛情に魅せられた英雄

4・戦場の英雄

5・英雄の業績

6・英雄の引退

 

冒頭は序奏なしにいきなり「快活に」の指示で、英雄を示す主要主題で始まります。

低音の弦楽器とホルンが重なった独特の音色が印象的です。

この作品はなんとホルンが8本も使われています!

ちなみにリヒャルト・シュトラウスの父はホルンの名手であったため、彼はホルンを大事な場面で効果的に使います。

 

この主題自体がかなり長く、英雄のキャラクターを伝えるさまざまな要素を含んでいます。

譜例もありますがそこは省略。

 

英雄はどんな人物であるかというと、

「底力と気力 強固な意志を持ち ファンタジーの豊富さ 感情の温かさと緊張力、行動力に富む人物」として様々な楽器で演奏されます。

ここの頂点では金管楽器が鳴り響きます。

そして一瞬の休符で区切られ、ここまでが第1の部分とわかります。

 

第2部「英雄の敵」

この敵とは、批評家、先輩、同輩など。どこの社会でも同じですね。

無理解と敵視、嘲笑にさしもの英雄も落胆し、悲観的な状態になるのが音楽で描かれます。

しかし、それらを敢然と退けようとして力を増していったところでまでが第2部。

 

第3部「英雄の伴侶」は独奏ヴァイオリンで表現されます。

難易度の高い内容をコンサートマスターが演奏します。

最初は英雄の激しい行動力で愛は拒絶されますが、次第に愛の詩的な二重唱となり二人の意見の一致が聴こえてきます。

英雄が彼女を抱きしめたところで、敵の非難や嘲笑が聴こえて来、

突然舞台裏からトランペットが鳴り響いてくるところまでが第3部です。

 

第4部「戦場での英雄」

トランペットの響きは戦いの場面に入ったことを暗示し、英雄の胸には大胆と勇気がみなぎります。戦いのシーンが音楽で表現され、圧倒的な迫力です。

勝利の喜びと希望が見えます。

伴侶の主題がバイオリンで演奏されるのは英雄を激励している様子。

戦闘が頂点に達すると、英雄は敵を征服する最後の一大攻撃を仕掛け勝利が決定的にもたらされます。それは金管楽器の力強い演奏で示されます。

批評家などの敵も弱々しくなり、非難も嘲笑も断片的になるのがこの部分の終わり。

 

第5部「英雄の業績」

曲が静かに落ち着いてきて英雄の業績が示される箇所です。

ここは実はこれまでのリヒャルト・シュトラウスの傑作の数々がそれぞれの主要主題で出てきます。

例えば「ドンキホーテ」「ドン・ファン」「死と浄化」「マクベス」「ティルオイレンシュピーゲル」「ツァラツゥストラ」オペラ「グントラム」、そして歌曲「たそがれの夢」作品29の1など。

 

そして業績が一通り示されると曲は最後の部分「英雄の引退」に入ります。

速度はきわめてゆっくりとなります。

ウイキペディアの解説によると、田園風景がイングリッシュホルンで表現され、

過去を回想し、最後は静かになってこの世を去るとあります。

 

主な出典 「名曲解説全集」第6巻管弦楽曲Ⅲ 音楽之友社より 

https://amzn.asia/d/3DuZgjO

1級の解説者の執筆による全24巻 昭和55年の第一刷という古いものを所有。

大学卒業時に一括購入して勉強の際に愛用し続けています。

 

指揮者の小泉和裕さんも「英雄の生涯」にご自分を重ねていらっしゃるのではないかと想像します。

人はその人の成功や栄光など光の部分しか見ません。そこまでになった人の苦労、もともとのエネルギーなどは知ることはなかなかできません。

それに共感されてのプログラミングと感じます。

さて、どう表現されるのか?楽しみです。

 

私たちは指揮者の表情、オーケストラ奏者のやり取りを間近に見られる席なので、

見る楽しみも大いに満喫しましょう!

 

と、ここまでが塾内のイベント欄に書いた作品についてのインフォメーション。

明日はランチタイムに作曲家について語るので、今晩はベートーヴェンとリヒャルト・シュトラウスについて再度勉強します。

楽しいなあ💛

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ベートーヴェン交響曲第2番

続き。

 

初めてのオーケストラ体験の方もいらっしゃるので、

前もってインフォメーションをしたいと考えて、

まずは参考音源をイベント欄に貼り付け、

その後作品ごとに解説を書きました。

コミュニティのイベント欄にも書いた解説を、ブログでも共有したいと思います。

 

ベートーヴェンの交響曲第2番 についてのインフォメーション。

 

この前お送りしたYouTube  https://youtu.be/XQ4TCJX9zuQ?si=yCGxzPiT43iZVcUQ

を聴いていただいておわかりのように、明るい曲調に満たされているのですが、

実はこの時期のベートーヴェンは難聴に悩まされていました。

有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いたのもこの年です。

そしてこの二番の交響曲も同じくハイリゲンシュタット(オーストリアの地名)で書かれています。

これをどう見るか?解釈は様々です。そこら辺のところは当日のランチの時にでも。

 

1/ 交響曲ってなに?

交響曲というのは、三楽章、あるいは四楽章で構成されているオーケストラ曲のことで、大体30分から長ければ一時間近くかかる壮大な作品です。

1楽章は必ずソナタ形式で書かれています。

規模が大きいので、作曲家にとっては勝負どころ、腕の見せ所の曲と言えます。

 

三楽章あるということは、三章仕立ての物語と考えていいと思います。

それぞれの楽章が関連があることもあれば、全く違うキャラクターのこともあります。

関連がある場合は物語としてとらえてもいいですし、

楽章で関連がなければ、長いエッセイが三つ四つ並んでいるオムニバス形式と考えることもできます。

でも必ずその3つ、4つの楽章が効果的に配置され、通して聞いた時に大きな物語として聞こえるように書かれています。

 

/ 作品の構成について (楽章ごとに)

第一楽章

出だしはアダージョ・モルト(非常にゆっくり静かに)の序奏から始まります。

そして、第1楽章主部のアレグロ・コン・ブリオ(快速に生き生きと)の表示通りに明るく展開されていきます。 ここから4/4拍子、ニ長調 ソナタ形式

 

ここで、ソナタ形式とは?を説明しますね。

「展開」 と書きましたが、交響曲の第1楽章は必ずといっていいほど「ソナタ形式」で書かれています。

 

形式にのっとって書かれているというあたり、いかにもドイツ的です。

そうなんです。ソナタ形式はドイツ音楽の真骨頂でもあります。

特にベートーヴェンの作曲スタイルは弁証的と言われ、

「これはこうであるか?」「いやこうではないか?」と問いを立て、

「ならばこうである!」と進むのです。

非常に男性的です。

 

そしてソナタ形式の重要な情報として、必ず二つの主題があります。

最初に出てくるメロディが第一主題。

これは男性的な性格であることが特徴です。

しばらくして出てくる第2主題は、対照的に女性的なメロディ。

まるで男女の主役がいるかのように展開することもあれば、

一人の主人公の中の心の二つの動きと見てもいいです。

解釈は一つではありませんから。

 

詳しく説明しすぎると頭で考えすぎて楽しめなくなるので、なるべく簡単にしようと思いますが、

最初に主人公、材料、場面を伝える提示部があって一旦仮に閉じたのち、

展開部に入ります。

文字どおり主題を使って展開して行くのですが、

この二番のシンフォニーは短い展開になっています。

 

そしてお決まりの再現部に入り、主人公が短い冒険に出かけて我が家に戻ってきたような感じに聞こえます。

あっ 最初のメロディーに戻って来た!と思えたら、そこが再現部の始まりです。

聴き慣れてくるとわかると思います。

第二番のシンフォニーは長いコーダ(しっぽ)が付いていて、それも雄大に聴こえる要素になっています。

 

まずは、ゆっくりの序奏の後に出てくるメロディ(第1主題)に注目してみましょう。

提示部は繰り返して全く同じものを2回弾くので、

なるほどここからここまでが提示部か とわかると思います。

そして、展開部を経て再現部に入る箇所も、提示部の出だしと全く同じですので「来た!」とわかると思います。

まずはこの第1主題が出てくるのを発見する楽しみを元に、YouTubeを楽しんでみてくださいね。

 

第二楽章 

ラルゲット 3/8拍子 イ長調

2楽章としては珍しく、このラルゲットはソナタ形式で書かれています。

このメロディの美しさは有名だそうで(私は知らない💦)、のちに歌曲にも編曲されたそうです。

ベートーベンが書いたこういうゆっくりした楽章は、彼が散歩しながら野や山を歩いたであろう姿を彷彿とさせます。

難聴に悩まされていた時期とは思えない、平和で憧れに満ちた幸せな世界が広がります。

 

第三楽章 

スケルツォ アレグロ(快速に) 3/4拍子 ニ長調

スケルツォとは、よく諧謔的なと訳されますが。諧謔的ってナニ?ですよね。。

まあ冗談や戯れという意味があり、気楽で楽しい踊りの要素を持つと捉えてください。

 

ここで注目すべきことは、交響曲第2番が史上初めて交響曲の中で「スケルツオ」を使ったということです。

それまでの交響曲には「メヌエット」という貴族の踊りの形式が使われており、

貴族的な世界から一般庶民の世界に音楽を広く間口を開けたと言えます。

ベートーヴェンは音楽の革命家でした。時はフランス革命の時代です。

 

第4楽章 

アレグロ・モルト(非常に快活に) 2/2拍子 ニ長調 拡大されたソナタ形式。

提示部、展開部、再現部と形式通りに進んだ後のコーダは、159小節にも及ぶ堂々たるものです。

 

何拍子か?ということも記したので、4拍子、3拍子、3拍子、2拍子と思って、指揮して遊ぶのも楽しいと思いますよ。

全楽章で約30分。

 

前もってお伝えするのは作品のことだけ。

当日は作曲家についてお話したいと思います。

 

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明日はサントリーホール

 

320日(水・祝)の明日はサントリーホールで、

昔私が所属していた九州交響楽団の創立70周年記念特別公演が開催されます。

http://kyukyo.or.jp/cms/14615

プログラムは、ベートーヴェンの交響曲第2番と、

リヒャルト・シュトラウス 交響詩「英雄の生涯」の2曲。

 

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~スクショですみません💦~

 

 

明日の指揮者は私が居た頃と同じ小泉和裕氏。

2度目の音楽監督の最後の引退公演だそうで、

これは聴きに行かなきゃ!!と昨年から思い続けていました。

 

誰と行く?

そうだ!勝間塾でイベントを立てよう!とすぐに思い立って、

22日に塾内で初めてイベントを立ててみたところ、

1時間で最初に設定した定員4名に達し、

結局8名まで膨れ上がって大勢で行くことに。

初めてお会いできる方が多く、それだけでも楽しみです💛

 

私たちの席はオーケストラの後ろの指揮者の表情を正面から見れる場所。

音は近くの楽器が大きく聞こえて偏りがありますが、

見る楽しみがある席でこれ以上ない臨場感を皆さんと体感してきます。

 

15時開演の演奏会の前には、皆さんとランチも計画していて、

このイベントのコメント欄はすでに109に達しており、

皆さんの期待が窺えます。

明日はナビゲート役の責任を楽しんで果たして参ります♪

 

 

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